思い出のない俺は
「なんで有紀に拘るんだ?」
「初めて俺に優しさをくれたのが有紀さんだったからさ」
ナイフを胸に向けたまま話す彼は、オレの震えている手を見て、
「思い出のない恐怖って知っている?」
「は・・・・・・?」
突然彼は鋭い目つきに変わり手が震えだした。
「思い出がない?」
「お前確か、中二の頃に転校してきたよな?」
「覚えているとはね? お前みたいな奴に覚えてもらうのは腹が立つが」
「腹が立ったって、覚えているから仕方ないぜ」
「腹が立つね? 態度には気をつけなよ?」
ナイフをオレの首元に、向ける彼は怒りのあまり震えている。
「人ってね? 思い出がない人間とそうでない人間に分けるとね、面白いことになるんだ」
彼の目を見て、怯えていないと虚勢を張るも、手の震えは収まらない。
彼は声を震わせながら話を続ける。
「俺の人生は、愛のない家庭に生まれたときから、人生は終わっていると、いつも、そう思っていた」
「それが有紀と、どう関係しているんだ?」
「言ってくれたんだよ? 有紀さんがな?」
「何を・・・・・・?」
「『思い出がないならこれから作ればいいだけの話でしょう? 有紀とみんなで』ってな」
「俺の人生は愛のない家庭で育ち、学校でも居場所がなくて人生のどこにも救いがなかった」
「一人生きるのがどれだけ中身のない人生だったか分るか?」
「空っぽで、味一つ無い人生で、思い出に逃げることも出来ないし、苦しみばかりを背負って、たった一人で生きてきた、人のぬくもりを求める俺の事を理解しなくてもいいけど、お前がもし、同じ運命ならお前も求めたくなるさ? 愛のある思い出が欲しいと」
「ふんっ。思い出が欲しいと思うと、お前みたいになるんだな?」
「黙れっ!?」
「悪かったって。そう怒るなよ?」
「んで? 有紀と何があったってんだ? お前の昔話を聞いてやるよ? さぞ、涙が出るんだろ?」
「調子こきやがって!?」
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