不審者に話しかける異常者
『元気がないね』
不意に背中越しに声をかけてきた少女の声で、笑い声が止まる。
背中から心臓に刺す言葉。
元気がないね、だと? 当たり前だろ? 心を殺されたどころでは済まされない。人生もろとも壊された身にもなれよ?
振り返った雄平の怒りのまなざしを、彼女は微笑み一つ返して続きを話す。
『もう分っているはずなのに自分の気持ちを無視したような笑い声、聞こえているはずの心の声を無視しているあなたは、雄平くんだよね?』
誰だ、なんて彼女に言えば失礼に値する転校先の中学校の美女。
俺になんか用か? と言いたくもなるが、夜道をイカレ狂った笑い声で笑いながら歩く恥ずかしい現場を押さえられて、何を話せばいいか分らない。
『全力で無視すればいいか? どうする・・・・・・?』
『声に出ているよー』
彼女は頬を膨らませて怒っていると表現するが、
『現代でも昔でも無いと思うぞ? その怒っているアピール。ドラマの見過ぎか? ――』
『志美命』
『名前覚えてくれていたんだー。嬉しいな!』
さっきまで夜道でイカレ狂ったように笑っていた男に、笑顔で答える異常者。
『と言うか聞こえていたよ? 有紀の家の前でイカレ狂った笑い声で笑うとかなんか不審者に恨まれているのかなって想ったよ?』
不審者に話しかける異常者に言われたくないが、恥ずかしくて頬を赤らめる。
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