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【改稿作業中】クロ殿下と剣聖ヴェイセル  作者: 夕凪 瓊紗.com
クォーツ祭壇編

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【22】クロ殿下と姫王子


――――救世主と思いきやまさかのマッドヒーリング班。マッドヒーリング班はブレない。

その首領の登場にマッドヒーラー仲間のお姉さんたちかハッとする。


「そうでした!精霊士長」

「私たちったらうっかり」

そうして紅消に引きずられながら、男たちは護送されていった。ルンルン楽しそうな光の精霊士たち……いや、マッドヒーラーたちと共に。


紅消はもう既にマッドヒーラーたちの側に行ってしまった。

やばぃ。俺、目ぇつけられないようにしないと。あのマッドヒーリング班に……。


「クロ殿下、観覧席に行きましょう」

そして改めてキサラアニキが手を引いてくれる。


「ねぇ、黒精霊士って何?」

ついでにこのコワモテではないまともそうなアニキに聞いてみる。


「クォーツ州公認の屈強な戦士のことです」

戦士?精霊士じゃないの?確かに闇の精霊士のアニキズはイメージ的に当てはまるけど光の精霊士たちは……?

いや、ある意味屈強か。むしろ戦士より恐ぇ。

紅消直伝の護身術にマッドヒーラーズ。


「何で黒なの?」

「イメージカラーですよ」

クォーツの象徴シズメさまも黒い毛並みだしクォーツのイメージカラーなのかも。

観覧席は来賓席のようなもので、

ゲストや取材などで使用できる席だった。眺めもちょーいい特等席。

アニキズは周囲の警護につき、

俺はシズメさま、リオ、ローと共に観覧席に座った。


「じゃぁ、兄さんは一緒に舞闘ショー行こう!」

「えー、まだお面買ってないよー」

つけねーよ。早く行け。


「ヴェイセル!」

しかしその時、ヴェイセルを呼ぶ別の声が響く。

ん?あれ……この声は……。


「ここでおうたが百年目!私のおらぬ間に私のかわいいクロを連れ去って駆け落ちするとは許せん!私と勝負せぃっ!」

エメラ姉さ――――んっ!?何でここに……いやそれよりもまたきっといや多分絶対何か誤解してる!!!


「え~~?」

「いいじゃない、兄さん。ふたりで行って来れば?剣聖がでたら盛り上がるよ」


「……しょーがないなぁ」

しぶしぶショーステージに行くヴェイセルと何故だか勝負できてうれしそうなエメラ姉さん。


「すまない、クロムウェル殿下」

「え、あぁ、はい」

俺に話し掛けてきた彼は……?

「エメラ隊長の副官をしております、レナートです」

ライトグレーの髪、赤い瞳。端正な顔立ちと颯爽とした身のこなし。帯刀する武器は日本刀に似ている。エメラ姉さんより3~4歳上だろうか。


「あ、どうも」

普通に挨拶しちゃったけどあの姉さんの副官!?きっとすごいひとなんだろう。……いろんな意味で。


「レナートさんも一緒に見る?」

「ありがとうございます、殿下」

そして剣を構えて向かい合うヴェイセルとエメラ姉さんを見やる。あのふたりのケンカさながらの決闘をこんな大衆の面前で見せるのはいかがなものだろうか。そう思っていると何故か音楽が鳴り始めた。


「え?」

その瞬間、ヴェイセルが剣を振り上げてくるくると回り始め、ステップを踏みながらエメラ姉さんに剣を突き出す。


「……っ!?何をしている!ふざけているのか?貴様っ」

「ほら、王女殿下。ちゃんと舞って」


「待て?決闘に待てはご法度……んにゃっ」

んにゃって、姉さん。何そのかわいい効果音。勇ましく振る舞っているがやはり根は隠れかわいい姉さんなのだ。


「舞踏会のダンス思い出して~!はい、いっちに、さーんしっ」

「何故舞踏会!?ダンス!?」


『なぁ、あの娘っ子って剣聖が王女殿下って呼んでたぞ』

『エメラルディーナ王女殿下か?』

『剣姫だが、剣舞には慣れてないのか?がんばれー姫殿下!』

『切れがねぇぞー!』

周囲から声援が飛ぶ。突然の王女の参戦だが温かく迎えてくれるのもこのクォーツの土地柄だろうか。


「な……っ!うぅっ、国民の声には応えんとな……」

エメラ姉さんがヴェイセルと距離をとる。


「ステップと振り付けは覚えたぞ。行くぞ!」

覚えたんかい!エメラ姉さんすげぇ。俺なんてダンスとか無理だ。……猫祭りのフォークダンスは覚えたけど。


そしてヴェイセルが踊っていた舞をエメラ姉さんが踊り、ヴェイセルはまた違った舞を披露する。何故だろう。どこかエメラ姉さんがかっこよくて、ヴェイセルが艶めかしい。


「あれ、男女のパート逆じゃね?」

リオが呟く。

「まぁ、いいじゃないですか。父さんも男女逆舞い派です」

何その派!タシさんの父さんってクォーツ公爵か。あのひとなら何か妙に様になりそう。


「男女で舞うのが普通なの?さっきタシさんとヴェイセルで行こうとしてたけど」


「男性同士の舞いもありますよ。……あ、女性同士の場合もそれを舞います。曲もたくさんあって今舞ってるのは初級ですね。エメラルディーナ王女殿下は初めてのようですし、男女ペアですから」

タシさんが教えてくれる。へぇ……いろいろあるんだ。


「姉さん、初めてなのにすごいな」

「男役様になってんな、王女殿下」

ローも真剣に魅入ってる。


「ねぇ、知ってる?王女殿下って姫王子って呼ばれてるんだよ」

とリオが唐突に告げて来た。


……え?姫王子?何その姫なのか王子なのかわからない愛称!


「す、すごいな。エメラ姉さん」

遠くで姫王子と連呼する女性たちのコールが聞こえてくる。しかしレナートさんは額に手ぇあててうつむいちゃったー!!!

ちょっ!リオ、どーすんのコレ!?


「アンコール!アンコール!」

リオ―!?こっちどーにかしてよー!

いや……でも、何だか楽しいのは事実なようで。レナートさんも最後は諦めてエメラ姉さんの勇姿に拍手を贈っていた。



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