表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/25

第013話 住民モードを有効にします

よろしくお願いします。

「じゃあ、実際に『防具』を装備・・してみましょうか。メニューを開いて『装備』を選んでみて」


 あれ?


「メニューってどうやって開くんですか?」


「あ、フルダイブ型は初めて? この手のメニューは開こうと思えば・・・開くわよ」


 そうなんですか!


 ……メ、メニューよ開け!


「わっ」


 目の前の空間に、ノートくらいの半透明なパネルが浮かびました。ファンタジーですね。


「ふふふ。体だって思い通りに動くでしょ? どっちも同じよ」


 そう言われても不思議な感じがします。


 メニューのパネルには左側に『アイテム』『アクティブスキル』『ステータス』『装備』『フレンド』『設定』『ログアウト』という文字が、右上には時刻が2つ表示されていました。『アイテム』『アクティブスキル』『フレンド』『設定』は、文字の色が暗くなっています。


「時刻が二つあるでしょ? 左側がゲームの中こっちの時刻で、右側が現実あっちの時刻よ」


  ??:23時22分35秒 

 東日本:23時22分35秒


 なんで二つあるんでしょう?


「この空間は別だけど、ゲームの中こっち現実あっちは6時間ずらしてあるのよ。ほとんどのユーザが夕方から夜にかけてプレイするわけだしね」


 確かに夜にログインして周りが真っ暗だったり、お店が閉めってたら困りますね。


「NPCも生活してるから、ゲームの中こっちで夜の時間帯は閉まってる店が多いわ。ただ、天候はまだ実装されてないからずっと明るいけどね」


 ◇


「メニューを開いたら『装備』を選択してね。慣れれば目線とかで操作できるけど、まずはデバイスみたいに指で操作するのが良いわよ」


 『装備』の文字をちょんと押します。

 装備品のリストが表示されました。



『青いワンピース』※

防具:胴・腰 防御力:1

深い青色の可愛らしいワンピース。


『角兎の革鎧(胴)』

防具:胴 防御力:5

ホーンラビットの皮から作られた白いベスト型の部分鎧。


『角兎の革鎧(腰)』

防具:腰 防御力:5

ホーンラビットの皮から作られた白いスカート型の部分鎧。


『角兎の革靴』※

防具:脚 防御力:5

ホーンラビットの皮から作られたファーの付いたブーツ。


『神与の守秘指環』※

装飾品 鑑定無効 譲渡不可 破壊不可



「今身につけている装備品が並んでるでしょ? 胴と腰は先に選んだワンピースを装備・・したことになってるの」


 名前の横にある※マークが装備・・してるってことですね。試しに『角兎の革鎧(胴)』を選ぶと、※マークが移動しました。『角兎の革鎧(腰)』も選んでおきましょう。


「重ね着するとき、とくに服の上に何か着るときは、装備・・を移すのを忘れないようにね」


 ◇


「次が最後ね。ゲームを進める上での3つの設定があるわ。後からでも変更できるんだけど、キャラクター作成の項目だから説明してくわね」


 あれ?

 もう1つ特典がありませんでした?


「まず、痛覚設定。痛みをどれくらい感じかね。といっても、未成年は最大で20%までなんだけど」


 痛みですか。

 できるだけ少ない方が良いですね。


「痛覚設定を高くすると、防御や耐性系のスキルの習得・成長が良くなるのよ。ほんのちょっとだけだけどね」


 そう言われても痛いのは嫌です。

 でも、痛みで起きたりしないんでしょうか。


「良い手法が開発されたのよ。『痛い!』と感じるんじゃなくて、『いま痛かった!』って感じるのよ。だから痛みでショック死するようなこともなしし、目が覚めたりもしないわ」


 よくわかりません。


こだわりがないなら5%くらいにしておくのが良いわね」


「じゃあ、それでお願いします」


「はい、……っと。じゃあ次は名前の公開設定ね。何か大きなイベントを達成したときなんかに、サーバ内のユーザ全員に向けてメッセージを出したりするの。そのときに、名前を載せるかどうかね。公開だと『ハルが○○を達成しました』になって、非公開だと『とあるプレイヤーが……』になるわ」


「非公開で!」


 わたしの名前が出るようなこと無いと思いますが、当然非公開です。


「じゃあ最後ね。これはあまりおススメしないんだけど、実験的な設定で『住民モード』ってのがあるの。正式には『仮想生活バーチャルライフオプション』って言うんだけど、ゲームの中こっちの住人の気持ちになってプレイするモードなのよ」


 なんだか面白そうです。

 なんでおススメじゃないんでしょう?


「もともと、このゲームはリアルっぽくするためにNPCやモンスターの頭にカーソルとかは出ないし、HPのゲージやレーダーのような地図も表示されないわ。このオプションを有効にすると、さらにログアウト以外はゲームの中こっちの住人と同じことしかできなくなるの。NPCも世界の仕組み・・・・・・としてメニューは使えるけど、自分のステータスも見れなくなるし、フレンド機能も使えなくなるのよ」


 ふむふむ。


「かなり不便になる代わりにNPCの好感度が上がり易くなったり、レベルアップ時の能力値の上昇やスキルの習得・成長が良くなったりするの。だから、1%未満だけど有効にしてるユーザもいるわ。仲間との連絡が不便になるし、パーティチャットとかも使えなくなるから、ほとんどはソロって話だけど」


 好感度が上がり易いのはありがたいですね。前にやってた牧場のゲームは、好感度を上げるための贈り物攻撃がすごく大変だったんです。


「ここで決めなくても、後から設定することはできるのよ。ただ、1回設定するとメニューから『設定』自体が使えなくなってしまうから、戻すことができないのよ」


 あまりデメリットも感じないですし、忘れちゃいそうですからここで有効にしちゃいましょう。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ