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コスプレイヤー、異世界に転生しました  作者: 叶夢
二章 学園祭編
18/22

一八話 悠里、冒険者を始める(後編)

「―鑑定―」


悠里は、黒騎士との戦闘を目前に控えつつ、鑑定のスキルを発動させた。



騎士水晶クリスタル・ナイト

全身を黒い鎧と兜で覆い、銀の大剣を携えた騎士。周囲は透き通った水晶に包まれ、幻想的な雰囲気を醸し出している。攻撃時には水晶から現れ、敵を襲いかかる。

•パワー: ??

•スタミナ: ??

•知能: ??

•スピード: ??

•防御力: ??

•運: ??

•回復力: ??

•魅力: ??

能力:

•??

•??

弱点:

•??

•??



「名前と特徴以外は不明!?」


鑑定結果を確認した直後、騎士水晶は結晶から分離し、一瞬で悠里との距離を詰めた。


「速すぎ…」


悠里がその言葉を口にする間もなく、騎士水晶の剣撃が彼女を背後の壁に激突させた。


「ごふっ…」


その衝撃で意識が飛びそうになり、悠里は唇を噛むことでなんとか正気を保った。意識をすぐに取り戻したおかげで、次の攻撃を何とかかわすことができたが、騎士水晶の剣撃は柱を紙のように切り裂いてしまった。


悠里はその驚異的な力に呆然としながらも、再び迫り来る騎士水晶の斬撃に備えた。


彼がかわすたびに、柱はあっという間に崩れていく。 悠里は騎士水晶の隙を狙おうとしたが、逆に彼の剣撃に押し返されてしまった。 剣撃が続く中、悠里の持つロングソードは刃がボロボロになり、いつ欠けてしまうか不安を感じていた。


「分身召喚!!」


悠里は分身のスキルを発動し、四体の分身を召喚した。


「少しの間、あの黒騎士を食い止めて。」


悠里の命令に応じて、分身たちはそれぞれロングソードを構え、騎士水晶に立ち向かった。

分身たちが騎士水晶の剣撃を抑える中、悠里はその結晶に近づいていた。


中間火炎魔法『火焔纏いフレイムエッジ』を唱え、ロングソードに炎をまとわせると、結晶を目指して剣を振り下ろした。その瞬間、幻影水晶クリスタル・ファントムと同様に、騎士水晶から分離した結晶が障壁結晶クリスタルシールドを展開した。


どうやら、騎士水晶は遠隔地からでも障壁結晶を形成するという異常な能力を持っているらしい。悠里は魔力を増幅し、障壁結晶の破壊に挑むことにした。しかし、増幅された魔力に耐えられなくなったロングソードは、ぽっきりと折れてしまった。


同時に、分身たちのロングソードも折れ、彼らはそのまま騎士水晶に斬りつけられ、消滅してしまった。騎士水晶は即座に、背中を無防備にさらしている悠里に接近し、大剣を振り下ろした。


悠里は背を向けたまま、着せ替えのスキルを発動し、アニメ『ブラッディハント』の主人公、不知火カレンのコスプレに変身した。彼女は赤い瞳と透明感のあるアッシュブラックの長髪を持ち、左右に分けたおさげが特徴であった。身につけているのは黒の半袖セーラー服と、光沢感のある赤い蝶結びリボンである。この付与スキルは身体能力と再生能力を急激に向上させる効果を持っている。


悠里は不知火家の妖刀を腰に差さず、手に持ったまま、左手で鯉口こいくちを切り、右手で鍔元つばもとを握り、切っ先を中段に構えた。右足を大きく一歩後ろに下げ、体を回転させて刀を左から右へと水平に振り抜いた。


「二の剣・乙夜いつや!」


騎士水晶の首を狙った剣撃だったが、タイミングが間に合わず、悠里は大剣を受け止める体勢に入ってしまった。力のずらしを利用し、三の剣・丙夜へいやで騎士水晶の胴体に斬りかかる。高速で振り下ろされた刀は、騎士水晶の鎧にヒビを入れることに成功した。


ヒビを入れられた怒りに駆られた騎士水晶は、強い雄叫びを上げて悠里の首根っこを掴んだ。抵抗できない悠里は、騎士水晶に野球ボールのように投げられ、壁に激しく叩きつけられた。


「パキッ」と音を立てて、骨が応力に耐えきれず亀裂が生じる。「痛い…少なくとも肋骨にヒビが入っただろうな…」


悠里の後方から、騎士水晶は途轍もない殺気を放ち、大剣で斬撃を飛ばしてきた。「痛っ」と声を上げる。無理に身体を動かそうとしたため、肋骨部分に電気のような痺れを感じた。


痛みを堪えながら、悠里は身を大きく旋回させ、左足をしっかりと踏み込みつつ、腰を立てて力強く切先を上段に構えた。彼女は騎士水晶の動きを見極めるため、視線を固定したまま静かに待機していた。その間、悠里は再生能力の付与スキルを用い、肋骨のヒビを修復することに意識を集中させた。


その瞬間、騎士水晶が一歩前に進み出る気配を感じた。迫り来る騎士水晶の存在は緊張を高めたが、同時に悠里の集中力も一層高まった。彼女は攻撃の決定的なタイミングを見極め、騎士水晶が距離を縮めるにつれて心を落ち着け、次の行動を確認した。思考が鮮明になり、動作の連携が自然に整っていく。


「一の剣・甲夜こうや!」


極限の集中状態で放たれた正中線を狙った剣撃は、騎士水晶を真っ二つに斬り裂いた。事前に鎧にヒビを入れておいたおかげで、見事に騎士水晶を倒すことができた。真っ二つに切り裂かれた騎士水晶は、しばらくして消滅し、彼女の目の前には黒い鎧と黒い兜、銀の大剣が静かに輝いていた。一方、騎士水晶と分離していた結晶は、騎士水晶が消滅する際に煌めく結晶へと変換された。


悠里は着せ替えスキルを使い、再び冒険者風のコスチュームに変身した。この日のうちにもう一度着せ替えスキルを発動することはできないため、彼女はこの姿を大切に思った。


彼女は魔法箱アイテムボックスを使い、討伐した幻影水晶と騎士水晶から得たドロップアイテムを回収した。


「さて、今日の紅茶とおやつは何かな?」


冒険者ギルドに帰還した後、悠里はギルドからの誤った情報により、自身がAランククエストを受けていたことを知らされる。実際には、そのクエストをソロで攻略したことで自動的にAランクへの昇格が決まるが、悠里はそのことをまだ理解していなかった。

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