SP:クロ殿下観察日記~人族の暗躍~
――――やほー、クォーツ祭壇ふわもふ代表のリオだよ。お馴染みクロ殿下観察日記のお時間だよ!
さて、今日のクロ殿下は黒猫アニキのふっわもふしっぽをもふっている。
「ふわもふー」
「クロ殿下、俺のもふわもふー」
とりま俺もふわもふしてしてアピール!
「リオもよしよし」
俺のふわもふしっぽもなでなでしてくれるクロ殿下、かわいい。黒猫アニキにもお耳ふわもふされたけど。
「いいなー、獣人族は」
ローがうらやましげだ。
「ふっふっふ。これはふわもふ特権なのだ!」
「え―いっ!わしゃわしゃ!」
ローのわしゃわしゃをひらりとかわす俺。うむ。毎日アニキたちに鍛えられてるもんね!
わしゃわしゃっ
ふわわわわわわわわわわっっ
もふふふふふふふふふふっ
「むぎゃ―――――――――!!!!!」
しっぽとお耳ふわもふまみれ!!!ローのわしゃわしゃを華麗にかわした俺だったが、続いて部屋に入ってきた魔人族アニキズに盛大にわしゃわしゃ、ふわもふふふふふふふふ――――されてしまった。
「うわ……俺ぶおっさぶおっさぁ――――」
「ギャー!リオのぶぉっさぼっさだ――――」
「やっべぇな」
いや、オイ待て。それやったのアニキたちじゃん。
「ふっふっふ。俺たち魔人族はクロ殿下のふわもふを堪能できないからこそ、こうしてフラッフィ家の至宝リオをふわもふするのだ!」
何か力説しだすアニキズ。
「ほ~ら、クロ殿下。ふわもふですよ~」
しかし魔人族アニキズを尻目にキサラアニキがクロ殿下にふわもふを差し出していた。それはクォーツで冬に親しまれるふわもふフェイクファー付きケープ。しかも狼耳付きだ。
「わぁ、ほんとだ!ふわもふ!」
「冬は寒くなるからね、クロ殿下用にどうかなって」
「俺にくれるの?ありがとう!」
クロ殿下はふわもふざわりが気に入ったのか、キサラアニキの膝の上でケープをふわもふしている。
「ふっふっふ。魔人族の諸君……」
「我ら人族は昔から他種族よりも魔法も力も劣るからこそこうして知恵を絞ってきたのだよ……」
何か渋く語りだす人族のアニキズ。
『な……なんだと!!?』
驚愕する魔人族アニキズ。
「教えてくれ!獣耳もしっぽもない俺たち魔人族でもふわもふしてもらうすべはあるのか!?」
「俺たちもふわもふしてもらいてぇんだ!」
人族アニキズに必死に懇願しだす魔人族アニキズ。
「自ら……ふわもふを纏えばいいのだ!」
『ははぁ~~~~~~っ!!!!!』
豪語する人族アニキズに、魔人族アニキズが平伏していた。
その冬、魔人族たちを中心にふわもふフェイクファーをあしらった衣服やアイテムが飛ぶように売れ、ブームになったらしい。
……そしてその陰で、とある人族のアニキが札束を数えながらニヨニヨしていた。確かあのアニキの実家は……商家だった気がする。
他種族国家のエストレラで、魔法も力も劣る人族が生き残ってきたこれた理由は……ここにあるのかもしれない。……なーんてね。
今日もクロ殿下にふわもふおねだりしに行こーっと!




