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光癒ちゃんを守り隊、結成!

「フジキって言ってたな、いまの侍・・・フジキとはどう言う関係なんだ?」

「どうもなにも将来、わたくしの侍になりたいとおっしゃっていたので侍にして上げただけですわ~」

「薄々、気付いていたけれど、沙織里ちゃんってレ──」

「それ以上はシャラップですわ!

 それに光癒ちゃんは何も知らないからこそが良いんじゃなくて!」


 色々とツッコミたいのをグッと堪え、風馬は再び座り直す。


「・・・確かに光癒ちゃんは何も知らない方が良いのは確かだな。天使からギャル化したら光癒ちゃんじゃないし」

「流石は光癒ちゃんのお侍さんですわ。なんのかんの風馬さん──いえ、風馬様もきちんと解って下さるのね?」

「あと、沙織里ちゃんについて解った事がある。沙織里ちゃんって、まんてんば──」

「それもシャラップですわ!あの方はわたくしなど足元にも及ばぬ存在!軽々しく名前を言ってはいけない方なのですわ!」

「そこまで尊敬しているのか・・・」

「ええ!真似して胃カメラをやった時は流石にキツかったですわ~!」


(ああ。これはもう尊敬って言うか、崇拝している人間の目だわな・・・ツッコミ入れても良いけれど、主君の友人を貶めるのは侍の流儀に反するか)


 風馬は沙織里が名前を言ってはいけないと言ういま人気急上昇中の電脳Yチューバーの事を思い浮かべながら、そのYチューバーによく似た髪を靡かせながら目を輝かせ、思い馳せる沙織里を観察する。

 一般の女子高生が金銭面でコツコツ貯めて真似る努力はしたのだろう。

 性癖が歪んだきっかけは定かではないが、同性愛にもある種の美を感じているのかも知れないと風馬は沙織里の思考や有言実行な姿勢を見ていて思うのであった。

 そんな風に風馬が沙織里を観察していると光癒が風馬の袖を引っ張る。


「風馬さんは沙織里ちゃんの名前を言ってはいけないあの人が誰なのか解るの?」

「ん~・・・解るには解るんだが、光癒ちゃんには刺激が強すぎると思うから教えられないなあ」


(初手で胃カメラを配信で載せたあの伝説回とかは流石に光癒ちゃんでもドン引くだろうし、沙織里ちゃんの名誉の為にも黙っておくか・・・)


 風馬は「折角、教えて貰えると思ったのに」と残念がる光癒の頭を撫で、「そのうち、解るさ」と言って、その場を濁す。

 そんな風馬と光癒を見て、沙織里は面白くはなかったが、風馬に助け船を出されたのも事実である為、不満げな顔をしつつ黙っている。


「沙織里ちゃん。お勉強の続きしよう?」

「光癒ちゃんは本当に良い子ですわ~!流石はわたくしの運命の人になる天使のような光癒ちゃんだからこそ、獣から光癒ちゃんを守らなくてはと言うわたくしの使命感が滾って来ますわよ!」


 そう言うと沙織里は何故か風馬を見据える。


「──と言う訳で風馬様!光癒ちゃんに天使を見た者同士、これからも共に光癒ちゃんを守って参りましょう!」

「未だに色々とツッコミたいところはあるけれども、主君である光癒ちゃんとその友人を守るのも俺の務めだ。謹んで承った」


 こうして、光癒を守り隊が結成され、沙織里がリーダーになり、風馬が副リーダーに任命される事となる。

 そんな意気投合した二人を見ていた光癒は相変わらず、よく解ってないらしく、「お勉強は?」と二人に質問するのであった。

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