世界並行管理局 召喚科
「報告!観測班が新たな召喚を観測いたしました。今、大元を特定しています!」
「R096410での補償全て完了した事を確認いたしました。こちら書類です!」
「苦情がきています!大量に!どうします!?」
「書類はこっちに!観測班の特定が済んだら調整科に要請すぐ行ける様に手続き先に済ませとけ!!苦情?知るか!!」
異世界召喚に対してあらゆる対応をする召喚科。
総務科から文句を言われ、調整科から泣かれ、監査室から憐れまれるのがここである。
「すいません!M009600の高位生命体からF領域の人間を指名召喚したいとの要請が!」
「はぁ!?またか!100年前もしただろーが!何考えてやがる⁈」
「変化が思ったより無かったのでまた頼むと!」
「歪みがどんだけできると思ってるんだ!アホか!あそこがどんだけグラついてると!?調整科に殺されるわ!!」
基本異世界召喚をするのはそこに住む知性体である。
自分達に無い知識や技術の数々、戦力になるのを期待され世界を超えて召喚するのだ。
だが他に世界の高位生命体ー神、と呼ばれる者から要請があり召喚科が手助けする事がある。
昔はあちらが勝手にしているのを慌てて処理するだけだったのだが今は違う。
B004946ー今は無い世界だが、この世界の高位生命体は面白がって次々と間をほとんど空けずに召喚をした。
調整科による修復も召喚科の変換班による対策もしたがどうにもならない程の歪みがあり、警告はしたのだー壊れてしまうと。
だが聞く耳を持たずそんな事にはならない、本当だというのならお前達がどうにかすれば良いとさえ言って笑ってやめようとしなかった。
他にも世界がある中でこの世界だけを優先する事が出来ず目を少し離した、離してしまった時ー世界は崩壊した。
世界が滅びる等寿命によるもの以外では初めてであり、それを知る事が出来た高位生命体達は恐怖した。
大丈夫だと、荒れる事があっても崩壊する事などあり得ないと考えていた為に。
この滅びによって危機感を覚えた為に、高位生命体は必ず召喚科を通して召喚をする様になったのだ。
…止める事は無かったがそれでもある程度の分別をつける様になり、自分達の世界の者達が行う召喚にも気を配る様にはなったのだ。
世界並行管理局は勝手にされるよりはマシ、と召喚の手助けを了承した。
「一回目断って、二回目怒って、三回目余りにも駄々こねられてこっちまで通ったらしくて。対応した者の目が死んでました。」
「…そうか。頑張ったんだな、あそこのは頭が駄目だったもんな」
たまに頭がオカシイ高位生命体に悩まされてしまうのだが。
これが召喚科である。