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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
南部連合王国編

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【81】クロ殿下とスバルの領地


スバルの治める青嵐県東部の小領地は南を聖なる森、西、北を山に囲まれたのどかな土地だった。西の山脈を越えれば竜人族の治める竜の里。北の山脈を越えれば第2王子の治める北東の国境地帯。

東には海があり円環状の海岸が広がっている。北側の海岸に沿って東方魔王国と陸続きになっている。

因みに南側の海岸にそっていくと険しい山脈があり、その山脈の向こう側は他県(南部連合王国を構成する他の小国領土)らしい。


ここはまさに東方魔族が海や海岸を越えてきたり、東北の国境が破られ北部魔族が山脈を越えてきたりすればあっという間に戦場となってしまう危険地帯……なのだが領地はのどかである。

すぐ隣の竜の里から来たと思われる竜人族、人族、獣人族……碧狼族や兎耳族までものどかに平穏に暮らしているようだった。


やはりSS級冒険者が領主やってるという安心感から来るんだろうか。


「最初、碧狼族が領地にいると顔をしかめる人も多いんだけど……」

「俺の仲間にはリョクタもいるし、別に気にしないよ」

悪さをせずに真面目に暮らしている分にはふわもふに勝るものはない。


「ありがとう、クロ」

「ううん、こちらこそ」

その夜俺は温泉に浸かり、スバルたちにご飯をごちそうになり、とっても素晴らしい滞在を謳歌した。


あれ、でも……温泉文化がない国なのにどうしてここには温泉が?


「クロ、ちょっといい?」

「ヴェイセル?なぁに?」

部屋でまったりくつろいでいると、ヴェイセルが焦ったように入ってくる。どうしたんだ?平穏なこの領地に……何か!?


「実家から仕事を押し付けられちゃって……」

うおぉ……クォーツ公爵のか。依頼主はアーサーお兄さんだろうか。


「ちょっと今晩、空けていい?明日の朝には帰ってこれると思うけど」

朝帰り……?


「道徳倫理上問題ないならいいけど」

「へ……?何で道徳倫理?それは問題ないと思うけど」


「……そうか。一応仕事の成果報告についてはアーサーさんに確認とっていい?」

「え……?うん、そりゃぁ一時的にクロの同は……護衛を外れるからね」

コイツ、今何て言おうとしたんだ?

同伴……いやいや、ないない……けど、そんな気がする!やはりぶれねぇなこのショタコン!!よし、しっかりアーサーさんに確認をしよう。主として最強騎士に不貞行為があってはこまる。


「いいよ。ここは平和だし、たんたんも紅消も……あとリョクタも一緒だし。スバルはSS級冒険者なんだろう?滅多なことなんてないよ」


「そうだね。だけど困ったことがあったらすぐ呼んでね!クロのところになら、地球の裏側でも即駆けつけるから」

いや、ここ地球じゃない。異世界だ。地球の表側に辿り着くのも至難の技じゃん。


「早く行け。またアーサーさんに怒られるぞ?」

「……」

いつもならここでビビるヴェイセルなのだが、一瞬表情が翳ったのは気のせいだろうか。


「それじゃ、行ってくるよ」

「……行ってらっしゃい」


パタン……。


「全く剣聖め。途中で殿下のお傍を離れるなんて」

「……やっぱりいたのか、紅消。でも紅消がいるだろ?」


「それは……まぁ……」

「そこにたんたんもいるし」


「……えっ!?」

あぁ、やっぱり気付いてなかったんだな。


「この紅消……一生の不覚」

「あ、いえ。俺の性質みたいなものなので。お気になさらず」

本当に優秀なんだけどたんたんって何者……?その後リョクタと、セナさんも一緒に来てくれた。俺がリョクタのしっぽをブラッシングしている傍ら、リョクタのお耳をもふっていたセナさんが『私のしっぽはもふってくださらないのですか?』と言いだしたのでお言葉に甘えてしまった。


セナさんの耳はリョクタやリオの狼耳に比べるとほっそり、スマートで耳と耳の間の感覚がそれほどない。イメージでいうと兎耳。瑠璃色の耳の先っぽだけが白い。シュアンさんみたいな雑種系なのかな?続いてしっぽの形はリョクタによく似ていて、瑠璃色のしっぽの先がリョクタのように白かった。けど撫で心地はふわっふわでしっとりふっわもふ。まるでこの時期、冬毛に生え変わるリオのしっぽのようだ。寒い地域の種族の血を引いているんだろうか。


「……」

不意にリョクタが何かに気が付いたかのように顔を窓の向こうに向ける。


「どした?リョクタ」

「また……魔人……あ、いや魔族の匂いがするっす」

魔人族と言いかける。お前もクォーツっ子が板について来たな。それよりも……また魔族!?また北方のあの恐そうな四天王!?


「行ってみよう」

「危険です、クロ殿下」

「そうです。ここにはスバル殿下もいらっしゃいます」

「いや……でも」

そうだ、俺はあのひとの前では無力だった。


「そ、そうだよね……俺、役にタタナイ……」

「く……っクロ殿下!?そんなことは……」

「クォーツ州の一部であるクリスタっ子の名にかけて、それはないっす!」

あ、ありがとう……慰めてくれて……。紅消、リョクタ。


うん、でも大丈夫。帰ったら他の魔法もちゃんと勉強しよう。


―――コンコン。


「クロ殿下、少しいいか?」

部屋を訪れたのはクララさんだった。


「あなたにお客さん」

へ……?俺に?リョクタが嗅ぎつけた魔族の人かな……?てことはやっぱりさっきの四天王?


「だ……誰?」

「……魔王四天王を名乗っているんだが」


はい……?




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