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4.16歳の誕生日

ダクタイ

ヒューゴの16歳の誕生日に、孤児院の院長から父のアイテムバックと父の剣、母の対の短剣をもらった。


「これはお父さんとお母さんのものです。金貨は当時運営していたお店を処分した対価です。宝石は、もともとこのアイテムバックに入っていたものです」


バッグの中には、金貨が5枚と宝石がいくつか入っていた。金貨は孤児院に全て寄付した。宝石は記念にもらった。


金は少しずつ自分でためた金がわずかだがあった。これでやっていこうと決めた。


「ドリシャーは狩りができるから、獲物をアイテムバックに入れて運ぼう」


ヒューゴはアイテムバックを返してもらえたのを喜んだ。


9年前にワイバーンから街を守り、死んだ両親の形見を、孤児院は成人するまで保管してくれていたのだ。


剣と短剣はバラして研がれ、まるで新品のようだ。中に刻印されていた文字が紙に書かれていた。


長剣には、

「ロンドのアキヒ ダンジョン27階制覇記念 G301年342日」

21年前の日付があった。


対の短剣は、2つ合わせて文字となるとあった。

「タムから最愛なる妻ヒュウに贈る G304年21日」

18年前の日付があった。


「父はジスだし、母はルイーゼだ。これは誰なんだろう。両親はなぜ隣の国からこの国に来たのだろうか」

ヒューゴは院長につぶやいた。


「わかりません。武器は譲られたものかもしれませんし、きっとなにか事情があったのでしょう」

院長は首を左右に振りながら微笑み、紙をたたんで麻の袋に入れてヒューゴに持たせてくれた。


アキヒ、タム、ヒュウ。

アキヒはロンドのダンジョンに行っていた冒険者なんだよね。父さんと同じ。


いつかロンドに行けたら、冒険者ギルドで聞いてみよう。父さんと母さんと、ついでにアキヒ、タム、ヒュウのことも聞いてみよう。


父さんが結婚していたドリーさんって人は、父さんが母さんと結婚してるってことは、きっと死んでしまったのだろうな。


いつか行けたらいいな。ガイダント王国のロンドに。



***

砂漠の国グリーを守る親衛隊は、テイマーが主体で勇者「ウィズドン」に習い、人が乗れるほど大きな猫を従えている。

10頭もいると壮観である。


森で薬草を探しているときにたまに見かけた、遠くを粉塵をあげて走る大きい猫とそれにまたがる騎士の軍団は、まぶしいほどかっこよかった。



原因はわかっていないが、この国ではテイマーは猫くらいで、他の動物や魔物をテイムしているケースはほとんどない。しかも絶対数はとても少ない。

ほかの国ではいろいろな動物や魔物がテイムされているし、相当数のテイマーが報告されている。


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