5、充実した1日①
「茜?・・・なにしてるの?」
今日も明るい金髪にゴージャスな巻き髪のミミリー様が登場した。
「あっ。ミミリー様。おはようございます。なにってモップがけですよ?いやぁ~、モップがけなんて久しぶりですけど以外と楽しいですよ。」
「そうではなくて、何故あなたがそんなことをしているのか聞いているのだけど?」
あれ?あなたがそれ聞いちゃいます?私がモップがけをしている原因はミミリー様にも少し責任がありますよ?
「えっと、それはですね~」
私は、モップをかけながらミミリー様に説明を始めた。
今、私は、ボーゼンとしています。
先程、私に用意してくれた部屋から離れミミリー様が使っていたというお部屋に来たのですが・・・。
なんとそこは、お汚屋だったのです。
数名のメイドさんがてきぱきと片付けているにもかかわらず。
まだまだ、片付く様子のないお部屋を三人で眺めています。
「う~ん、これは凄いですねぇ。」ワン子系騎士
「どうやったら、ここまでちらかせれるんですかね?ある意味才能ですかね?」 茜
「・・・。」カイル
三者三様に述べていく。一人喋ってないけど。
「他に空いている部屋がないか聞いてくる。すまないが少し待っていてくれ。」
そう言い残してカイル様はどこかに行きそして帰ってきた。
難しそうな顔をして言いにくそうに
「すぐに通せる来賓用の部屋がないらしい、だが来賓の上級メイド用の部屋なら空きがあると言われたんだが・・・」
「ええー!それはダメですよ。団長!茜様は聖女さま候補ですよ?それを上級メイド用の部屋とはいえメイドの部屋に通すのはどうかと思います。」
う~ん。と困った顔をしている二人。
「あの~?私は、別にいいですよ?」
「いや、少し待ってくれ先程の部屋の清掃が終わればそちらに通せる。」
「それ大分かかりますよね?私、本当に疲れているんです。今日のところはその部屋に泊めさせてもらえませんか?移動は明日ということで。」
そう、私は、大荷物を持ったまま移動したり揉め事をしたりと疲れていて早く休みたかった。
「気は引けるがしかたない。今日だけ我慢してくれ。」
そうして私は、メイド用の部屋に通されたのだ。
が、以外にも居心地がよかった。先程の部屋は豪華過ぎて落ち着かなかったけどこちらの部屋は丁度いい大きさにシンプルな家具で落ちつけれたからだ。日本にいた頃泊まったビジネスホテルみたいだった。小さいけどクローゼットもちゃんとあるしベッドもあるし、シーツも清潔でとても落ち着く。ちゃんと椅子とテーブルもある。
お風呂は流石についてなかったけどシャワーはついてるし問題ない。
「なんだ、さっきの部屋より全然いいじゃん。こっちの方が落ち着くな~」
そのあと私は、シャワーを浴びてキャリーケースの中から部屋着を出して着替えるとベッドにもぐった。
すぐには寝れないと思ったけど、精神的疲労があったのかすぐ寝てしまった。
翌日目覚めた私は普段着に着替え終わると小さなワゴンに乗った朝食が届いた。それをメイドから受け取りお手伝いしますと言われたが食べ終わったら外に出しておくから後で取りに来て欲しいと伝え、部屋の中でゆっくり朝食をたべた。
朝食を食べ終えワゴンを外に出していたら1人のメイドに声をかけられた
「ねえ、あなた。その部屋にいるってことは誰かのメイドよね?
今日お休みならちょっと手伝ってよ!急なお客さんで全然手が足りないのよ。」
これが昨日の夜から今朝にかけての話だ。
「とゆーことで、人手不足ということでお手伝いをしているんです。」
「はぁ?意味わかんないけど?」
「だからですね?私が思うに急なお客様っていうのは私たちのことだと思うんですよ。だから、私が来たせいで人手不足なら手伝おうかな?と思いまして。ほら、私ひまですし?」
呆れた顔をしているミミリー様を他所に私を呼ぶ声がしました。
「ちょっと、茜!なにサボってんの?次行くわよ!!」
先輩メイドに呼ばれました。
「はーい!今行きます!じゃあねミミリー様!私この後皿洗いなの!」
「え?ちょっとまって、」
ミミリーの静止に気づかず茜はモップを持って走っていった。
ミミリーは訳がわからないまま自分の部屋に向かう途中にメイドの部屋の前で男三人が言い争っているのが見えた。
「なんで、中にいないんだ?出ていったのか?」
「荷物があるのに?出ていくなら荷物も持っていくだろう」
「じゃあ、拐われたのか?」
「部屋の扉に鍵をかけて?」
「なんで、お前はそんなに落ち着いてるんだ!」
「まぁ、まあ、落ち着いてくださいよ!」
扉の前にカイルと第三騎士団団長とワン子系騎士がいた。
ミミリーは三人に近づき声をかけた。
「何をやってるんですの?」
三人は勢いよく振り向いたがお目当ての人物ではなかったのであからさまにがっかりしていた。
ミミリーは失礼ね!と思いながら三人を見る。
「茜様が居なくなったんですよ。荷物もあるし扉にも鍵がかかってたんですけど」
「茜?茜ならさっきメイドの仕事をしていたけど」
三人は一瞬固まり「「「はっ???」」」と答えた。
それは、綺麗なハモりだったとミミリーは後日茜に答えた。