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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
エステラ大祭壇編

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【41】クロ殿下と迫る運命の日


――――ついに、来る!


12歳の誕生日がもう目前!12歳といえばステータス開示だ!楽しみにしてたんだよ、ステータス開示!12になるまで我慢だなんて転生者にはきつかったけれど。


あぁ、でもよくある異世界物の主人公定番・チートスキルじゃなくってへぼスキルとかだったらどうしよう?でもそういう場合って後から超スゴイスキルだと判明したりするよね。だから俺はどっちに転んでも大丈夫!


――――あ、俺のスキルってもふり上手と真のロリショタだったんだった。

がっくり。


でもちょうど見習い精霊士も卒業できるから楽しみはまだまだある。


「ステータス開示ってどんななの?」

ローとリオを見つけたのでてとてとと駆け寄っていく。


「司祭様がステータス版をぱっと表示してくれて解説してくれるよ」

「その後クォーツ祭壇の精霊の誰かが記念品をくれる。あとお祝いの言葉もなー」


「精霊の誰かって決まってないの?」

「精霊士なら自分の属性に近い精霊。俺ぁフブキさまだったぜ。氷属性の魔法使えっし」


「俺はシズメさま!」

「そっかぁ。俺はどっちなんだろうなぁ?」

闇の精霊士なので多分闇の精霊のシズメさまかフブキさまのどちらかだろうなぁ。


「クロ殿下、あそこ」

リオが扉の方を指す。そこには扉の影からひょっこり顔をのぞかせたシズメさまが……ぷるぷるなみだめでこちらを見ていた。


「……っ」(うるうる)


「クロ殿下はシズメさまの加護を授かってんだから」

「シズメさまに決まってんだろ?」

あ、そうだよね。


「シズメさま!シズメさまが記念品くれるなら俺、超嬉しい!」

精一杯叫んでみると、シズメさまが目をうるうるさせてこちらへぱたぱたと駆けて来る。


「……!」(ク~ロ~!)

お詫びにシズメさまをぎゅーしてあげる。ステータス開示、楽しみだ。……あれ?さっき司祭様が一緒に見ながら解説してくれるって……。


お、俺のスキル真のロリショタがばれてしまう!!


「り、リオ……スキルが恥ずかしいものだったらどうしよう?」

「そんときは司祭様がフォローしてくれるって!守秘義務あるし」

そ、そうだよね。シェル司祭様なら大丈夫だよね?

ふ、不安がぐわっと押し寄せて来るうぅっ!


――――


「大変だよ!クロ!」

突如エル兄さんが祭壇へ飛び込んでくる。


「どうしたの?」

「クロのステータス開示、王都でになるかもしんない」

へ……?


「王族は王都にあるエステラ大祭壇でやるのが通例だから」

つまり……シズメさまから記念品が受け取れない?

――――というか司祭様がシェル司祭様じゃないなんて絶えっっ対、無理いぃぃぃっっ!!!いやー!よく知らない司祭様に見られたくないーっ!


どうしよう、シズメさま……シズメさまは涙目でぷるぷるしていた。


「で、でもエル兄さんの時は……?」

「大祭壇でステータス開示を行ってから、後でこっそりクォーツ祭壇でフブキさまから記念品とお祝いの言葉をいただいたよ」


「じゃー、クロ殿下もそんな感じで……?」

と、ロー。


「嫌!俺クォーツ祭壇じゃなきゃ嫌!」

「……!」(コクコクッ)

シズメさまもそう言ってるし!

「うむ……王都を出し抜いてこっちで先にやるか……」

エル兄さん、お願いだから!お願いだから!真のロリショタが大祭壇で大っぴらになるのは嫌だあぁぁぁっ!!!


――――side


「……と、いうわけで。クロは大祭壇でのステータス開示を全力で拒否してます」


「それはそれで嬉しいのですが……でも王都ですからねぇ」

クォーツ祭壇司祭のシェルは頬に手を当てため息をつく。

クォーツ祭壇で会議を行う用に用意された円盤テーブルに腰掛け、シェルとエルヴィスはクロのステータス開示はクォーツでやりたい対策会議を開いていた。


「あちらの大司祭に話を通すこともできるのですが」

「え、そうなんですか?」


「えぇ。サイカなら問題ないかと」

エステラ大祭壇の最高責任者の大司祭の名が出た。


「まぁ確かにあの方ならクロを説得すれば……でも……」

「まだ何か懸念が?」


「懸念というよりクロをやる気にしようと、エステラ大祭壇でのステータス開示について話したら閉じこもっちゃって。……シズメさまと」

クロだけならシズメさまにふるふるうるうるしてもらえば出てくると思われるのだが。


「…………何を話したのです?」

「エステラ大祭壇ではヨルと一緒にステータス開示だよ~って」


「それは喜びそうですが……」

「なんだけど……大祭壇のステータス開示は貴族や王族の子女が多いでしょ?お披露目もかねて両親親戚や他の子たちの前で行われるよ~って」

「それは……よほどバレたくない何かがあるのでは?」


「……ヴェルがバレたくない何かをクロに真眼で教えていたとしたら」

エルヴィスは気付いていなかった。

それがかつてヴェイセルがクロにぶっちゃけたスキルのことだと。


「……今度罰ゲームですね」

シェルはにっこりと黒い笑みを浮かべる。そしてエルヴィスはぞくっと背筋を凍らせる。


「まぁクロ殿下は食事もありますし、そのうち出て来るとは思いますが……シズメさまも一緒となると、クォーツの危機通り越して大危機ですね」

「リオやウェルは部屋に入れてるんだけどね」


「……ふわもふですからね。しかしクロ殿下のステータス開示を先に王都で行えばシズメさまがショックを受けてマジでヒッキー化したら大変です。それこそエストレラ全土を巻き込んだ危機が訪れるでしょう。でもステータス開示については私に考えもありますし」

「ほんと!?」


「まぁ、後は任せてください」

シェルは人懐っこい笑みを浮かべた。



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