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後ろの人は大丈夫です!  作者: 白桜有歩
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怖くたって外に出てみよう

 傷つくのを恐れてはいけない、憎しみも怒りも恨みも恐怖も嫉妬も人間の心にドロドロと詰まっていて、そんな感情があるからこそ人間らしいのだ。


 甘い蜜ばかりを吸って蝶は空を飛べないように、人間も幸せばかりを享受する生き方はない。


 蝶は蜜を吸っているときにも敵はいる。羽を休めても、綺麗な羽を羽ばたかせているときも敵が飛びかかる。上手く敵から逃げて、蜜を吸い生きていくしかない。人間は蝶と同じなのだ。


 生きていくのは怖いかもしれないが、理想である平和な世界などない。


 理想である平和など誰もが描いて、誰もが叶えられないのだ。


 人間は全員それを知っている。


 この世界の人間すべてが人に、敵意を向けない、恐怖を感じない世の中ではない。


 人間が怖くても、人間に怯えても、立ち上がり歩くしかないのだ――人生を。


 人生は半分以上が坂で、ほんの少しだけが心を癒やす、憩いの場があるだけ。


 でも、自分は腕を振り上げて、来るな、と怯えて、いもしない敵から逃げようと必死になってボロボロになっていたのだ。


 怯えた動物みたいに隅に逃げ込んで威嚇していた。


 身を震わせながら牙を剥いて唸り声を出して、目の前に手を差し出している有紀ちゃんたちに気付かなかった。


 沼に溺れて手を天に伸ばして息苦しく感じた世界じゃなく、自身で首を絞めて藻掻いていた。


 沼に沈めていたのだ、自身で。


 ぼくの手を掴む有紀ちゃんたちを見て、ズシリと心に詰まったドロドロの気持ちは流れていった。


 後はこの世界と闘うだけだ。


 有紀ちゃんたちは、ぼくが諦めないようにサポートしてくれるだけでいい。


 歩くのはぼくの足でだ。


 蹲り立ち上がらない生き方は、人間じゃない。


 人間の形をした死骸だ。


 立ち上がらずに蹲ったままだと人は通り過ぎていく。


 立ち上がり歩くか、蹲り諦め続けていくか。


 選択肢は、いつも二つ。


 困難に立ち向かい幸せを得るか、諦めて人間としての生き方を否定するか。


 世界を地獄みたいなモノだと思い込みすぎた自分は、困難を乗り越える勇気を持っていなかった。


 暗い世界だと思い込むのは、良くないと考えないと。


 世界全員に受け入れてくれる人間はいない。


 人は誰だって敵味方存在して、多くの苦い苦しみとほんの少しの甘い幸せがあって人生。


 闇の中を歩き続けて、遠くにある照らす光に手を伸ばし、光の下で幸せを手に入れればいいだけの話。


 苦しい人生を生き抜いて、ほんの少しの休息を得るために人は生まれてきたのだ。


 瞳に映る人間全員が笑顔で握手を求める怖い世界よりも、人間らしさもある世界で生きていく方がいいのだ。


 この世界と上手く付き合えばいい。


 人は、人らしさがあってもいい生き物なのだ。

朝に『後ろの人は大丈夫です!』を読んでくれてありがとうございます! そして、おはようございます!


昼に『後ろの人は大丈夫です!』を読んでくれてありがとうございます! そして、こんにちわ!


夜に『後ろの人は大丈夫です!』を読んでくれてありがとうございます! そして、こんばんわ!


寝る前に『後ろの人は大丈夫です!』を読んでくれてありがとうございます! そして、お休みなさい!


 人生は苦難の連続で苦しみばかりが目立ち、嫌気がさしてこんな世界なんかと諦めてしまう人もいます。


 当たり前ですよね? 苦しいのは誰だって嫌です。


 でもね? 苦しみも人生には必要なことで、悩んで、悩んで、悩んで、苦しみながらも一歩いっぽ歩くんです。


 たった一つの癒やしに辿り着くのは難しいことです。


 ですが、苦しむ日々も悩める日々も生きているからこそなんです。


 人生は甘い蜜ばかりを吸える生き方は出来ない。


 甘い蜜ばかりを吸い続けると蝶は生きていけません。


 遠い花畑に飛んでいこうとしないんです。


 遠くにある花畑に行かずにいまの環境で過ごす。


 甘い環境で蜜を吸い続けて太り飛べる羽も重くて飛べない蝶となる。


 次第に嫌になります。タダでとれる蜜ばかりを吸うなんて退屈ですよ。そんなの。


 苦難があっても遠いどこかに甘い蜜があると飛ぶ蝶が、どれだけ逞しくて美しく見えますか?


 太って飛べない蝶と比べて分るでしょう?


 逞しくて美しく生きています。


身体が弱り飛べない蝶になるまで遠くの蜜を求める蝶でありたいですね。


タダでとれる蜜に癒やしはない。タダで蜜が吸える環境の蝶は退屈な生き方で過ごして命も生き方も終わる。命が尽きるまで遠くにある蜜を求めて飛ぶ蝶こそ逞しく美しい生き方が出来る。人間も自然界の蝶と同じ環境で生きるからこそ逞しくて美しい。

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