表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/29

22.砂漠は暑くて寒い

プール

ドンマヒの山をおりて次の街に向かう前に、山の上の方に見つけた洞窟について、ダンジョンかどうかはわからないが、ドンマヒの街の冒険者ギルドに副団長に報告に行ってもらった。


次の街はプール。山から少し離れて進む、砂漠の中のオアシスの街だ。目印が無いときは、地図と方位磁石を使って進む。魔法のアイテムらしい。


あまりの暑さにマントを被って日陰を作る。

『暑い。大丈夫か?』

『うん。あついけど平気』

ドリシャーは平然と歩いている。


『すごいな』

この砂漠に個体的に適しているんだろうか?ドリシャーもグリーの民も暑さに強い。

(俺は情けないけど、慣れないんだよなぁ)


ラモンが目に入ったが、俺と同じでマントで日陰を作っていた。

「暑いですよね」

「暑いもんは暑い。体力を消耗するわけにいかないからなぁ。あいつらは何か体のつくりがちがうのかな」

泣きごとのようにラモンがつぶやいた。


グリーの民の見張りは、帽子もかぶらず生き生きと見回している。


「今日中にプールの街には着けないから、途中でテントを張って休むからな」

副団長がみんなに聞こえるように声をかけた。


ラモンがため息をつきながらヒューゴの肩に手を置いた。

「冷えるんだよね。砂漠の夜は。街にテントを張る時よりずっと冷える。中に一枚多く着ておけよ」

「わかった。ありがとう」


夕方早めにテントを張って、交代で見張りに立って休んだが、ドリシャーが一緒にいてくれていたので、くっついたら温かくて何事もなく朝を迎えられた。

(ドリシャーってそんなに強いのかな。魔物が寄り付かないものな)


夜明けとともに、簡単な食事と用を済ませて、交代で休みながらどんどん進んだ。二日目の夕方にはオアシスのプールの街に到着した。


副団長が見張りの兵士に声をかけて、詰め所に入っていった。兵士が来てくれて、みんなのギルドカードを確認してくれた。


街に入り、みんなくたくただったが、中央広場にテントを張って、簡単な食事をして、今日のところはそこで休んだ。トイレもあったので、女性陣は大喜びだった。


ドリシャーも街に入り、テントの隅で休んだ。


翌朝、夜明けとともに舞台を組んでポスターを張った。


ドリシャーも山も森も回りに無いのでテントの隅でずっと寝ていた。ヒューゴは丁寧にブラッシングしたが、毛玉がいっぱいできていて時間がかかった。

(けっこう自分で毛づくろいしてても、からんじゃうところがあるんだな)


ドリシャーは旅団のみんなとも慣れてきて、ちゃんと頼めば、すこし触っても怒らなくなった。(あくまでもすこしだけど)


マリカラが抜けた毛の片づけを手伝ってくれた。

「もうすぐお別れだね」

「そうだな」


「この後は、隣国のベルナに行くんだって」

「そうか。俺はガイダントに向かうよ」


「そうなの」

「また会えるといいな」


「そうだね。この抜け毛もらってもいい?洗って布で包んで針刺しにしたいんだ」

「へえ。そんな使い方もあるんだ。でも臭くない?」


「よく洗うから大丈夫だよ」

マリカラは嬉しそうに抜け毛を麻袋に詰めていた。この袋ごと洗うのかな。麻袋は充分ケモノ臭かった。

(これはこれで、魔物除けになるかもな)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ