『超魔法少女☆なろうリーナ』
「ついに来たわね…。」
これから臨む戦いを前に…私は呟いた…。
「ああ…ついに来ちまったな…この日が…。」
私の隣でたたずみながら『ブラック』も、そう呟くように言葉を紡ぐ…。
その私たちの目の前に、今、現れたんだ！ アイツがッ‼
「我は…『ネット小説大賞』…。我を超えようという者たちは…貴様らか…？」
そう、コイツが厳かな佇まいで、私たちに呟く…。
その圧力は、圧倒的過ぎる威圧感で、今まで戦って来た相手達とは、その存在力、その越えねばならぬ壁の大きさがまるで違う事を！
その畏怖を、私たちの精神に、これでもかと感じさせたッ！
「くぅ…ッ‼ 何て威圧感なんだ…⁉」
余りにも眩いモノを見てしまった時の様に『ブラック』が、思わず目を伏せる…。
「我を超えようという者が…この程度で怯むとはな…。まあ良い…一応、その『PV』を見てやるか…。」
そう言って…コイツ…。『ネット小説大賞』……。『日本最大級の小説賞』である……『第9回 ネット小説大賞』が……。『読者』が『作品』を読んだ『数』を表す『数値』……。私たちの『PV』を…その目に付けたスカウターで計り始める…ッ‼
「ふん……『PV』たった『20』と『31』か……。クズだな……。だが…たかだか『50PV』にも達せられん様な…『クズ作者』であろうと…我は手加減せん…ッ‼」
その、どうしても越えねばならぬ強固な壁の圧力を…更に強める…‼
「分かっていた…！ 臨む前から…分かっていたけど…！」
腹の底からの『言葉』を絞り出して、何とか対峙しようとする、私……『ホワイト』……。
『超魔法少女☆なろうリーナ♡ホワイト』である、私は…。
更に…この相手に…怯えすくまされる…！
「ああ…本当に対峙して初めて分かる…ッ‼ コイツは…真の強敵だ…ッ‼」
そう…『ブラック』……。
この『男の子言葉』の女の子……私の投稿仲間である……『超魔法少女☆なろうリーナ♡ブラック』が叫んだ…ッ‼
「フッ……うぬらでは…決して超えれぬ相手と知りながらも挑むか…では…まずは小手調べだ…！」
そう言って、『ネット小説大賞』が…‼
「『瓦』で『140文字以内』…。さぁ、お前たちの『文章力』を見せてみろ…‼」
『お題』を出す…ッ‼
「『ブラック』ッ！ まずは私が行くわッ‼」
そう叫び、私は、『キー』を叩き出すッ‼
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お題：『瓦』
最近、久しぶりに新作を書いてみた。
短編というのも、おこがましい、140字以内の作品。
でも…。
『1日のアクセス数…『１』…⁉』
昔のは、まだ2桁は行けたのに…。
武術は鍛錬を怠ると瓦解するって言うけど…。
書き物も…ちょっと酷いな…。
それでオレの腹は決まった…。
『うん！ 諦めよう！』
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「どう…ッ⁉ 私の…『衝撃のファーストなブリット』は…ッ‼」
私の、めいいっぱいの『文章力』で、打ち込んだ『作品』…ッ‼
まずはインパクトを出す為に、あえて変化球で、脱力系にしたッ‼
この『作品』ならッ！ 『PV』だって…行けるはず…ッ‼
「フン…。いきなり脱力系で攻めるのは買うが…！」
そう言って、『ネット小説大賞』がスカウターを発動させ、わざわざ私たちの『画面』に、それを表示させる…！
「『1PV』……ッ⁉ ほ…本当に…『作品』の『ネタ』として仕込んだ数字と同じで…たった『1PV』だけ…ッ⁉」
ガクリと『画面』の前に、うなだれる私……。
だけど……ッ！
「諦めんな！ 『ホワイト』ッ‼ 『諦めたらそこで…試合終了』なんだ…ッ‼」
そう…『ブラック』が、私を、奮い立たせる！
「では、次々と行くぞ？ 『ドミノ倒し』で…『140文字以内』…！」
新たな『お題』を出し、『ネット小説大賞』が、更に立ちはだかる‼
「次は、オレが【ヤ】ってやる‼ そこで見ていてくれ『ホワイト』‼」
目に力を込めて、『ブラック』が、『キー入力』を始める‼
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お題：『ドミノ倒し』
「今日で卒業だね。あ～あ…長かった…。」
そう言いながら、コイツは飛び切りの笑顔で微笑む。
『ああ……遂に…【や】っちまったな…。』
その後は、ドミノ倒しだった…。
オレたちの結晶は宿り…そのままドンドンと育まれて行った…。
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「フン……今度は『下ネタ』か……だが…ッ‼」
そう言って、『ネット小説大賞』がスカウターを起動させ、また、私たちの『画面』に数値を通達する…ッ‼
「『9PV』…⁉ 渾身の…【ネタ・オブ・アンダー】だったのに…二桁も行かないなんて…ッ‼」
『ブラック』の『伝家の宝刀』である【ネタ・オブ・アンダー】を駆使しても、『PV』が二桁に突入しないッ‼
「だけど…。だけど！ だけど…‼ だけど…ッ‼」
私は、次の『お題』に備える…！
『ブラック』が超えられなかった二桁の壁を超える為に…ッ‼
そこで‼
「『ホワイト』……。次もオレに【イ】かせてくれ‼ 次こそは…【ヤ】ってやる…！ 【ヤ】ってやるんだ…ッ‼」
「『ブラック』……。」
その『ブラック』の真摯な決意にッ‼
「分かったわ…！ 【引く】くらい…ッ！ 【ヤ】り【抜いて】…ッ‼」
次の『お題』を……また『ブラック』に託すッ‼
「フン…。うぬら如きでは…どちらが挑もうと同じ事…‼」
そう…威圧を強め…！
「次の『お題』は『探索』で『140文字以内』だ…ッ！」
『ネット小説大賞』が、次の『お題』を出して来るッ‼
「来る…ッ‼ だけど…オレが……ッ‼ オレが…【ヤ】り【抜いて】【ヤ】る…ッッ‼」
強烈な覚悟を持って『ブラック』が『キー入力』を始める…ッ‼
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お題：『探索』
「以上の事から、我々は『探索』に入る！」
そう『超アニィ先輩』が『オレ』に断言し、
その『探索グッズ』は『オレ』の『古墳』を、
くまなく『探索』し始めた…。
「『先輩』！ た…『探索』……凄いですッ！ 『オレ』、分かりましたッ！」
それから、『オレ』も、『探索』の虜になって行った…。
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「な…【ナニ】ィィィィ…ッ?!」
ここに来て、初めて、『ブラック』の『作品』に……『読者』が『作品』を『評価』した『証』……『☆』が入り出すッ‼
流石だ！ 『ブラック』…ッ‼
これは余りにも【引く】くらいの【ヤバ】い『ネタ』だ…ッッ‼
私たちの『作品』は、『☆』が入れば入るほど、『作品』が【錯覚】で『良い作品』の様に、『面白い作品』を探して『検索』してる『読者』たちに映るッ‼
だから、『PV』は、『読者』たちの【勘違い】で、『☆』に呼応する様に増えて行くんだ…ッッ‼
「い……【イタ】かった…ッ！ 今のは……【イタ】かったぞぉぉーーーッ?!」
そう、『ネット小説大賞』が『反応』するッ‼
「みんな……お願い……ッ！ もっと『☆』を入れて…ッッ‼ もっと『PV』を頂戴…ッ‼ もっとよッ……もっとッッ……もっとッッッ……『ブラック』の【アレ】な…この『ネタ』にッッ……もっと『☆』と『PV』を頂戴ィィィィ……ッッッ‼」
私は必死に祈る…ッ‼
『私と読者と仲間たち』の力を信じて……ッ‼
って、『たち』って言って、こんな【アレ】な『作者』は、私と『ブラック』だけなんだけど…ッッッ‼
「バカな……ッ‼ この『ネット小説大賞』が…ッ⁉ この『第9回 ネット小説大賞』が…ッッ?!」
眩い光が射して来る様に…凄まじい『☆』と『PV』が入り…ッ‼
私たちは……ついに壁を越えた…ッッッ‼
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「…っていう夢を見たんだよね。」
そう呟く私に、
「まあ、『夢オチ』だよな。オレたちに、『ネット小説大賞』が超えられるワケないもんな。」
そう、呟き返す友人の『リアル』な言葉に、私はウンザリする。
ああ……『リアル』って厳しい…ッ‼
