16.全ては演じる舞台の上のマリオネット(1)
神様「ふぅ、ハハハハハ……おとなしく聞いておったら、由宇とやら……おぬし、わがままが過ぎるのう」
由宇が、毛布を被り人生を悲観していると、嘗て、悪魔が飛んできた窓際から、変な声が聞こえてきました。
思わず、毛布から顔をあげるとそこには……なにもいません。……けれど、そこには何かいる……それが由宇にはわかっていました。……幼い頃に様々なオカルト体験をしてきた由宇には馴染みのある空気がそこにはあったからです。由宇は、びっくりしましたが、悪魔や幽霊やお化けたち、もしくはポルターガイスト現象の時とは違い、恐怖は湧き上がってきません。由宇は首を傾げます。今まで感じたこともない心地よさがそこにはありました。
神様「ほう、私の雰囲気から緊張を解くとは……さすが、サタンすら追い払った子よのう。それなりの力はあるように思える。力はあっても使いこなす能力がおぬしに備わっておらぬのはおぬしにとっての不幸と言えるがのう」
由宇は、じっと何もない空間を見つめます。聞こえる声は、今まで聞いたどのような声よりもあたたかで心地よく、由宇はうっとりとしました。
17.全ては演じる舞台の上のマリオネット(2)へ続きます。




