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11.強さと恐怖

 強さとはなにを指し、恐怖とはなにを指すのか。私は、常々、子供の頃から、本当に強くなりたかった。……強く、というと、力というイメージと結びつくのだろうが、そう、私は、力が欲しかった。力、と、言っても、様々なイメージを持つ力があるのだと思う。私がイメージしていた力は、心の強さだった。私は、子供の頃、……ひどくなんというか、ものすごく大きなストレスに晒されており、小学校の帰り道に夕焼けを見て、唐突に死ぬこととは、全てが感じ取れなくなる状態のことをいい、無になることをいい、無になれば私は私が今感じていることすらわからなくなったしまうのだ、と唐突に理解し、(真っ黒なイメージだった)夕日を見ながら嗚咽を抑えて号泣しながら帰ったことがあるほどにはやばい状態の子供だった。当時、私は、物心ついた頃から、オカルト的な現象という幻影にとりつかれており、ポルターガイストという幻聴や現象に会わない日はないほどで、夢では悪夢ばかりを見、(悪夢で足を引っ張られ引きずりまわされるリアル感は今でもはっきり覚えている)夢と現実の堺が曖昧になるほどには、そういったことに悩まされる感受性が強すぎる子供だった。親からのストレスもものすごく、家庭と外で二面性をつくることを早いうちから覚え完璧に人から求められる自分を演じようとしていた私は、ひどい緊張感の中に自らを置いていたのだと思う。今でも覚えている数々のオカルト現象は、今思い出しても、実際にリアルであったとしか思えないほど生々しいものだった。日本人形は部屋を飛び(風付き)人を呪えば、窓が開き、悪魔(赤子の黒い塊みたいなものが現れた)がベットに寝ころび、夜中に行き成りベットの上の窓が(格子がはまっているのに)開き、冷たい雨が入ってきたと思ったら、寝ている私の上を歩いていく感触がある、夜中にタロットカードをしていれば、急に雨が降り始め、私側の壁を数十もの手形がものすごい音を立ててどんっどんっとたたかれまくる。実際に手形がいくつも浮き上がっていた。外からは大の大人でも手が届かない位置にも。夜中に目を覚まして、窓から外をちらりと見れば、お墓から一本道の前の道路を妖怪の行列がつらつらと歩いている。それはもう多種多様で、悪夢で、妖怪から幽霊からわぁっと自らに近づいてきたときには、あり得ないと思った。そういった幻影を見ていた私は、兎に角、自らの弱さが嫌いだった。心の弱さだ。人に合わせることに本能的に嫌な感じを感じていたのだと思うし、私は自らが優しいと言われることが多かったのだが、本当の優しい人は私みたいなはずじゃないはずという思いから、本当の優しい人や、私みたいに汚くない本当に綺麗な純粋な人に出会いたいと当時から切に願っていた。同時にお化けなど居る筈がないのにも関わらず目撃する自分もすごく弱いと感じていて、幽霊などこの世に存在しないのだと、思い込もうと努力した。深層心理にも思い込ませられるようになれるように本当に強く言い聞かせ続けた。そのかいあってだろうか、私のオカルト体験は、大きくなるにつれてなりを潜め始め、落ち着きを見せ始めた。極端な現象も起きなくなり、夜の世界を怖がらなくもなるようになっていった。……死にたいという感情は、強くなる一方だったが、それはまた別の話だ。

 そういったもろもろで、私は、心の強さや、心の綺麗さを目にしたいという欲求がとても強い。そして、怖さ……潜在的な恐怖にとても弱い。耐性は一生懸命身に着けてきたつもりだけれども、それでも、時折、怯えるのだ。多分きっと一般的な感じ方ではないものに恐怖を覚えるのだと思う。

 色々な克服をしてきた方が世の中には数多くいらっしゃるのだろう。そのような方は、すごいと心から思います。……私は、未だに心の強さを身につけられてはいないし、恐怖に打ち勝って、心の綺麗さを見つけられてもいない。

 いないのだ。

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