その7
「成功はしたけど…これ小さい?」
初めての魔法は成功したけれど、地図というにはどうにも…白い。
「あ、これ自分の周りだけでてる?」
よくよく見てみると自分の反応であるだろう黒の点が真ん中にあり、ほんの少しの周りしか出ていない様だった。
少し動いてみると連動するように表示される範囲が少し増えた事を考えれば自分が動いた分だけの地図を作成できるのだろう。自分で手書きする必要がなく、行った道を記録するのは迷わない様にするにはとても便利だと思うが…
「今はこれじゃないなぁ」
ふと魔力はどうなっているのか気になり、ステータスを開いてみる。
【 名 前 】 漆原 明
【 年 齢 】 15
【 種 族 】 異世界人
【 ジョブ 】 魔法使い
【 レベル 】 5
【 H P 】 95
【 M P 】 194/200
【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス
確認しながら動くとまた魔力の数値が1減ったのでマッピングしながら進んでいくのは現状無理だろう。
魔法を止めようと思うと地図がぱっと消えた。
…どうやら思うだけでいい様だけど、他の魔法の時も急に消えるんだろうか。
「感知」
薄く薄く周りに自分の魔力が広がっていく様にイメージをしながら唱える。
「…うん、分かる」
これは正解だった様で大体10メートルほどの範囲の反応が分かる様だった。
結界が張られているからか生き物がいる反応はなく、木々という障害物の反応だけである。
チラッと魔力を確認すれば、3ほど減っている。
地図は今の所使うには問題があるのでこれで移動しながら木々が途切れる所を探そうと思う。
…魔力には限りがあるので早く道が見つかるととても助かるけども。
結界が続くという時間も残り5分とない。
「…あっ!」
横側に木々が途切れる所があり、慌ててそっちへ向かうと目の前に道が広がっていた。
…考えるな!もしかしたら道に沿って森の中を歩いたかもしれないなんてない。ないったらない。
「…よし!まずは人に会いたいけど、本読みたい」
まず森を抜けるという事はクリアしたのだから、どこか村や街を探したい所だが、その前に常識を少しでも手に入れたい。
危険性が高い方を優先したが、本当は先に本を読んでここでの常識という物を少しでも知りたかったのだ。
…その場でカウントダウンが始まる前に読んでしまえば良かったのではないかと普通思うかもしれないが、結界は人避け魔物避けの効果である。時間が止まっている訳ではない。
読んでいる間にふと気づいたら暗くなっている事もあり得たし、森の中でそれは遠慮したかった。
荷物を確認する時にちらりと表紙を見たが旅人の初心者用というよりも冒険者の、といった方がいい様に見えたのだが…
【必見!初心者マニュアル】
黒地の革に白いシルエットで剣や槍を持った人が描かれている。対峙しているのは竜だろうか?火らしきものを吹いている。
歩きながら読んでみようか、道があるのだから野営地の後を確認してそこで休みながら読むか。
村等で宿で休みたいが、お金がどうなっているのか。
セットの説明で旅人等の常識本とあったから書いてあると思うし。
「…ん?」
がらがらがらっ
後ろの方から馬車が来ていた。




