第020話 ポリスさんはいつも広場にいます
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サンスト:14時17分28秒
東日本:20時17分28秒
ログインしたらサンストの街の広場でした。これはたぶんサンストの街でログアウトしたからですね。
昨日の時点では、攻略の進み具合を確認するためにゴーストの街に行ってみようと思ってましたが、その話はナツから聞けたので、今日はNPCの強い冒険者の人を探してみようと思います。大勢雇って人海戦術でロクストの街への街道を解放してもらうのです。
◇
「嬢ちゃん、ゴーストの街に行ったんじゃないのか?」
ポリスさんです。
ホントいつも広場にいますね。
「攻略の様子を見に行ってみようと思ってたんですが、弟から話が聞けたので今日はNPCの強い冒険者の人を探す予定なんです」
「強い冒険者? この世界の?」
「はい。わたし達はこの世界に来たばかりですし、NPCのベテラン冒険者の人の方が強いと思ったのですが……」
「そうだな。確かに『旅人さん』は邪神とそのモンスターを倒すために加護を与えられててずいぶんと成長が速いそうだが、それでもこの世界の冒険者の方がまだまだ強いだろうな」
おお。
予想が当たってたみたいです。
でもプレイヤーって邪神とかを倒すための存在だったんですね。
「わたしは土地を買って牧場とか生産とかしたいんですが、わたしも戦った方が良いんでしょうか?」
「いや、生産も大事な仕事だぞ。『旅人さん』は死にそうになっても元の世界に戻ってしばらくこの世界に来れくなるだけだから、結構無茶なことをするやつが多い。自分より上位のモンスターにもホイホイ突っ込んでいくし、ダメージを受ける前提で攻撃するから、薬の消費も激しい。だから薬が品薄になってきている。この世界の冒険者は死んだらそれまでだからな、薬が品薄の状態で行動が制限されちまってる。だから生産専門の『旅人さん』がいればありがたいのは間違いない」
ならよかったです。
「この世界の強い冒険者の人を知ってます?」
「最近活躍してる冒険者って言うと『大樹の護』か『水都の里』だな。どっちも若い冒険者のパーティだが、実力はピカイチだ」
そんなすごい人たちがいるんですね。
雇えたら良いのですが。
「冒険者の人にはどこに行ったら会えますか?」
「冒険者なら冒険者ギルドだろう? ほら、この街の冒険者ギルドならそこにある」
ポリスさんが指さしたのは、商業ギルドから広場を挟んだ向かいにある二階建ての建物です。商業ギルドが三階建てなのでちょっと小さいですね。
「で、強い冒険者を探して、どうするんだ? どっかの迷宮に挑むのか?」
「ロクストの街への攻略に参加してもらいたいのです」
「なるほどな。『旅人さん』は街道が封鎖されてから招かれたから大変だが、オレ達はポータルで移動できるからあまり街道の解放には関心をもってないからな。この世界の強い冒険者をパーティメンバとして雇って攻略に加わろうってことか。考えたな」
「あ、いえ、わたしは戦えないので大勢の冒険者を雇って攻略してもらおうかと」
「は? つまり金だけ出してってことか? 確かにそういう手もアリだが、数人雇ったところであまり効果はないと思うぞ。というかそんな金があるのか?」
「500万Gくらいなんですが」
土地を買うために残しておかないといけないので半分だけです。
「なっ……」
ポリスさんが固まってしまいました。
もしかして全然足りないのでしょうか。NPCの冒険者の人は命がけって言ってましたもんね。
お読みいただきありがとうございました。




