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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
クリスタ編

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【35】クロ殿下と決戦前


――――森に面した砦では、着々と準備が進んでいた。先発隊の整備、後衛の準備……それから作戦会議もろもろ。ヴェイセルがきびきびと指示を出しており、皆それに従っている。これはもしかして剣聖の威厳なのか……?さらに街の警備に繰り出していたリオたちの【父ちゃん】が砦に到着した。


「ジオさん!」

ドロシーさんが出迎えに走っていく。リオと同じ銅色の狼耳しっぽ(もちろんふわっもふ)、凛々しい眉に縦長の瞳孔の金色の瞳、精悍な顔立ちにしなやかながらがっちりした体格。左頬には十文字の傷痕が残っている。


「お待たせ。警備に出回ってた連中から、こういう事態になれた連中を見繕ってきた。早速、剣聖と合流する」

そしてジオさんは俺の方を向いた。わぁ……ワイルド系イケメン!!!何となくマティアスとおさんににてるなぁ。


「クロ殿下。この度は騒動に巻き込んで申し訳ない。だがご協力感謝する」

「い、いえ。その、できることは少ないかもしれないけど……」


「そんなことはないぞ!クロはこうして私を和ませてくれる」

……へ?今、聞きなれた懐かしい声がしたような。


「よっ!元気そうだな」

司祭様によく似た茶狼族の青年がそこにいた。


「アスラン兄さん!」

そしてその横には竜人族の青年がいる。何故だか悪戯っぽい笑みを向けてくる。


「クロは初めてだったな。部下のイルハンだ」

「初めまして、クロ殿下」

赤紫色の髪に翡翠色の瞳。エル兄さんと同じ象牙色の竜角を持つ。体格は女性かな?と思ってしまう腰の括れ、長くしなやかな脚をしている。


「ヴェイセルもきっと喜ぶぞ」

力強い味方なんだろうな。


「う、うん!でもアスラン兄さんはどうしてここに?」


「あぁ、部下が実家によるというので俺もな。

部下の実家とは隣同士だから、俺も顔を出しに訪れていたんだ」

イオさんだよね。確実に!でもイオさんはどこに……?ここにはイルハンさんしかいなさそう。


「私もイルハンと共に出る。クロ、お前も気をつけろ」

アスラン兄さんもモンスター群勢と戦うのか……?


「でも危険では?」

王子なのにいいのか?


「私はこの国の王子だからな。こういう時こそ国民を守るため、矢面に立たねば」

そうか。ミミさんと同じ覚悟した目だ。俺もいつかはそんな決断をしなくてはならないんだろうか。


「けが、しないでね」

「あぁ、任せろ」

アスラン兄さんの久々のわしゃわしゃ。不安な気持ちが少し和らいだ。時間が来るまで祭壇やヴェイセルの用意したポーションを整理していたら、見知った少女がそこにいた。


「おまたせしましたー!ポーションのお届けに……あ!」

「アリス!?どうして……」

「それはクロもじゃない!」

お互いかくかくしかじかで。


「そっか。遊びに来ていた時に巻き込まれたんだ。私はねお兄ちゃんと素材集めに来ていたんだけど戒厳令が敷かれちゃって。宿にとどまってたんだけど私もヒーラー見習いのはしくれだから!こうやって祭壇への届け物のお手伝いをしているんだ」

そういうアリスの後ろには……ゲートが現れた!?


「あ、お兄ちゃんが用意したゲートだよ。外とはつながらないけどクリスタ領内では使えるから。便利でしょ?」

う、うん。俺もその性能知ってるけど……。


「その、お兄ちゃんってヒュイさん?」

「うん、クロも名前知ってたの?」


「知り合いに知ってる人がいて……」

と、その時だった。

「アリス?どうしたんだい?そっちに何か……」

ゲートの向こうにヒュイさんがいた。


「やぁ、クロ殿下だね。はじめまして」

「は……はじめまして……ヒュイさん?」


「そうだよ。ヴェイセル兄さんが来ているんだろう?問題はないと思うけど……あれは原因を排除しないと止まらないからね」

「原因?」

確かにゲームでも魔物の大量発生には原因がある場合が多いな。うーん……原因か。泣いてる兎耳族の女の子とか……?


「シズメさまの力にはね、面白いものがあるんだ」

「面白いもの……?」


「地脈移動といってね……地脈に乗って音を届けたり移動したりすることができるんだよ。土地の守護精霊だからね」

「地脈移動?空間魔法とは違うんですか?」


「精霊魔法だよ。人知を超えた魔法。地脈に乗ればもしかしたら外にも通じるかもしれないね。シズメさまにも音は届くかもしれない」


「だけど俺はまだコマンドも開かないし……」

「コマンドって何だい?」

悪戯そうな笑みを浮かべるヒュイさん。そうだよね。この世界の人にはわからないかも。……でも知ってそうだぞこの人。ヴェイセルの地球ワードをエル兄さんが知ってたこともあった。


「あ、えーと……」


「ではヒントをあげようか。ヴェイセル兄さんの持っている剣は炎の精霊からもらったものなんだ。あれを使って与えられた精霊魔法を使うことができる。あれくらいのレベルになるとなくても使えるけどね。あれがあった方が威力も上がるらしい」

……てことは?シズメさまのもらったコレも精霊魔法を使うための媒介装置ってこと?


「さて、そろそろ始まる。アリス、そろそろ戻っておいで」

始まる?まさかスタンピードが始まる?


「あ、うん」

「アリス!あの、こんなところでだけど……これ」

俺はアリスに精霊石のペンダントを渡す。


「こんなきれいなペンダント……!いいの?」

「うん、前にもポーションもらったから」

「ありがとう……!嬉しい!それじゃぁ、私もクロにとっておきを……」

アリスがいつものようにポーションをくれる。


「これは……」

「エリクサーポーション」

……え、えりくさぁー?


「気を付けてね!」

「う、うん。ありがと」

でもそれってものすごい代物なのでは……?


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