【42】クロ殿下とステータス開示
――――クォーツ祭壇内クロ殿下私室。
「まぁ元気出しなよ。クロ殿下」
俺はシズメさまと一緒にリオのふわもふしっぽに突っ伏していた。
「ん」
黒猫アニキが俺の頭をなでなでしてくれる。黒猫アニキのふわっもふしっぽが俺の背にあたっていてもっふもふが気持ちいい。
「大丈夫だって。シェル司祭様が何か企んでるからってローが言ってたし」
「た、企む?」
思わず顔を上げる俺。
「ん」
黒猫アニキも頷いている。マジで?思わず腹黒い笑みを浮かべるシェル司祭様が頭に思い浮かんだ。
コンコン。
「ん」
黒猫アニキがドアへ向かう。
「……司祭様」
司祭様!?ど、どうしよう。さすがに司祭様相手に閉じこもったら……怒られる?黒猫アニキの影からこそっと顔を出してみる。
「クロ殿下、私にいい考えがあるのです。少し聞いていただけます?」
「……うん」
な、何だろう?
俺は司祭様、シズメさまと別室に赴いた。司祭様がお茶とお菓子を出してくれる。
「ステータス開示のことなのですが、これはクォーツ祭壇でクロ殿下のお誕生日に行います」
え?うん。それは当初の計画通りでは?
「その翌日、王都エステラ大祭壇でのステータス開示となります」
「誕生日の翌日でもいいの?」
「極夜、暗夜の期間に生まれた子のステータス開示は縁起を担ぐため年の瀬には行わず、年明けに行うのが通例です」
そ、そうだったのか?
「クロ殿下のお誕生日はクォーツでは暗夜の最終日。エステラでは極夜の最終日。つまりクロ殿下のステータス開示を通常通りお誕生日に行い、クロ殿下が公にはしたくないステータスをエステラ大祭壇の大司祭に伝え、当日開示しないようにしてもらいます」
し、司祭様~!!!もう、俺一生ついていきます!!!
――――というかあれ?辺境の司祭様が大祭壇の司祭様に便宜をって割とすごくない?クォーツ公爵家の出だからか?
「……!」
でもシズメさまも嬉しそうにしているし……。うん、俺もシズメさまと一緒で嬉しい!
「あ、当日はエルくんも選択できますよ?司祭なので」
「……シェル司祭様がいいです」
もしスキル以外もツッコミどころ満載だったら絶対面白がるから!!あのひと!!!
※※※
――――そして、やってきた誕生日!
祭壇の待合室には俺以外にも12歳の誕生日が来た子たちが集まっていた。
「クロが極夜にステータス開示をするってなってね、クロと一緒にやりたいって声が多くて」
ヴェイセルがそっと教えてくれる。え、そうなの?
「司祭様に迷惑かけちゃったかな」
俺のために極夜に仕事が増えてしまったわけで……。
「大丈夫。クロがここで一番にステータス開示できること、喜んでたから。その記念にも今年は極夜に他の子たちにもステータス開示を行うことにしたんだ。エル兄も手伝ってるし、平気だよ」
「うん」
そうこうしているうちに俺の順番が来た。フィンさんに呼ばれ祭壇内の宣託室へ入る。宣託室にはシェル司祭様と本性の大きな姿のシズメさまがおり、部屋の真ん中に円柱のような台がある。
「本日はよくおいでくださいました。クロムウェル・リィン・エストレラ殿下」
シェル司祭様はいつもとは違う凛とした声で俺を呼ぶ。き、緊張する。
「それでは早速。ステータス開示を始めます」
「はい」
「こちらに手を当てて……」
司祭様が円柱の上を指す。俺はそこに手をかざす。するとそこにモニターのようなものが出、ついに俺のステータスが開示された!
――――
クロムウェル・リィン・エストレラ(12)
エストレラ王国第4王子
クォーツ祭壇闇の精霊士見習い
HP 2100
MP 7500
レベル:512
スキル:もふり上手 レベル3
――――
……ん?あれ?真のロリショタがない?ヴェイセルが適当なこと言ってたってことか?それともロリショタを卒業したってことか?
「何か気になるところでもありましたか?クロ殿下」
「あ……いや、俺のスキルって1つですか?」
「通常生まれつきのスキルは1つ、まれに元々2つもっている人もいます。ただ成長したり、レベルを上げたり、何かのきっかけで隠れスキルやエクストラスキルが目覚めることもあります」
真のロリショタは隠れスキルとかで今後出て来るってことか?いやいや、そろそろロリショタ卒業の年齢だと思うんだが。今更ってないない。
「あ、クロ殿下は隠れスキルを発動させていますね」
ぽちっとな。
あああぁぁぁぁぁっ!!!
気が付いた時には遅かった。司祭様はその隠れスキルボタンをぽちっとしていた。そして見事にそれは表示された。
隠れスキル:真のロリショタ レベルマックス
しかもレベルマックス!?上げた覚えないんですけど!
「まぁ、何でしょうこのスキル」
俺は頭を抱える。うぅ~。説明を読んだ司祭様は。
「クロ殿下はこれを見られたくなかったのですね」
うぅっ!そうです、司祭様。
「隠れスキルというのは隠しておくものですし、大っぴらにしてしまうと奥の手を公開しているようなものですから通常は公にはしません。こちらを大司祭に頼んで非表示にしてもらいましょう」
「は、はい!」
「あと、スキルは1つは表示しませんと奇妙な目で見られてしまいますから、もふり上手は表示しましょうね」
「う……はい」
「でもスキルレベルも上がっていますし、評価ポイントにはなります」
確かに……レベルが上がったおかげかな?
「レベルアップの他にも毎日ふわもふもしてますからね。スキルレベルが上がったのでしょう」
毎日の鍛錬のおかげでもあるのか。毎日好きでふわもふしてるだけだから鍛錬にあたるのかどうかはわからんけど。
「クロ、もふり上手……ぐっじょぶ」
なでなでなで。シズメさまがなでなでしてくれる。
「シズメさま!」(キュンッ)
シズメさまのなでなでを思い出せば、俺、頑張れる。よし。
「あと、ジョブですね」
ジョブ?ゲームとかでよくあるあの天職か?教会での神託で授かる、あれ?
「ジョブは、12歳で皆授かるのですよ」
だからステータス開示が12歳なのか。
「これも表示が無いと訝しげられますから……」
―――
ジョブ:もふり師 レベル3
―――
もふり師?
……って何!?俺は一体何を目指せばいいんだ!しかもそれって稼げるのか!?




