表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
クォーツ祭壇編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/919

【25】クロ殿下と極夜


――――4日後

え、4日後?


俺の体調はすっかり良くなっていた。しかしヴェイセルが4日も帰ってこない。ショタコンはアレだが別に心配しないわけではない。別に寂しいわけでは……う~ん。


「……」(ぐっ!)

シズメさま、そのぐーサインは?


「そだよね~、クロ殿下かわい~。寂しいの?」

り、リオ!?何言って……別に寂しくなんか……。


「……」(こくっ)

シズメさままで……っ!


「大丈夫だよ。暗夜が明けて……ほら、極夜になる」

窓の外がうっすらとピンク色に染まっているのが見える。


「わぁ、きれい」

「女神の微笑みって言うんだぜ。太陽の精霊に勝利したことを告げる、月の精霊の祝福の合図だよ。……月の精霊、男だけど」

おっとこかよ!女神っていうからてっきり!!……何で女神の微笑みって名付け。


「あ、ひょっとして太陽の精霊が女性のせいれ……」


「太陽の精霊も男」

どっちも男かいぃぃぃっ!!


「……!」(……ハッ)

「シズメさま?どうし……」

その瞬間、部屋が青白く光ったと思うとそこには黒い鎧に身を包んだ白髪の青年がいた。


「えっと」

誰……だろ?

「……!」(やっ!)

そしてシズメさまがお手手をあげて挨拶をしていた。

「……シズメ」

青年が静かにその名を呼ぶ。シズメさまを呼び捨てで呼ぶひとは珍しいな……?フブキさまですらさま付けだもの。


「シズメさまの知り合い?」

そう問えば次の瞬間、慣れ親しんだ声が響く。


「ちょっとずるいよー!俺だってクロ不足なんだからー!」

っと言って空間から飛び出してくるヴェイセルと……獣人族の人?薄いベージュ色の髪に狼耳のようだが、先っぽにざんばらな毛が伸びている。そしてオリーヴ色の無機質な瞳をしている。筋肉質で真冬なのにノースリーブを着ており、後ろからは生えているしっぽは薄いベージュ地に茶色い毛がまばらに伸びていて狼族のしっぽよりも細めだ。


「……もふっ」

「ちょ……クロ!?お兄さんだよー!何でシュアンの方じっと見つめてんの!?」


「シュアン?あ、SS級の!?」

え、マジかロー!!何でここにSS級冒険者!?このふわもふしっぽのお兄さんが!!!


「クロ殿下は、ふわもふが好きっす」

リオがぐーサインを出している。ちょっと、リオったら……。


「……ん、俺は雑種だから」

雑種……って何?とリオを見る。


「えっと、シルヴァリー共和国に多いんだけど狼族系とか、猫族系とかいろいろ混ざってる獣人族のことだよ」


「いろいろ……」


「だから……」

シュアンさんが悲しそうな顔をする。そんなっ!シュアンさんを励まさなくては!


「ふ、ふわもふはふわもふだよ!」

あれ何言ってんだ、俺。ヴェイセルがものすごい落ち込んでるのは放っておいていい。いつものことだし。


「ん」

しかしシュアンさんはしっぽをふわりとさせ、俺の頭をわしゃわしゃしてくれる。


「……じゃ、また」

「もう行っちゃうの?」


「また……来る」

シュアンさんは部屋から出てどこかへ行ってしまった。


「……?」

一体どこへ……?

「あぁ、多分シュアンは司祭様にあいさつに……知り合いだから」

とヴェイセル。いつの間に復活したよ。


「そうなの?」

「その後、いつも温泉巡りして帰るんだよ」

趣味・温泉巡り!


「でもクロと温泉に入るのはお兄さんの権利です!」

何言ってんだ剣聖。心配して損した。


「クロ殿下の湯あみのお伴は私の務めだ」

「うん、紅消と入るからいい」


「紅消ずるいよー!最近は湯あみのお伴だけじゃなくて一緒に湯舟につかってるじゃん!」


「だって一緒に入ったほうが、楽しいし」

「あぁ、残念だったな。ヴェイセル」


「じゃぁ、俺も入る!一緒に入る!そしてクロの裸を……うふふふっ」

サアァァァァッ!!


ドゴッ!

しかしその時鎧の青年の手刀でヴェイセルが沈む。


「クロ殿下欠乏症で暴走したんじゃない?」

……と、リオ。何その恐ろしい欠乏症。


「あ、あの……あなたもSS級冒険者の方ですか?」


「……まね」

……へ?


「クロ殿下、『違う』って」

あの、何で通訳できんの?リオ?


「……シズメが選んだ人間」

「……」(ドヤッ)


「……おもしろい」

能面な青年がシズメさまと向かい合いわずかに微笑む。


「また、いずれ……」

「……」(コクッ)


「えっと……え?結局、誰?」


「……つ、月の……精霊」

ヴェイセルがむくっと起き上がる。目が据わってない。多分正常に戻っ?てゆーか……。


「月の精霊!?今のが!?傲魔倒してきたの!?」

「う……うん、倒したよ」


「傲魔って、どんなだったの?」

「んー、ストーカーだったかな?」

いや、ヴェイセルが言うなよ!!!盗視とかしといて!


「太陽の精霊にぞっこんだったんだけど、でも太陽の精霊は月の精霊の胸筋が好きなんだ」

何故に、胸筋。確かに素晴らしい胸筋だったけれど。


「でも太陽の精霊はタイプじゃなかったから、

月の精霊に追い払ってもらってたんだ。傲魔自身は、ひょろい男性型のモンスターだからね」

何そのどろどろの三角関係。あと全っ員男なんだけど!男だらけの三角関係で、エストレラの果てでSS級冒険者巻き込んで太陽の精霊をめぐる泥沼の戦いかよ!!!せめて間に美女はさめよ女神の微笑みなんだからっ!!!


「まぁでも傲魔も代替わりして、今は2代目からね。今はその流れで1年に1回のタイトルマッチをやってんだけど」

「……」

当事者の一人がもはやいないのかいっ!その流って!?その流れで何で年に1回のタイトルマッチ!?


「戦って、お互いを認め合う的な……?俺らも本気で暴れられるし、傲魔もストレスを発散できるしいいとこどり」

ガッツポーズをとって目をキラキラさせるヴェイセル。


あ、これ何か……知ってる。


つまり戦いたいだけかよ、お前ら。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ