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レンアイ  作者: WAIai
5/7

【5】

気がついた時には、ベッドに横たわっていた。しかも、寮のベッドではなく、どうやら病院のベッドのようだった。

「…どこ?」

かすれた声で言い、何とか体を起こすと、頬がうずいた。殴られた感触を今でも覚えている。

「あら、起きた?」

ふくよかな看護師、40代だろうか。その人が来て、ポカリスエットをベッド脇のテーブルに置く。

「ちょっと熱があるみたいだから、これ飲んでね」

「はい。…あの、ここは?」

「あ、そうか。覚えてないよね」

カーテンを看護師が開くと、どうやら4人部屋のようだった。窓際に居るらしく、暖かいヒーターだろうか。それが風を送ってくる。

「ここは、精神科なのよ。あなた、入院することになったの」

「入院…。私が?」

「そう。あなたが。あなた、細すぎるのよ」

貴子の指さし、看護師が言ってくる。

「後で先生が来るからよろしくね」

「はい。あの…。両親は?」

「一度帰られて、荷物を持ってくるみたい」

優しく言われ、子どものように頷く。

ーそうか。自分は入院したのか。

倒れるまでの記憶しかないので、動揺が激しかった。勝手に涙が溢れてくる。看護師は気づかなかったのか、行ってしまった。貴子はぼろぼろと涙をこぼす。

ーお別れなんて、そんな。

酷い結果となってしまったが、仕方ないことだった。雄也にあんなまねをされると、これからもそうなるんじゃないかと怯えてしまう。しかし、貴子にとっては大切な恋愛だった。

「うう…、ひっく」

泣くだけしか出来ない自分が惨めだった。とりあえず今は泣くだけ泣くことにした。

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