はじまりは森でした
…ここはどこだ?
頭がぼーっとしている中考える。
「…学校、じゃない?」
今日は、学校に登校してのんびりといつも通りに授業を受けた。うん、ここまではいい。放課後になって部活に所属していない自分は本を借りようと図書室によった、だったよな?そのはずだ。
うん、頭がはっきりしてきた。
周りを一回ぐるっと見渡す。
森である。人が通る様な道は一応見当たらない。少し薄暗く、時々木々が揺れる音が聞こえる。
本当どこだろ。外にいつでたんだ?
図書室に行ってから…どうしたんだっけ?
「あぁ、本を読みながらうとうとして…」
そう、そのまま寝てしまったんだ。そうだったな、うん。
もう一度周りを見渡す。
森である。図書室ではない外である。
…外に出た覚えはない。最後にある記憶は図書室でうとうとしながら、本を読んでいた事だけだ。
「…どこだよ、ここ」
いつの間にか森にいる。
ただこの一言である。夢にしては、頬をつかめば痛いし臭いもしている。さっき意識がはっきり起きる感覚があったし、夢の様な感じではなかった。
それに寝たなら、普通にすぐ起こされる。
図書室の先生は、カウンターにいつもいてすぐ前側に机と椅子が並べて置かれている。何かあった時のためにカウンターから全てを見渡せる様になっている。
一度奥側の席でイビキをかきながら寝てしまった時にはいい笑顔で「ここは寝るための場所ではないので、帰ってから寝ましょうね。怒ってないんですよ?ただここは、本を読むための場所なので気をつけて下さい…ね?もう用事がないのなら片付けて帰りましょうか。注意書にある通り、寝ない、静かに、丁寧にを心がける様にして下さい。…怒ってないんですよ?」と念を押しながら言われた。怖かった。
普段は、物腰も柔らかく穏やかな人である。だがあの先生は図書室は静かに本を読むため借りるためにあるのだからといつも図書室の中を注意して見ている。騒がしくする人にはすごくいい笑顔で静かに怒る。
とてもいい笑顔で。
その時の注意は寝たのが少しだけだったからか短かったが、他の騒がしくした人に説教しているのを見たことがあった。
…あの時は、怖かった。本当に。こちらが悪いのだが、心臓に悪いのだ全体的に。
うん、今は先生について考えるのはよそう。
…本当に突然に見知らぬ場所にいる。
この現象にあう推察が一つだけあるが、非現実的であるし信じ難かった。だが、それ以外にこんな所にいる理由がつかないのだ。物語の中でしか有り得ない事なのに、それしかないと考えてしまう自分がいる。
…試してみるだけしてみよう。
一言口にだすだけなのだが、緊張してしまう。
「ステータス」
小さく呟くようにその言葉を口にだす。
ぶんっと音が鳴り、目の前に半透明状の画面が出てきた。
【 名 前 】 漆原 明
【 年 齢 】 15
【 種 族 】 異世界人
【 ジョブ 】
【 レベル 】 5
【 H P 】 95
【 M P 】 200
【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス
▽
「…うわぁ」