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運は剣より強し! ハルの気ままな生産生活  作者: おでんのたまご
第2章 ジェプロの世界にようこそ
25/25

第025話 マイホーム建築許可証ゲットです

よろしくお願いします。

 4月23日水曜日です。


 今日の夕飯で披露された話はモンスターの狩り場についてでした。


 ゴーストの街までたどり着いたプレイヤーは全員ロクストの街を目指していると思いきや、迷宮ダンジョン狩り場フィールドと呼ばれる場所でモンスターと戦っているそうです。というのも、街道を封鎖している遺跡は狩り場フィールド型で他のパーティとモンスターの取り合いになるんだそうです。


 ちょっとその話を聞いてヒヤリとしました。あやうくNPCあっちの冒険者を大量に送り込んでしまうとこだったかもしれません。


 ◇


 ログインしました。


 サンスト:14時50分41秒

  東日本:20時50分41秒


「よお、嬢ちゃん」


 サンストの街、安定のポリスさんです。

 ヒョークさんはまだいませんね。





「やあ、待たせたかな?」


 10分くらいしてヒョークさんがやって来ました。


 待っている間にポリスさんと話をしていたんですが、ポリスさんがこの時間帯にいつも広場にいるのは、この街にやってきたプレイヤーが困っていたら助けるためなんだそうです。NPCこっちの人にとってプレイヤーという存在は『邪神が喚んだモンスターを倒すために神様が招いた異世界の住人』なんだそうで、わざわざ危険を冒してこの世界のために来てくれていることに、この世界の人たちは感謝しているんだそうです。


 この話を聞いてちょっと微妙な気持ちになってしましました。なんともプレイヤーに都合の良い話ですよね。頼りっぱなしのわたしが言えることではないですが。


「ん? どうかした?」


「あ、いえ、なんでもないです」


「そう? 許可証は持ってきたよ」


 ホントに持ってきてくれたみたいです。


 アイテムボックスから王様の像を取り出します。


「昨日も思ったけど、貴重なアイテムを見せるときは交換窓を使った方が良いよ」


 交換窓?


「呼び方が違うのかな? これだよ?」


 ヒョークさんがそう言うと、わたしの目の前にメニューのような半透明のパネルが浮かびました。ヒョークさんの前にも浮かんでます。パネルの中に枠が2つ左右に並んでいて、右下に「決定」というボタンがありました。


「えっと、初めて見ました」


「そうなんだ……。これをこうして」


『マイホーム建築許可証』

売買不可

フランゼシカ・バドザバードがハルのマイホームの建築と居住を許可する。


 ヒョークさんが何か操作すると、左側の枠に『マイホーム建築許可証』が表示されました。なるほど。このパネルを使って交換するわけですね。


 像はどうやって入れるんでしょう?


「もう一度確認なんだけど、本当にその像と交換するの?」


「でも、指輪はダメなんです」


「あ、いや、ごめん。そうじゃなくて。指輪も像も本当は要らないんだよ」


「でも審査がいるんですよね?」


「うーん、それなんだけど。この世界は、神様は、なぜか・・・『旅人さん』にとても好意的なんだ。だからこの審査も『旅人さん』を苦しめるためのものじゃないんだ。なんていうかな、楽しんで苦労してもらうような感じかな。だから審査なんて有って無いようなものなんだよ。強いて言えば、僕が今ここにいることが審査に通ったということかな。ポリスさんが僕を呼び出して、僕も興味をひかれた。それで充分なんだよ。ハルさんが何か・・を持っているのは確かだしね」


 よくわかりません。


「まあ、難しくは考えないで。僕がその像を欲しいのは確かだから。交換してくるとすごい嬉しいよ」


 そう言ってニヤリと笑います。

 とりあえず、その笑いは止めた方が良いと思います。





 ヒョークさんに教えてもらいながら交換窓を操作します。基本はアイテムボックスと同じですね。「決定」ボタンを押してしまうとアイテムの追加しかできなくなるそうです。


『右手を上げた青年の像』

若き日の国王の像。超レア。


 右側のリストに像の名前が追加されました。


「ありがとう……。じゃあ、これはお釣り。許可証だけじゃ釣り合わないから」


『金の卵』

金でできた卵の形をした置物。


『銀の卵』

銀でできた卵の形をした置物。


「これは、オマケ」


『最高級調理セット』

調理に必要な道具一式。最高級品。


『最高級調薬セット』

調薬に必要な道具一式。最高級品。


『最高級調合セット』

調合に必要な道具一式。最高級品。


『最高級錬金セット』

錬金に必要な道具一式。最高級品。


『最高級細工セット』

細工に必要な道具一式。最高級品。


『最高級木工セット』

木工に必要な道具一式。最高級品。


「あと、冒険者ならこんなのも要るんじゃないかな?」


中級ミドル解毒アンチポイズン水薬ポーション』x5

品質:C

毒・猛毒を治す。


中級ミドル軟化アンチハード水薬ポーション』x5

品質:C

麻痺・石化を治す。


 ヒョークさん側の枠に、どんどんとアイテムが増えていきます。


「あの、こんなに良いんですか?」


「良いんだよ。この像はね不用意に世に出て良いものじゃないんだ。他の像は回収したって言ったでしょ? 脅すようになっちゃうから言えなかったけど、もしハルさんが交換してくれなかったら、この像も国から強制的に回収って話になってたかもしれないんだ。もちろん何か対価はあるだろうけど。国としても『旅人さん』にそんなことはしたくないだろうしね」


 なんと。


 そんなややこしいことにならなくて良かったです。やっぱり呪いのアイテムですよね。


「あと、全然関係ない話だけど、実は僕はこの像を作ったシアさんの大ファンでね。シアさんの作ったものは色々と集めてるんだよ。さすがにこの王様の像は手に入らないと思ってたんだけどね。あ、全然関係のは無い話だよ?」


 そう言ってまたニヤリと笑いました。


 ◇


「『マイホーム建築許可証』は、商業ギルドで土地を買うときに見せて、買った土地にマイホームを建ててもらうと良いよ。当然、建築費は土地代とは別にかかるけどね」


 建築費!

 そんなのが要るんですね……。

お読みいただきありがとうございました。

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