逃げ場が無い
『入るね?』
『ちょっと待てよっ!?』
雄平を、押しのけて家に上がった慎太が俺の部屋に入った。
この野郎っ!? 何するつもりだっ!?
『やっぱり犯人は雄平くんだったんだね?』
パソコンの画面を指さして彼は、怒気を含めた声で俺に詰め寄る。
『それがどうしたんだよ?』
強気で出るには分が悪すぎる。
だが、家に入ったのが悪かったな?
ポケットに忍ばせたナイフを取出したら、
『警察がいい? それとも有紀ちゃん?』
『な・・・・・・っ!?』
不意にシャッター音が鳴りフラッシュで目を閉じると、彼の手にはスマホが握りしめられていた。
『少しでも近づくと、有紀ちゃんかな? 警察かな?』
彼の目は本気だった。それでも彼は選択肢を提示する。
『みんなに昌一くんは犯人じゃ無いと言えば許す。嘘でいい。有紀ちゃんの鞄に知らないクラスの子が脅迫文を入れていたと言えばいいだけ』
『言わなければ、どうなるか分るよね? きみでも、分るはずだ。きみと同じような事を、させてもらうよ? ただし、有紀ちゃんが傷つかない方法で』
『その方法は教えないけど、ぼくたちが幸せになる方法を取らせてもらう。きみが大嫌いな、ぼくたちが孤独にならないで、幸せになって雄平くんが孤独になる方法をね? どうする?』
ハッタリだ。そんな方法は無い。有紀さんが傷つかないで、俺が孤独になってしまう方法はいくら探しても無い。
『嘘じゃ無いよ? じゃあ、そうしたいんだね? 一生孤独でいなよ?』
『――っ!? なんだよ? ハッタリだろ!? そんな方法があるわけ無いだろ!?』
『無いなんて、誰が決めたのかな? きみか? それとも、唯一方法を知っている、ぼくかな?』
『なっ、なんだよっ!? 俺の邪魔をするのかっ!?』
『ああ。邪魔するよ? 地獄まで、追いかけてやるね? きみが、苦しむならね?』
『お前っ!?』
『やめといた方がいいよ? ほらっ、聞こえてくるだろう? サイレンが』
近くにパトカーのサイレンが鳴り響く。
『お前・・・・・・っ!? 通報したのか!?』
『質問しているんだよ? 早く、答えないか』
『出来るわけ無いじゃ無いかっ!? 一番に怪しまれるんだぞ俺が!?』
『そうだね? でも、きみが昌一を嵌めなかったら、こうはならなかったよね?』
『ぐ・・・・・・っ!?』
『出来ないで、いいのかな? きみの、答えは?』
『出来ない・・・・・・っ!?』
『でも、証拠としてこの印刷した手紙はもらうね? あと、これも写真を撮るね?』
スマホのシャッター音が鳴ってフラッシュに目を細める。
ナイフを持っている俺の写真とパソコンの画面の脅迫文、部屋の写真を撮って彼は振り返り、
『期限は明日まで。いい、夜を』
部屋を出て行った彼を、見送るしか無かった俺は膝を突いて呆然とした。
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