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8、悪意ある行動


私は、今ミミリーのお部屋で朝食を頂いています。何故かって?

それはですね。朝早く起こされたからです。


コンコンコン。コンコンコン。


ん?なんの音?


部屋をノックする音でまだ、重たい瞼を開けて起き上がる。


「茜様。起きていらっしゃいますか?」


呼ばれている声がしドアを開けると上品なメイドがたっていた。


「お早う御座います、茜様。朝早く申し訳ございません。ミミリー様が朝食を是非ご一緒したいとおっしゃっております。ご一緒に来ていただけませんか?」


朝食のお誘いですか・・・。早くないですか?多分今6時ぐらいです。


「ミミリーがですか?」


「作用でございます。」


断ると後が五月蝿そうなので行くことにしました。


「今起きたばかりで準備するので少し待ってもらえますか?」


そう言って私は準備して今ミミリーのお部屋にいます。相変わらず汚部屋です。


「ミミリー、朝食誘うの早すぎない?」


「だってあなたいつも早くから部屋にいないじゃない」

そう言ってミミリーは優雅に紅茶を飲んでいる。さすが侯爵令嬢だ、仕種が優雅だ。


「何故か朝食のワゴンを外に出そうとすると女の子に誘われるのよね。でも、私は楽しいから全然いいんだけど。食堂の人たちには優しくしてもらってるし。」


そう言うとミミリーがその事なんだけどといい始めた。


「茜。その見習いメイド悪意があるんじゃない?」


「悪意?」


「だってそうでしょ?茜は聖女候補なのよ?見習いメイドじゃないわよ?それに、カイル様がちゃんと料理長や執事頭に話をしてそれからメイドたちに話しているのよ?茜が来たら手伝わせてやって欲しいって。メイドではないができるだけ本人の希望を聞いて欲しいって。後は危険な仕事や一人になるような仕事はさせないで欲しいって。なのに部屋まで誘いに来るなんて悪意があるとしか思えないわ。それに、この間は草むしりさせられたんでしょ?」


「ああ、ガープじいさんの畑ね。今日行ってみようかなぁと思っているんだけど。」

それにカイル様がそんな風にしてくれてるなんて知らなかった。後でお礼を言っておこう。


「それに、まだあのメイドの部屋にいるんでしょう?」


「そうですね。あの部屋結構気に入ってて 。それに、部屋引っ越してる時間ないんだもん。」

カイル様は荷物は勝手に運ぶと言ってるけどそれは自分で運びたいし、それに用意される部屋は豪華すぎて落ち着かないんだよね。


「あの部屋に住んでるから余計誤解されるっていうのもあるから茜にも悪いところがあるわね。」

ため息混じりにミミリーが言いました。そもそも、私の部屋あなたが取りましたよね?


「まあ、いいじゃないですか。害はないんだし。」


「害はあると思うわよ?」

なに言ってんの?と言う顔でミミリーが見てきますがスルーします。

その後もミミリーとお喋りしながら朝食をいただき部屋に戻りました。すると、しばらくするとコンコンとノックの音がしました。ドアを開けるとそこには、いつもの少女が立っていました。


「なにやってるのよ!朝、迎えに来たらいなかったわよ?」


「ミミリーに朝食を誘われたから、そっちで朝食を食べていただけよ。」


そう答えると明らかにむーとした顔になりました。


「どうして、あなたがお客様に朝食を誘われるのよ!サボるにしてももっといい嘘言いなさいよ?!」


「嘘ではないし、どうしてと言われてもミミリーと友達だからかな?」


「身分が違うでしょう?友達なんてあり得ない!それに様をつけなさいよ!」


「えぇ~?付けなくていいって本人が言ってたからいいよ別に」


そう答えると益々怒り始めた。なんなんだ。そして気づけばトイレ掃除をさせられていた。まいっか。


トイレ掃除は一人ではなく数人でするらしく他のメイドさんとお喋りしながら掃除して個人的には凄い楽しかった。トイレ掃除というより、お喋りできるのが凄い楽しい。会話は単純な内容だった。トイレ掃除当番は嫌だとか、お貴族様が我が儘だとか、騎士様にお会いしたとかそう言うたあいない会話が今の私には凄く楽しく聞こえた。

トイレ掃除を終えお昼を少し過ぎたけど皿洗いがあれば手伝おうと思い食堂に行くと女性の怒鳴り声がした。

「ちょっと!遅かったじゃない!もう、お昼回ってるわよ!早く皿洗いしなさいよ!愚図!」

怒鳴り声の犯人はあの赤茶色の髪の少女だった。流石にカチンときたけど洗い場を見れば食器が溜まっており他のメイドさんが困っていたのでいつものように洗い始めた。

回りのメイドさんや料理人見習いのかたが彼女に向かっていい加減にしなさい。と注意してくれているがそんな忠告は耳に聞こえないのか彼女は何故か私を睨んでいた。


私は何時ものようになれた手つきでジャブジャブ洗っていく。洗い物の山がドンドン減っていき清々しくなっていった。


「やっぱり茜ちゃんがいるとちがうわねー」

「いつも、ありがとうなー。また、頼むよ」


と食堂にいる方たちに誉められ自分の居場所が出来たみたいでいつも嬉しかった。

洗い物が終わり賄いを食べようとすると手を引っ張られて

「次は食料庫の整理よ!」と半地下の洗い場から地下の食料庫へほうり投げられた。

その様子を見た他のメイドさんたちが慌てて何処かへ走っていった。誰かを呼びに行ったらしい。

あ~らら。知らないんだから!

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