12.思い出すことも嫌な関わりのはなし
長い人生の中で、出会いたくなかったわ……という方、皆さんにもおありだろうか?私は結構あるのだけれど、あんまり、思い出したくはなかったりする。前回の彼は、まぁ、憎々しいが会えて良かったと思えているのだけれど、中には本当に会いたくなかった人というのもやっぱりあったりする。今回は、そういうものに対して光を当ててみようと思う。
まぁ、これも、彼ではあるのだが、こやつは非常に嫌な奴だった。具体的には、人として最低な奴だった。……そんな最低な奴と関わってしまう経緯はあまり思い出したくはないのだけれど、当時私は、非常に死にたかったのだ。死にたい人が最低な人と出会う理由は、なんてことはない。私は自分で死ねないものだから、当時、非常に自暴自棄だった。……つまり、まぁ、嫌な奴であるが故に憎しみを向けやすい相手だった。うん。私も書いてて最低だが、まぁ良い。いいやつだったら、喧嘩すれば罪悪感で死にたくなるが、嫌な奴なら何とも思わないだろう。そういった意味で私は、当時、非常にドライに、彼に憎しみを向ける対象として利用していたのだと言える。彼は彼で、色々あったのだろう。奴の思いは気持ち悪すぎて想像したくもないが。
ただ、彼はなんというか、最低な奴故に……と、言えばよいのか、修羅場を結構経験している傷だらけの奴ではあったらしく、彼のエグイ話に、私はそのうちに情を感じるようになってしまっていた。
おお、雲行きが怪しいぞと思ったそこのあなた。その通りですよ~。人は関わればどんな奴相手であっても情は生まれるのです。最低な奴相手でもね。
まぁ、あまり書くと、自分が耐えられなくなるし、色々と控えるけれども。
嫌な奴だったけれども、甘ちゃんな私の知らない世界の話は純粋にすごいとは思っていたりもしていた。
……なんというのかな、こういう視点や、見方があるのか……という見方を与えてくれたのは彼だったともいえるのだと思う。
まぁ、大っ嫌いだったがな!
まぁ、彼にとっても嫌な出会いであっただろう。何故関わっていたのかというと、私の闇が原因なのだけれども。そういった意味で、心の中の状態は完璧に人との出会いにリンクするものなのだという好例だといえる。良い出会いと思えるものも、嫌な出会いと思えるものも、自分が結局は引き合わせていると思えば、選択の連続なのだろう。そういうものなのだろうなって思ったりもするのだ。




