エミのスタートライン14
「ぐすっ!? ひっく!?」
エミは床に座り泣きだした。
「優志は、胸で人を選ぶのっ!? 女性の価値を胸だけで決めつけるのっ!?」
「ちょっ!? エミ泣かなくてもいいじゃないか・・・・・・」
「泣くに決まっているじゃないっ!? 優志は言ったよね? 『女子の魅力は胸じゃない胸の奥だ』って!?」
ため息を吐いた優志は、エミと同じ目線に合わせてしゃがみ、
「確かに言ったな」
「あれは、嘘なのっ!?」
「嘘じゃない。真実だ」
「じゃあ、なんでいままでエミの目の前で散々、巨乳だとか爆乳だとか言ったのっ!?」
「過去に何か遭ったのか・・・・・・?」
「言いたくないっ!?」
「だったらそれは言わなくてもいい」
優志は、エミの涙を指で拭って、
「人の価値は当然胸の奥だ」
ため息を零した優志は、自身の胸に人差し指でノックして、
「世間の目に、俺の言葉に惑わされないで欲しい。見た目とかで人の価値が決まらない」
「自身の過去に馬鹿にされた事が遭っても、それがエミの価値を決める訳ではない」
「エミは読書が好きか? それとお笑いも好きそうだな? 辛辣なツッコミとかもしていたし」
泣き続けるエミは頷いて返事をする。
「そうか、やっぱりか。高校生にしてはセンスのある考えとか辛辣なツッコミをしていたし、何かあると思っていたけど、相当頑張ったんだな?」
「だったらもう一つ質問だ。頷くだけでいい返事をしてくれ」
エミは頷いて、優志の質問を待つ。
「入学当初一匹狼なところあったけど、最初俺が昼食誘ったとき断らなかったのは寂しかったからか?」
逡巡したが頷いたエミに、優志は、
「そうか、何が遭って一人で生きようとしたのかは聞かないでおこう」
「それともいつか、聞いて欲しいか?」
首を横に激しく振ったエミに、彼は、
「分かった。じゃあ、全部一通りエミの個性を知ったうえでだ!」
「ああ。それと個性については後で説明するな」
「エミ、寂しいなら苦しんでいるなら自分から助けてといわなきゃいけないぞ?」
「助けての声が聞こえないのはー、悲しいというより苦しくなるんだ、俺はな?」
「苦しんでいる子が隣に居る場合特にな」
エミに、小指を差し出した優志が、
「一度だけだ。チャンスをくれてやる。人生でこの約束はこれでエミ、お前で二人目だがな?」
優志は小指を差し出したまま微笑み、
「助けてといえる練習をしよう」
「俺の事を信じられるならこの小指に指を絡ませろ? 言っとくが、約束したら死んだ後も守らせてもらうぞ?」
「もう、俺は同じ過ちは重ねたくないからな」
悲しそうな目で呟いた優志は、エミの背中を優しく叩き、
「俺との約束を絶対に守れるか?」
「一生だけじゃなく骨になってもだけどな?」
歯を見せて笑う彼は、私の目を見詰めて真剣な目つきになり、
「この指切りはエミが悩みを言わなければしつこいぐらいに俺は心配しまくる呪いのような約束だ。だが、この約束をしたときからエミは世界の後ろ向きに闘える勇気を持つようになる。俺がする言動はすべてエミのお守りだと思え?」
「エミが大切だし、ほっといたら壊れそうだからするんだからな?」
「一度約束したらもう、逃げるなよ? ——俺の目は誤魔化せないからな?」
再び、エミの目を、真剣な目で見て優志は微笑む。
「かくれんぼが苦手なエミ!」
「鬼さんは見ているぞ?」
「生涯が終えても、骨になっても、悩みを隠さずに俺にスッキリするまで吐いてくれないか? 一つ残さずだ! いいな? 必ず、俺が、この世界の後ろ向きに闘える勇気をエミにあげるからさ?」
エミは、視界が涙で見えなくなるぐらい大粒の涙を零して、
「ホントに、ホントに? 世界が相手でも闘える勇気をくれるの?」
「ああ。くれてやるっ! なんなら、来世だってな?」
「どうすんだ? 一回限りのチャンスだぞ? ほれほれ!」
「うんっ! 約束してね? 世界が相手でも闘える勇気頂戴ね? 絶対だよ!? 絶対だよ!?」
「任せろっ!」
二人笑顔で小指を絡ませる。
「絶対にだっ! いいな? 鬼さんから逃げようとするな? 嘘をついてまで一人で悩むな?」
「しつこい!」
「しつけーんだよ? 俺はな?」
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