愛の前で嘘を吐いた男の独り言
自転車を立ちこぎで疾走して女子たちをまいた慎太は、自転車を乗り捨てて木の陰に隠れる。
気づかれないように荒くなった息を殺して、流れる雲に目を細め、ため息を吐いた。
「人の心を読むこの力、彼女たちには理解されないか・・・・・・」
「流れる雲は嘘を吐かない。止まることなく風に身を任せてこの大空を自由に流れる――」
雲はいいなぁ。自由に生きることが出来て。
有紀ちゃんが、このぼくにくれた優しさは、時間が流れるごとに窮屈にこの胸を締め付けていたことがあった。
正しい判断だった。
あの事件でぼくが下した判断は。
だが、彼女は、あの事件でぼくを下げずんだ目で見るようになり拒絶していた時期があった。
『ぼくにはあの方法しかなく、彼女を傷つけないようにするのがベストだった』
『ベストな選択肢とは言えませんが、これ以上はありませんですよ――』
『嫌われるのを知っていて、それでも愛する者を守るためにしたご決断! 見事でした――』
『叶わぬ恋ではありませんっ!? レッド隊長! 負けないでくださいよっ!? いつもの笑顔を見せてくださいよっ!?』
『お前は、いつも、陰で見守るようなキザなことをするから、嫌いだっ!?』
女体ソムリエ隊のメンバーはそれぞれ意見が分かれて、この事件をきっかけに絆にひびが入った。
有紀ちゃんの知らない事件の裏側を、隠し通そうと慎太は、隠蔽工作をするために女体ソムリエ隊のレッドになった。
あの春から変わらない空を見詰めて、
「雲はいいよな、自由に生きて、好きな場所へ行けるんだから」
「この空に自由はあっても、ぼくにはない」
「女体ソムリエ隊のレッドを演じるまでだ――」
「『守りたい。でも』その続きをぼくは聞きたくなかった」
「だが、それでいいさ。仕方のないことだ。お前だってこの判断を、『お前がそうしたいなら、そうしろ』って言うもんな」
「そうだろ? 親友――」
「ぼく、間違えていなかったよな?」
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