その2
心の中で思う存分叫んだ後、朝食を取るために一階に降りる。
窓から見える太陽が眩しいです。
朝は畑等の仕事で皆朝早いらしく朝日が昇り始める頃には朝食の準備をするのでいつでも来て大丈夫だと言われている。
「あ、おはようございます!」
食堂に行くと昨日の女の子が挨拶をしてくれたのでこちらも挨拶をする。
すぐに朝食をお持ちしますね!と女の子が行った後、空いている席に座る。
数人また村人が朝食を取りながら座っているのを見て本当に朝早いなぁと思う。
すぐに朝ご飯が来たので食べ始める。
パンは丸く茶色の色をしているので黒パンではないらしい。
一口食べるともちもちと食感で食べやすい。
なんだっけ?…あぁ、米粉パンに似てるんだ。
……何故昨日のは固い黒パン?
スープは野菜が入っているコンソメスープです。
食べ終わるとすぐにおかみさんが昨日頼んでいたスープの素を持って来てくれたので支払いをする。
軽く礼を言いながら上に戻りお腹が落ち着くのを待ってからすぐに荷物を持って下に降りる。
出来るだけ早く街に移動したい。
一階に降りると昨日馬車に乗せてくれたゴーシュさんが欠伸をしながら壁に寄りかかっていた。
「ん?おー早いなぁ。もう行くのかい?」
「ゴーシュさん、おはようございます。はい、次の街に用事がありますので。」
「そうかそうか、じゃあ道中の道について少し説明しつやろう」
そう言うと街までの道について教えてくれた。
村から街までの道はほぼ安全で森に入りさえしなければ危険な事はないという。
ここら辺の村はそれぞれこの国ーフランカ国の主食の一部を栽培しているので援助として定期的に冒険者に間引きをしてもらっているらしい。
ミュルーの街の冒険者組合に常時依頼として国から予算が組まれて支払われているのだ。
街まで定期的な納品をしているため道もしっかり整備されており、道なりに行けば迷う事はないだろう。
「何か聞いときたい事はあるかい?」
「…すみません聞きたい事、というよりはお願いなのですが…」
ここで水を調達したいので井戸から水を汲んでいいか聞くと裏側にあるので汲んでいっていいと言われた。
良かった良かった。これで水も確保!
るんるん気分で礼を言って奥さんに鍵を返してお世話になりましたと挨拶をしてから裏側の井戸まで行く。
水袋を取り出して井戸から汲んだ水を入れた。
重いっ。と、思いながらも水をいっぱいになるまでいれる。
水がないと大変だもんな。
水袋がセットに2つ付いていて助かったよー本当に。
…後でアイテムボックスに入れる用に2つ分入れたけど重いなこれ。
置いた荷物で水袋が隠れているの確認。
窓がこっち側向きがないの確認。
人気が無いの魔法で確認。
トドメにマントに魔力を少し流しながら水袋が見えない様にしてアイテムボックスに入れる。
…だって重いんだよ!1つなら大丈夫だろうけど。2つは無理!
でも感覚的にいっぱい使ってしまいそうだから2つは欲しい、だから入れましたはい。
…人がいないのはきちんと確認したしいいか。
荷物を持って村の出口まで行く。
自警団の人に挨拶をして村から出た。
前に見える一本道で3日ほどかかると言われたのだがどれだけかかるか分からないな。
途中で寝れるかも分からないし。
…野宿初めてだ。大丈夫かな本当に。
歩きだしながら色々と考える。
魔法の練習も少ししたいけど余裕、あるかな?
「まぁ、何とかしないとなぁ」
早いが次の目的地、ミュルーに向けて出発です。