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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
クォーツ祭壇編

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【29】クロ殿下と贈り物


――――逆レイド。レイドバトルじゃなくってモンスターの方が複数で挑む系だ。普通ボスに仲間と挑むんだが。……戦うだけ戦いまくった戦闘狂コンビは、満足したのか傲魔さんがドロップ品を差し出す。

これってボスが消滅して出て来るんじゃなくて、ほんにんの手渡しなのか!?


「ドロップイベントは、オプションだから」

傲魔さんがしれっと告げてくる。


「オプション付ければドロップするよ。今回は拾うのめんどいから最後にボス戦に勝ったらまとめてもらうプランにしたんだ」


「途中で負けたらドロップ品全て没収だけどな!」

だけどなって!!えげつなっ!


「ボス戦勝利の記念に精霊石コースへどうぞ」

「ありがとう」


「精霊石コースはボス戦勝利のご褒美な。ボス戦は初級・中級・上級・無限級があるんだけどそれぞれのレベルによってもらえる精霊石の量が違うんだよ」


「じゃぁ今のは?」

「無限級」

やっぱりかいっ!


「でも勝利したら一定数もらえるんだね」

すごいサービス力。


「でも規定に反することをやったらもらえないよ」

「規定?」


「ダンジョン内にごみをポイ捨てたり、他のパーティーとケンカしたり、バナナをおやつに加えるかでケンカしたりすると精霊石コースは選べないよ。あとモンスターに不貞行為をしたりとか」

不貞行為?いや、きっとそれは子どもにはまだ早いと思う。うん。てゆーか遠足のルール?遠足のルールだよね、それ!

でもバナナをおやつに加えるかどうかでケンカって……どうっでもいいっ!!!


「ヴェイセルたちがモンスターたちぶっ飛ばしたり、壁破壊したのはいいの?」


「お互い本気で戦うのは、ダンジョンモンスターと戦う際の礼儀だよ。闇ダンジョンはそうでもないけど」

まじでか!てか闇ダンジョンなんてのもあるのか?恐そうだから今後は潜らないことを願いたい。


「それと倒したモンスターたちは次回挑戦者が現れると復活するよ」

えっ!復活するの!?


「特殊な空間魔法のおかげ」

空間魔法……なんかいろいろとすごいな。


「ついでにルールを破ると、ダンジョンでの基本スパルタ研修コースに強制的に転移するよ」

何その研修コース。しかもスパルタかよ!


「ダンジョン内で『お前は役に立たないからパーティークビ』とか言ったり、仲間を囮にしてモンスターの餌食にしたりしたら特別コースだよ」

異世界物によくある展開……?


「ボスが対象フロアへの特別出演が上から許可されて、毎度ポーションで回復されながら10回無限級で倒されるよ」

にぃっと、ラスボスモンスターらしく微笑む傲魔さん。

なななななっ!何そのえげつない通り越した断罪!!!


よくある異世界物ルートの闇に進んだだけで!?そんだけでボスからのひどいお仕置き!?


「今までそのコースに進んだひといるの?」


「まぁ10人ほど?」

いたんかい!やはり王道らしい。でも気を付けて。その王道ルートに対する罰は異世界ファンタジーりも恐なり。



「ところで、精霊石はどれだけ欲しいの?」

罰ゲームコースの恐ろしさにドン引いてたら傲魔さんがしれっと話題を元に戻してきた。その笑顔の切り替えが恐い。


「えっと、このペンダント2つ分あれば」


「欲がないね、クロ殿下」

今、クロ殿下って……?モンスターに呼ばれるのは何か新鮮だ。


「でももう一つは?」

ヴェイセルがきょとんとして聞いてくる。


「えっと、アリスに。いつもポーションをくれるお礼に」


「ガールフレンド?」

ちょっ!傲魔さん!


「コレっす」

ローっ!!!


「ちがっ!」

「ダメ!クロにはまだ早い!クロの初めてはお兄さんのなんだかんね!」

ヴェイセルが何を言っているのか分からない。


「それでは、こちらを」

傲魔さんが手をかざすと俺の両手に2つ分の精霊石が現れた。


「ありがとう」


「いいや、クリアおめでとう。それでは、地上へ?」


「うん、頼むよ」

光が俺たちを包み、ダンジョン入口へ戻ってきた。


「そういえばこの腕輪は?」


「あ、それ経験値付与リング」

……へ?

「つまり、ヴェイセルの倒したモンスターの経験値がクロ殿下に入ったってこと」

なぬっ!?


「お、俺、レベルは?」

レベル30くらいになってたりして。いや、まさか……。



「213」

にひゃ……っええええええええええええぇぇぇぇぇぇっ!!!???


「あ、あの、ヴェイセルはレベルどのくらい?」


「9999」

あっりえないレベルが聞こえたんだけど。

俺が200超えてる時点で999が限界かなって思ったけ9999!?


「ヴェイセルはすごいよなーレベルマックスだぜ?」

マックス……まさか剣聖だからってマックスだなんて……。


「ろ、ローは?」


「んー、もうすぐ1000いくかな?今日ちょっと経験値もらったし」

せ……っせん?この世界のレベル平均値は高いんだろうか。


「平均値は?」

「うーん、初級コースでレベル30前後、中級だとレベル50前後、上級は100以上だな。無限級はそれ以上と言われてる」

ローもヴェイセルもやべぇ。


「そういえばこのダンジョン、クォーツ州なの?」

「ん?ユキメ領だから違う州だよ。」


「クロ殿下、傲魔がいんだから……」

月の精霊VS傲魔のタイトルマッチポイントに……決まってる。


――――ダンジョンから帰還して数日後。ところ変わってここは王都エステラ。


王都エステラの新年はクォーツより3日早い。

だからクォーツの年明け時にはもう正月三が日が終わっている。


王族は基本、女王陛下への慶賀のあいさつのため新年にそろい踏み……なのだが俺は異世界版インフルにかかってしまったため大事を取ってお休みした。因みにエル兄さんは参加した。

俺の誕生日パーティーのために即戻ってきたけど。


クォーツ地方を含む西部辺境地域の諸侯は基本的には正月三が日後に参列する。それ以外の地域の人々もあいさつのため、7日くらいまでは滞在するのだという。俺はというとひとまずかあさんに会いに行くこととなった。


「お久しぶりですね、クロムウェル。体調はいかがですか?」


「はい、もうすっかり良くなりました。新年のご挨拶が遅れまして申し訳ありません」


「いいえ。お元気そうにしていてとても嬉しいですよ」


――――うん……俺も久々にかあさんに会えて嬉しかったな


――――そして後宮に戻ってきたわけだけど。


「女王陛下、どうだった?」

「いつも通りだよ。忙しいだろうから手短に済ませてきたけど」

後宮にはヴェイセルと戻ってきた。


「いいんだよ、クロ。甘えられない分お兄さんに甘えてねっ!」

「……」


「ヴェイセルくぅん?」

背筋がぞくりとする声にヴェイセルが硬直した。


「と、とおさん」

「やぁ、クロ。お帰り。そして9歳の誕生日おめでとう」


「うん、ありがと」

「イヴもテイカも待ってるからね」


「うん!あのね、お菓子作ってきたから」

「きっと喜ぶよ」

新年のお茶会兼遅れたけど俺とヨルの誕生会。今日はヨルの体調がいいらしい。


俺とヨルととおさんと、テイカかあさんと、イヴ、エル兄さん……そして。


「はぁい、クロ!」

「かあさん……?何で?」


「休憩!ローウェンとエリックに仕事押し付けてきたから安心してね」

うん、それならすごく安心できるけどいいのかそれで。


「せっかくのお誕生会だもんね~」

「そうよ~、エル。クロのお菓子も食べたいし~」


「ま……まぁ、うん」

俺は新年用に作った花びら餅を並べていく。


「イヴもつくったの」


「イヴも?」


「侍女たちに教えてもらったんですって」

イヴはかマドレーヌのようなお菓子をかわいく並べていく。


「お、おいひぃ」


「クロ、頬についてる」

口元についたお菓子のかすをヨルが指で取って口に含む。


「まぁ、かわいい!さっすが双子ね!」

かあさん、ミーハーかい!


「双子萌えだよね~」

エル兄が従者として立たされているヴェイセルを見やる。


「……」

さすがにまたとおさんににらまれるのは嫌らしくいつものでれでれ顔を見せてこない。


「にに、ににのおかちもおいちぃ」


「本当か?嬉しぃなぁ~」

俺はイヴの頭をなでなでする。イヴのお耳がぴくぴくしていてかわいい。


「ぼくもなでなでしていい?」

ヨルも席を立ってイヴをなでなでしている。


「やだ、双子ね。行動もそっくりなんだからっ」


「双子萌えだよね~、ヴェイセル」

かあさんはわからないけどエル兄さんはヴェイセルいじり続行中。理由は俺とふたりっきりでダンジョンデートなんてずるーい、だそうだがローもいたから。二人っきりじゃないから。デートって何。前世の妹が女友だち同士で遊びに行ったときに撮ったプリクラにデートとか書いて送ってきたけど。

――――というかヴェイセル、がまんしすぎて暴走しそう。


「そうだ、クロ、ヨル。はい、誕生日プレゼント」

とおさんが俺たちにそれぞれ渡してくれる。ヨルには本。がんばりやさんなヨルらしい。俺は……お、狼カーデ。狼耳フード付。

だから、何で!?

「わぁ、クロ。そのカーデの色、アスラン兄さんみたい」

うん、そだね。アスラン兄さんとおそろいなら俺、嬉しい。


気を取り直して。

「そうだ、ヨル……これ、プレゼント」


「これは……」


「精霊石のペンダント。俺のとおそろい。俺のは祭壇のアニキたちがくれたんだけど、それは俺の手作り」


「ありがとう!クロ。だいすき」

ヨルがふわりと抱き着いてくる。


「ぼくにあげられるものはあんまりなくって」

ヨルは寝込んでることが多いから。


「いいよ。今ので十分だ」

俺とヨルは互いに微笑んだ。


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