きみが照らした光で蓋をする15
『いままで苦しんできた者に酷い言葉なんて考えないよ? もし、オレが苦しんでいたらお前に助けては言うかもしれないが、昌一様は嘘を吐かない』
『一番苦しいのはお前が苦しんでいるのに昌一様から逃げようとしていることだ』
『一人で苦しんでいる者だけ昌一様は取っ捕まえる。手から離れた者を追いかけても昌一様は捕まえない。なぜだが、分るか?』
『分らない・・・・・・』
『人間、手の届く範囲で人を守るからだ。目の前に苦しんでいる人がいるなら手を差し伸べる。手を貸すのを拒む人を追いかけても手から離れてしまう』
『どうして、そんなことを言うの?』
『お前がまた逃げそうだからだ』
『・・・・・・』
『逃げないようにいま言わないとお前は逃げた後遠くに行く』
『いま言えば、遠くに行かずに引き返す』
『オレの手には薬箱、お前の手には杖』
昌一は、指をさしてぼくの目を見詰める。
『お前が歩けないぐらい疲れたならオレが肩を貸すが、それだけじゃ不安だろ?』
『何を・・・・・・』
あとずさる、ぼくに、追いかけて彼は、
『オレの分は少し残すが、薬をお前にほとんどやる!』
『言っている意味分ってんの?』
『お前、一人でなんでも抱えてオレの前から消えそうだからだよ』
『それしたら苦しむのは昌一じゃないかっ!?』
『じゃあそうだな――』
『お前の笑顔をたまにでいい。オレがボケたりツッコミを入れて面白かったら笑顔をオレに見せてくれないか?』
『そんなの全然なんの役にも立たないよっ!?』
『いや、それがあるんだなー』
胸を張って彼は、
『人の笑顔は誰もが心を癒やす薬になるんだよ?』
『――っ!?』
『そんなのタダ同然じゃないかっ!?』
『お前の笑顔を舐めてはいけないな~』
『オレはお前の笑顔は特別な笑顔だと思っているんだ?』
『まあ、もちろん、彼女の笑顔も最高だがな~?』
彼は近くの椅子に足を乗せて振り向く。
彼は、指を四角にしてぼくを覗き込み、
『お前みたいな根暗を笑顔にするとオレは嬉しいんだよ? ――』
『やっと、笑顔見せてくれたな、ってな?』
ボロボロと大粒の涙を流したぼくは、彼の目を見た。
『・・・・・・嘘を吐いてない目だっ!?』
『ぼくのために、助けてくれるの!?』
『この手を掴めばな? 掴むのはー、逃がさないためでもあるがな?』
『うん・・・・・・っ!?』
彼とぼくは握手して微笑んだ。
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