スーファ村にて
荷台に乗せてもらって移動しながら、男性ーゴーシュさんと話をする。
といっても、こちらは相槌をうつくらいで次から次へと会話が流れていっている状況だ。
「うちの食堂はな〜スープが旨いぞ。なんせダシキノコの産地だからな!今年は豊作でな、有り余るほどだから前と比べて安くなってるな。買って行くといいぞ、街より安いし新鮮だ!それにな〜」
…こっちから宿での食事はどんな料理がでますか?とか、村に雑貨屋等はあるかどうかの話を振ったのだがいつ息継ぎしているのかな?と思ってしまう。
話によるとゴーシュさんの家では食堂兼宿を経営しているが、奥さんと娘さんの2人で経営しているらしい。
ゴーシュさん自身は他の村人と一緒にダシキノコというキノコの栽培を行なっており、今日は国境の門のすぐ近くにある砦に納品を済ませて帰ってきた所だと言う。
国境には検問があるにはあるが、質問に答えたらすぐに通してしまうので問題だと思うんだが旅人さんはどう思う?とも聞かれたが、こっちは早い方が助かりますねーとだけ返した。
愚痴混じりに話は続いていくが質問は旅人か?とからしいが、はいと言ったらすぐ通してしまうらしい。
大きな山があるから遠回りで国に来る人が多いらしく、冒険者が時々依頼で山に入る時と旅人ぐらいしか通る人がいないとか。
荷物チェックもないらしく、本当はしないといけないがここ十数年何の問題も起こってないので最近弛んでいる者が増えたらしい。
…その性で最近検問を通った人が数人ここらの村で問題を起こしているらしく、連絡して注意してもらうと近くの村を代表してスーファ村の村長が街に行ったそうで「最近配達する時に料金踏み倒そうとする奴とか出てきたからな、ガラも悪くなっていっているから早く解決して欲しいが」と溜息をついていた。
スーファ村はどうやらこの国ーフランカ国の国境のすぐ近くにある村の中で一番街に近いらしい…あっちの方に行かなくて良かった。
国境の方向に行ってしまって知らずに国を出たら大変だっただろう。
あちらに行ったら山を越えないといけなかったし。
検問の問題からしていい時に来れたのかもしれない。
きちんと確認をしていないのなら何かあって聞かれても検問をちゃんと通ったと言えば調べようがないのでなぁなぁにできるかも。
…職務怠慢はどうかと思うが。
雑貨屋は残念ながら無いらしく、いつも街に行ってまとめて買い付けているそうだ。
街の名前はミュルー
村からだと馬で1日、歩きで3日ほどかかるとのこと。
…旅慣れしていないからもう少しかかるかもしれないなぁ
結構色々知る事が出来たが考えるだけでとても疲れてしまった。
「もう着くぞー」
前を見ると少し先に村が見えていた。