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ガラクタ旅行 ~satoriさんの曲に寄せて~

作者: 音翠アイラ
掲載日:2023/05/31

今日もボイラは音楽を奏でる。

宇宙船は進んでいく。星の欠片、宇宙のガラクタの間を。


ガラクタに囲まれた私は、ガラクタみたいだ。

この部屋いっぱいのガラクタ。視界がうるさい。


うるさいのはAIウサギ。

「今日はちゃんと食べた?」

「歌わないと声を忘れるよ。」

「チョコミントは毒!」


私が「サっちゃん」と名付けたら、ぷりぷりしだして。

「姫につけてもらった『ぴょん』って名前があるんだ!」

「サっちゃんの方が可愛いよ。」

反論したら、小首を傾げた。

「そもそも、なんでサっちゃんなんだ?」

だって、う「さ」ぎ、だから。

サっちゃんは呆れた顔してたけど、かまわずサっちゃんと呼ぶことにした。



今日もボイラは音楽を奏でる。

宇宙船は進んでいく。ガラクタの間を。


サっちゃんは、7つ前の惑星、赤髪の姫にもらったガラクタ。

ポニテで小柄な不思議な声の姫だった。

歌がうまかったそうだ。


私が歌うと不平を言う。

宇宙船の波形装置で私の声をチェックする。

「おおー!思ったより、一定だね!」

褒め言葉らしい。耳がぴくぴく、目がキラキラしてた。



今日もボイラは音楽を奏でる。

AIウサギのサっちゃんは、時々ギターを奏でる。

しんがーそんぐらいたー、と言うらしい。

おしゃべりするみたいに奏でながら歌ってた。



今日もボイラは音楽を奏でる。

宇宙船は進んでいく。止まったのは、AIウサギ。


「オレは気にせず、君は進め。」

それが最後の言葉。


宇宙船は構わず進む。

進んでいるから、いい。燃やさなくていい。

「サっちゃんを燃やすのは、最後の手段。」

応答なし。


もともと一人の宇宙旅行だった。

丸い窓から、黄色い星が見えた。

月まで、あと10分。行きたがったウサギはいない。


進路変更、今日は寝よう。

ボイラの蒸気が音楽を奏でた。

音は月に届いたかな。



どんなガラクタも覚えている歌がある。

燃えたガラクタの最愛の歌を奏でる仕様。

この宇宙船のいいところ。


ガラクタがいっぱいの部屋。

ここには、いっぱいの音楽がある。



星がまたたく窓に近づく。

「あれが水星、こっちが金星。」

一緒に覚えた声は聞こえない。

しわくちゃになった航路図を放り投げた。


ヘッドホンを付けてみる。

アーティストの歌声が聞こえてきた。

「サっちゃんの声がいい。」

ウサギの歌うこの歌が聴きたい。

「大差ないさバイサバーサ」

口ずさむ。

喉の奥が熱くなって。鼻がツンとした。

眠れる気配はまだない。


宝物だと言ってたギターだけ外して、宇宙船のボイラに放り込んだ。

ウサギのギターは私が教えた歌を奏でた。



いつか偶然に出逢うかもしれない。生き返らせる誰かに。

それまでは私が歌おう。歌わないウサギのそばで。

正確に歌えなくても、音程(ピッチ)なんて歌の最小単位。


「大差ないさバイサバーサ」

その先へ行こう。



今日もボイラは音楽を奏でる。

宇宙船は進んでいく。星の欠片、宇宙の音楽の間を。



はじめまして。小説家の音翠アイラです。

なんて自己紹介、嬉しくて照れますね。


私はVtuberです。活動3周年を記念して、更に進化したいと思い「小説家になろう」の投稿を始めることにしました。

音翠アイラを知っている人は、驚かれた方もいるかもしれません。

大成功です。3周年サプライズのひとつでしたから。


最初の投稿作品として選んだのは、シンガーソングライターsatoriさんの楽曲に寄せたこの物語です。私の最新作品であり、REALITYの縁で書き始めた物語は私「らしい」かもしれないなと思ったのです。書くことはとても楽しかったです。私は書くことが好きなんだなあと再認識したりしました。


元々、この物語は2021年夏にざっくりと書いていました。当時、クリエーターズ・マッチングプロジェクトというコンテストがあり、それ用に書きはじめたものでした。でも期間内に書ききれず、お蔵入りしていました。


2023年5月初め、つまり今月初め、漫画家ヒナユキウサ先生の個展に声優として出演できた機会があり、そのイベントでsatoriさんに初めてお会いできました。それでこの頓挫していた物語を思い出したのです。


この物語は楽曲「ガラクタ旅行」ノベライズ、音翠アイラverみたいな感じです。

楽曲「ガラクタ旅行」の詞はもちろん、satoriさんの作詞の裏話note記事の内容をベースにしています。そこに私らしいエッセンスを加え、遊び心を散りばめて作りました。satoriさんにはご笑納いただき、投稿もご報告しています。


最後に、Vtuberとして3年間応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。新しく小説家の顔が加わった音翠アイラを、これからもよろしくお願いいたします。そしてはじめましての皆さん、音翠アイラのことを小説きっかけに興味持っていただけたら幸いです。

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