世界並行管理局 総務科
バサバサバサッ
白い部屋であった。
机は黒。赤や青といった棚が壁に沿って置かれており、色が無いわけではないのに部屋に入れば白いと思わずにはいられない。
どの机にも書類が天井へと届けとばかりに積み上げられており、時々紙が宙を舞う始末。氾濫である。部屋中に書類が氾濫していた。
「報告!召喚科よりF000280からR096410へ巻き込まれ転移をしてしまった者達への補償完了の報告書が上がってきました!」
また、新たな書類が部屋に入ってきた者によって追加された事に元からいた者が発狂した。
「また、召喚科かぁぁあ!!何度目だ!今日で何度目だ!」
「今日は5度目ですねー。最近、色々な世界で召喚をする所が増えましたから」
「あ、調整科より世界壁の修復完了報告とそろそろ休暇を取りたいとの要望書が届きました〜あそこも何徹目でしょうね?あはは〜」
「笑い事じゃない!あとそれは人事科にヘルプだせ!受理だ受理!」
「え?いいんですか?仕事ありますよ?まだまだきますよ?」
「潰れたら困るだろうが!ヘルプに少し誤魔化してもらって後で完遂してもらう!」
「どっちにしろ仕事量は変わらないと…手続きしてきます!」
「…意味がな…いやうん。あー、それはそうといいんですかこれ?」
「あ?何がだ」
「この補償ですよ。何で色々と渡すんですか?我々の仕事に関係ないじゃないですか」
「ん?何言ってんだお前。」
「あー、こいつまだ研修あけたばっかりなんすよ」
「そうか、じゃあ仕方ないな。説明するとだな、歪みを無くすためだ」
「歪み?」
「そう。…異世界召喚はな、世界に穴を開けるがそれはほぼ自然に塞がっていく。だが完全じゃない、だから調整科が世界壁を綺麗に直す。ここまではいいな?」
「はい」
「穴が開く事で生じる歪みはある。だがそれよりも生命体が移動する事が一番世界に影響を及ぼす。大きな歪みができる。何故なら理が違う。構成が違う。生命体は移動した時に自らの身体に必要のない物を捨てる。そして召喚式により自らの身体に必要な物を手に入れる。…ある意味再誕だな。完全に別の生き物になるのだから。」
「…」
「たとえ精神的に同じでも生き物としての根本は別だ。異世界という括りはそのままに、不必要な物は捨てるがそのままだ。あそこは今は術は失われている様だが魔力がない訳ではない。行った先とは別物だが。異世界のはな情報量が多いんだよ。その場にある余剰分をどうにかして消費しなければならない。水に小石を投じるとどうなる?波紋ができる。それが複数、影響も大きい。だから逆に少し多目に消費し、影響を小さくするんだよ」
「まぁ、だから懐かしくは思っても寂しくなっても帰りたいとは思わないんだよなぁ」




