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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
南部連合王国編

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【83】クロ殿下と東北砦


――――突然の東北砦からの報せにスバルが急いで装備を調える。


「急いで向かわないと。クロ、すまない。俺は転移魔法で一旦東北砦にむかうよ」


「転移?スバルも精霊の加護を得ているのか?」

「いや……俺のは固有スキルだよ」

固有スキルでも転移が使えるのか。


「じゃぁ、俺らも行きましょうか。クロ殿下」

「……キラさん、使えるの?」


「えぇ、俺のスキルはコピーなので。コピーしますね」


カッ


「俺のコピースキルは転移記憶もコピーしますので。さ、行きましょうか。」


ちょちょちょちょちょーっ!!?きゅ……急すぎない!?


「ご、ごめんね。スバル……っ」

「あ……。いや、その……」

「あの男……只者ではない」

クララさんが睨んでる。


「敵じゃなくって良かったっすね」

ほ……ほんとだよ、リョクタ。


――――南部連合王国東北部東北砦


「おぉ!スバル殿下だ!」

「スバル殿下!」

早速、砦の騎士と思われる男女が近寄ってくる。あれ?何かこの人たち違和感がある。


「兄上のことを聞いた。状況は?」

「はい、負傷者はかなりの数に及び、ムヅラ殿下も一般民を庇って深手を負いました」

殿下と言っているし、ムヅラさんというのは第2王子の名前らしい。


「一般民衆にまで!?魔族が街にも侵入したのか!?」

「あ、いえ魔族は来てません」

「は……?ではどうして負傷を?」

「勇者ご一行です」

ゆ……勇者ああぁぁぁぁぁっっ!?


「勇者ご一行がムヅラ殿下を押しのけ、砦を越え北部魔王領に向かったようです」

ま……まさかの内側からの破壊!?内側から砦破壊したの!?


「……何か、もう意味が解らない」

「けどスバル。北部魔王国に侵攻されたら、北部魔族を刺激してしまうぞ……っ」

「そうだな……クララ。止めないとっ」

「しかしそんなことをすればスバルが魔族の味方をしたと捕らえられかねない」

確かにカロクさんの言う通りだ。


「では俺たちが様子を見てきます。エーベル、行くぞ」

「あぁ……おう。んじゃ……行ってくる」

手を振って急ぎ砦を越えていくキラさんとエーベルハルトさん。


「あの……殿下、あの2名……魔族ですよね?」

砦の女性騎士が呟く。そうだった――――!!!普通に考えればあの2人は敵に捕らえかねない……!?


「あのー、彼は生粋のエストレラ国民で戸籍登録上は魔人族です。一緒にいた大きい方は彼のお兄さんの部下の人です」

うん、嘘は言ってない。大丈夫。


「失礼ですが、貴方は?」

「紹介が遅れた。こちらはエストレラ王国第4王子クロムウェル殿下だ」


「エストレラの……しかしエストレラの魔人族の特徴とは少し違うような……」


「そういう魔人族もたまにいます」

うん。キラさんしか知らないけど、エストレラ憲章上認められているのだからきっと問題はないはず。


「……まぁ、エストレラの王子殿下がおっしゃるのなら」

どうやら納得してくれたようだ。


「驚かせてすまない」

スバルもエーベルハルトさんが東方魔王国四天王ってことは知っているけれど話を合わせてくれるようだ。うん。スバル……いい奴だ。


「兄上には会えるか?」

「はい、今ご案内を……」

男性騎士が案内しようとするとこちらに馬に乗って誰かが駆けて来るのがわかる。


「来たのか……スバル」

「お元気そうで安心しました。兄上」

だ……第2王子!噂の第2王子!一言で言えば絶対理系特に数学が得意な寡黙なイケメン優等生タイプ(ただしメガネは無し)。スバルとおそろいの黒髪に瞳は切れ長で深紅。血色の無い白い肌でか細そうに見えるが、すらりとした身体つきなのに肩や腰、脚に重たそうな鎧をつけている。何より特徴的なのは頭に伸びた白い短めな2本の角……え……角……?そういえば出迎えてくれた男女の騎士の頭にも白い短い2本角がある……!?


「……3本じゃない」

「殿下、3本角なのはタイタン領です」

たんたん!?確かに3本角なら西部魔族の先祖返りのいつきとたつき、タイタン領の先祖返りの人に現れるらしいけど。


「……3本角って何?」

「いやいやスバル、こちらこそ2本角って何って感じなんだけど」

「え、でも殿下、魔人族も魔族も竜人族も2本角っすよ。3本角の方が驚きっす」

と、リョクタ。


「あの、リョクタくん。念のため聞いておきますがあの2本角は南部連合王国では普通なのでしょうか」

うん、紅消。俺もそれ聞きたかった!


「2本角は……普通にいるっすよ?」

「いや、魔人族でも魔族でも竜人族でもないあの角!」


「へ?ここらじゃぁ……普通じゃないっすか?」

普通!?普通なのぉっ!?カルチャーショック!


「クロ。南部連合王国は元々は小さな国々に分かれていたものが大きな一つの国にまとまった王国なんだ。王族は存在するけれど、それぞれの小国にも元々の王族がいてその王族が代々王妃を出しているんだ」

とスバル。


「そしてそのうちの元小国の1つ……俺の領地のある東部、兄上の治める東北部一帯には兄上のような角を持つ人族が多いんだ」

つまりスバルとムヅラさんは連合王国全体だけではなくその小国の王族でもあるわけか。ん……?同じ小国ってことは……。


「ムヅラさんとは実の兄弟ってこと?」

「そうだよ。同じ第3妃の王子だよ」

へぇ……そういえばスバルには角がないけれど2人ってなんとなく似てるかも。


「クロったらまたエリック様に補修科目増やされるねぇ……」

そ、その声は……っ!

「ヴェイセル!戻った……」

東から覗き始める朝日に照らされて、そこにはヴェイセルとにゃにゃにゃんと猫耳族タシさんがいた!そしてもう一人……俺と同い年くらいのダークグレーの髪にグレーの瞳の少年がいる。


ん……?少年?それほど童顔ってわけではないんだが。


「ヴェイセル……お前、またか」

「ヴェイセル……お前外国にきてまで……」


「ちょ……っ!クロも紅消さんも違うから!この子はウチの弟のニマです!」

へ……弟?


「クォーツ公爵ファミリー?」

「そうそう。父さんに頼まれて、迎えに行ってたんだよ」


「ぼくも一緒にね」

た……タシさん!猫耳スマイル最高です。

「だからヴェイセルのショタコンは暴走していないよ?」

そ、そうですか!タシさんがそういうのなら安心だ!


「それで兄上。ケガはもう良いのですか?」

「……あぁ。奇襲を受けたがエリクサーポーションがあったからな」


「エリクサーポーション……?そんなレアなものが……?」

「先日、とある旅の夫婦にもらった」


「旅の夫婦……?その、エリクサーポーションをくれるとか何者ですか?」

エリクサーポーション作れる子なら一人知ってるけど……夫婦?


「赤髪の羽耳族の女性とプラチナブロンドの男だ」

赤髪の羽耳族ってまるでアリスだけど、プラチナブロンドって……?ヒュイさんを思い出すけど夫婦ではないし、アリスは俺と同い年だ。ということはまさかクォーツ公爵……?


「なぁ、ヴェイセル……?」

「うん……何となく、ウチの父さんな気がするけど。それに赤髪の羽耳族の女性ねぇ。多分それは……」


「多分、アリスのお母さんでは?」

「アリス……そういえば前にも聞いたような……新しい妹?」


「うん。ヴェイセル兄さん、会ったことなかったっけ?」

とタシさん。


「……新しい妹とか、弟とか……増えるの?」

ニマがヴェイセルの顔を下から覗き込んでいる。


「うん、たまに」

「ニマも、新しく増えた弟ですものね」

「一度、何人兄弟なのかはっきりさせた方がよくない?」


「……そういえばそうかも。家族構成聞かれたら……困るし?」

おい、ヴェイセル。その家族構成を聞かされても困るんだけど。でも今度是非確かめてくれ。俺も超気になる。


砦の一郭の部屋に案内され、俺たちはムヅラさんに詳細を聞くことができた。


「どうも秘密裏に勇者召喚が行われていたらしい。首謀者は第1王女と第3王子だ」

勇者召喚のことまでは俺たちもつかんでいたけれどもう首謀者まで突き止めていたのか。


「さすがです、兄上。確かにあの2人ならやりかねない。でもどうして分かったのですか?」


「第1王女が勇者一行を引き連れて聖女を名乗っていたからな」

せ……聖女!?


「東北砦を抜ける策として奇襲をかけ、私が子どもを庇ったところに勇者が攻撃を仕掛けてきた」

子どもを巻き込むなんて……なんつ―悪逆非道。こりゃよくあるダメ王子王女の展開だ。


「……しかも私のことや住民をこの地を不当に支配する魔族の手先・鬼と教えていたようでな。私を鬼の大将などと呼んできた」

「……いえ、兄上は正当な領主で代々この地を治め、北部魔族から国境を守ってきた王の一族です……!それをっ!」

「……いい。どうせあのアホどもにはわからん」

い……言い切った!仮にも自分の身内入ってるのに!


「……とにかく、私が出る。これから奴らを追って北部魔王国国境へ向かう。お前はもしもの時のためにここへ残れ」

「で、でもそんなことをすれば北部魔族を刺激するんじゃ……」

「心配ない。俺は砦破りという罪を犯し逃亡したバカな罪人どもを捕らえに行くだけだ」

む……ムヅラさんの顔……恐っぇええええぇぇぇぇぇっっ!!!


「あ、ねぇ、第2王子」

ヴェイセル!ヴェイセル空気読んで!

「ウチのキラくんたちが来たんだけど」

あ!本当だ!キラさんにエーベルハルトさんが帰って……。


「魔族……?」

ムヅラさんの顔が恐い……っ!ダメ!事前説明まだだったぁ――――!!


「俺は魔人族ですが」

「あ、えーと、俺は……」


「それで、北部魔王領の偵察に行っていたのだろう。話せ」

ちょ……ムヅラさん!?何で分かったの!?この人まさか……クォーツ公爵級!?因みに俺的なランキングだとSS級の上がクォーツ公爵級(正式なギルド認定ランクには存在しない)。


「あぁ、今は北部魔王国国境で四天王とやり合ってるな」

まさか元魔の森・現聖なる森で出会った四天とか?


「戦況は?」

「四天王が優勢だな。でも、勇者も補正ステータスがあるから」


「……まぁもうしばらくはもつか。行ってくる」

「あ、兄上!待ってください!」


「……心配ない。あそこの荒野は……何もないから思いっきりやれる」

やるって……何やるんすか!?その鬼の形相で口角を吊り上げられたら…… 超恐いんすけど!


「あ、空間魔法で中継する?」

ヴェイセル。空間魔法ってそんなこともできるんだ。すげぇ。




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