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16.鑑定

ヒューゴが夜明けとともに街を出たら、ドリシャーが隠れて待っていた。

夜明け前から念話がばんばん入って来て、おかげさまで早起きできた。


『ヒューゴ』

『そこか』


街を出てしばらくしたら、ドリシャーがすっと横にやってきた。首を撫でで、ヒューゴがまたがるとゆっくり走りだした。


森に着いて、ブラッシングして、一緒にいるだけでとくに何もすることも無いけれど、時間いっぱいまで一緒にいた。


『明日は神殿に鑑定に行くから、来れないからね』

『うん わかった』


昼過ぎにドリシャーが街まで送ってくれた。首をポンポンと叩くと、くるりと向きを変えて森の方に消えていった。


街に戻り、ヒューゴは警備をバイドンから引き継いだ。

(今日もいいお客さんぱかりだといいな)



***

翌日、ヒューゴは宿屋のカウンターで聞いてみた。

「王都親衛隊の待機場所ってわかりますか?」

「街の中心の王城の一画にあるから、門兵に確認したらいいよ」


宿屋のカウンターでわからないことはないなと感心しながら乗合馬車で神殿に向かった。途中王城の正門や裏門がいくつが見えた。

(バース隊長はここか。行かないときっと怒られるよなぁ。行ったときに出かけているといいなぁ)


神殿に着いて鑑定の列に並んだ。順番に奥の個室に招かれて、しばらくすると出てきたが各人いろいろな表情をしていた。嬉しそうに頬を赤く染める人、気持ち悪そうに青ざめる人、だいたいわかっていたのか表情が変わらない人。


自分の番が来て、奥の個室に招かれた。金貨2枚を渡した。


鑑定結果

獣目(夜目) 火魔法 風魔法

テイマー(猫)


紙に書き出してくれて渡された。


暗くてもよく見えたのはスキルだったんだな。風魔法は気が付かなかったな。テイマーで(猫)とあるのはドリシャーの事だろう。


ドリシャーが認められたような気がして、すこしうれしかった。


父さんはアイテムボックスを持っていたんだよな。改めてすごかったんだなと感じるよ。他にどんなスキルがあったのか、ちゃんと聞いておけばよかったな。


礼を言って鑑定の場所を後にして、帰りの乗合馬車を待った。


途中で王城で降りよう。王都親衛隊に挨拶して、歩いて宿に戻ればお昼ごはんに間に合うだろう。



馬車主に「乗合馬車で途中下車して王都親衛隊に会いに行きたい」と言ったら、王城の横で下ろしてくれた。王都親衛隊は横門のすぐ脇なんだそうだ。


横門の兵士に、王都親衛隊に会いに来たことを言ったら、案の定留守だった。ヒューゴだと名乗り、泊まっている宿屋の名前を伝言してもらうことにした。

兵士は伝言用の板に、ヒューゴの名前と宿屋の名前を書いて今日の日付と時間を書いた。


礼を言って失礼して、歩いて宿屋に向かう途中、服を売っている店があって、あんな服いいなぁと思いながら、報酬が入ったら買おうと先の予定にわくわくした。


途中劇場に、大きな板に書き込んだポスターがあって、

「ティモスバレッジ団」

「勇者ウィズドンと獣魔シャー 聖剣ウズとの出会い~

闇の王に盗まれた聖なる石ナイラを取り返す旅へ」


人気女優カラファウムとウィズドン役の男優の絵がどーんと飾られていた。

劇場に人がどんどん飲み込まれて行っていた。



宿屋に戻ると、食堂は大混雑していたが、俺を見かけた宿の人が盆にのせて持って来てくれた。


「部屋で食べるといいよ。盆は食べ終わったら持って来てくれると助かるな」


「わかった。ありがとう。おなかぺこぺこなんだ」


宿の人はにこっと笑って、盆をどうぞと渡してくれた。こぼさないように気を付けて部屋に戻ったが、寝ているラモンを起こしたくなかったので、部屋の外の待合室みたいなところでささっと食べた。そのまま食堂に返しに行ったら、まだまだ大混雑していた。


ここに置くよと目で合図して、宿の人がうなずいていたのでそのまま失礼した。バイドンと交代しに占い師の部屋に向かった。

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