SP:クロ殿下観察日記(エステラ大祭壇出張編)
――――side:キオ
エステラ大祭壇にクロ殿下がやってきた。ヨル殿下と一緒にステータス開示をしたんだが、トラブルがあって俺キオはクロ殿下をヨル殿下と共に別室へ案内した。名残惜しそうに俺のふわもふしっぽを見つめるクロ殿下をわしゃわしゃし、俺は司祭様へ報告へ向かった。
その後クロ殿下はつゆときりの双子ちゃん精霊にお言葉をもらい、なんとあのアンエイにまでお言葉をもらったらしい。
――――――そんな微笑ましい出来事を体験した翌朝。
「……つゆときり……迎えに行って来」
朝礼後一番にアンエイに声をかけられ、俺は後宮へと向かった。何故か友だちになったという精霊士見習いのツユキとキリカもついて来たけど。
「クロ、ヨル。エステラ大祭壇からお客様だよ」
ヨシュア様に呼ばれ、クロ殿下とヨル殿下の双子王子がつゆときりを抱っこしながら顔を見せてくれた。
「おはようございます。クロ殿下、ヨル殿下」
因みにヨルリン殿下は王都ではヨル殿下の愛称で親しまれている。
「はよっ!クロ、ヨル!」
「おはよう」
もともとツユキは人懐こいけど、昨日の今日で随分仲良くなったようだ。
「つゆときり、迎えに来たんだ」
「あ、はい。きり、お迎えだって」
「……うん、抱っこ」
きりはキリカに抱っこをせがみキリカも慣れた手つきできりをだっこする。それを見たたつゆもツユキに抱っこを要求し、よっとっとと抱っこされていた。ちょ……危なっかしいぞツユキ。
「そういえば2人の名前ってきりとつゆと……」
「あぁ、おそろいだぜ。ウチの母ちゃんがきりとつゆに因んでつけたんだ」
やっぱりそうだったんだ。属性もつゆ、きりツインズと同じく光と闇で対になっているし。
「ツユキの【キ】は月って意味で、キリカの【カ】は日や太陽って意味なんだよ」
そうなのか。でもそれだと属性が逆では?
「お互いに助け合って生きて行けるようにってお互いの属性を俺らの名前に入れたんだって」
そういうことか……。
「勇者&魔人王コンビにうってつけだな」
「俺たちも精霊士見習いやってからさ、将来は父ちゃんたちみたいな精霊士になるんだ」
へぇ……2人とも精霊士見習いなんだ。
「……」
ヨルが俯いている?
「ヨルももしよかったら精霊士見習いやってみる?」
「でもぼく、体が弱いし」
「大丈夫だよ。俺も武闘派じゃないけど武闘派多数の闇の精霊士見習いやってるし、成長して身体が丈夫になったら2人で精霊士やろう」
「うん!」
「殿下ならいつでも歓迎するぞ。クロ殿下も司祭になるときゃぁエステラ大祭壇に来るだろ?したら一緒に修行もできっしな」
「キオさん……!……そうかも。でも司祭様になるとかまだ全然考えてなかった」
「大丈夫だよ。まだまだ時間はあるしゆっくり考えて決めたらいい」
「はい!頑張ろうね、ヨル」
「うん、クロ」
ヨル殿下とクロ殿下は互いに顔を見合い、頷き合っている。やっぱり双子って言葉を介しなくても心が通じ合うのかな。去り際にクロ殿下の頭をわしゃわしゃ。うん、やはりリオに聞いていた通り嬉しそうだ。でもヨル殿下も羨ましそうにそれを見ていた。なのでヨル殿下の頭もわしゃわしゃ。
「……っ!」
ヨル殿下はクロ殿下と同じく顔を赤らめている。ん、やっぱ双子だな。俺はツユキ、キリカツインズとつゆ、きりツインズと後宮を後にした。
――――追伸
リオへ
剣聖が双子王子殿下を柱の陰から見つめてハァハァしていたぞ。とりあえずシェル司祭様に報告しておけ。
キオ兄ちゃんより




