第010話 ボーナスポイントを割り振ります
よろしくお願いします。
お姉さんが選んでくれたスキルは、生産系として【調理の才能(8)】【調薬の才能(8)】【調合の才能(8)】【錬金の才能(8)】【細工の才能(8)】【木工の才能(8)】、【幸運】関連で【幸運強化(5)】【風水術の才能(8)】【風水術:運気上昇(8)】【支援魔法の才能(20)】【支援魔法:幸運上昇(10)】でした。基準がサッパリわからないですが、お姉さんも満足気ですし、きっと良い感じなんだと思います。ちなみに、カッコの中は使用するボーナスポイントだそうです。こうして見ると、支援魔法はお高いですね。
「じゃあ、決定するわよ」
《スキル【調理の才能】を取得しました》
《スキル【調薬の才能】を取得しました》
《スキル【調合の才能】を取得しました》
《スキル【錬金の才能】を取得しました》
《スキル【細工の才能】を取得しました》
《スキル【木工の才能】を取得しました》
《スキル【幸運強化】を取得しました》
《スキル【風水術の才能】を取得しました》
《スキル【風水術:運気上昇】を取得しました》
《スキル【支援魔法の才能】を取得しました》
《スキル【支援魔法:幸運上昇】を取得しました》
◇
ようやくボーナススキルの割り振りも終わりました。
次は何でしょう?
そして、いま何時なんでしょう?
「現実だと23時ちょい前ね」
あれ?
まだそんな時刻なんですか?
20分くらいしか経ってないんですね。
「ここも『作業場』と同じような空間だから、現実と時間の進み方が違うのよ。貴方は思考加速の適性が高いみたいし、私だって低くないから4倍くらいは出てるんじゃないかしら?」
時間の流れが違うんですか!
ファンタジーですね、科学の力なんでしょうけど。
「4倍ということは、こっちでは1時間以上経ってるんですか? そう言われるとそんな気もするんですが、そんなに経ってない気もします。少ししか眠くなってないですし?」
わたしはいつも23時には寝てるので、1時間も経ってたらもっと眠いはずです。
「あら、ホント? 貴方、耐性も高いのね」
耐性?
「さっきちょっと思考加速の話をしたでしょ? 『作業場』や『工房』みたいな限定エリアは時間の進み方が現実と違うの。迷宮なんかもそうね。思考加速の適性が高いと、その比率が大きくなるのよ。もちろんそのエリアにいる一番比率の低い人に合わせられるし、体調や接続時間にも影響されるから常に一定ってわけじゃないけど。で、例えば『工房』だと現実の1時間が、理論上最大で24時間になるの。でも現実の身体はそのままだから、その状態が長く続くと脳がギャップに参ってくるのよ」
なんか難しい話が始まりました。
「思考加速の耐性は、加速した時間に長時間耐えられるかどうかってことなの。耐性が高いと加速しても『そんなに経ってない気がする』のよ。脳が適度にオミットするのね。耐性が低いと体感時間が減らないから、時間が経過するごとに加速の比率が下がっていくの」
「適正と耐性が高いと何ができるんですか?」
「そうね……。ソロなら迷宮に長時間篭れるわね。あと、作業場とか工房にも長時間篭れるわね」
篭ってばっかりですね。
「モンスターの動きが止まって見える、みたいなことはないんですか?」
「ないわね。貴方と同じエリアにいるモンスターは、貴方と同じ時間の中で動くだけよ」
ちょっとすごいかなと思ったんですが、微妙ですね。残念です。
「自分だけが高くても、他の人が低かったら効果がないから、通称『ぼっち適性』って言われてるわ。もちろん低いより高い方が良いんだけど、個人差の原因もハッキリしてなくて、適性の高さを自慢しても、妬まれて『ぼっチート、乙』みたいな反応されるわよ」
お読みいただきありがとうございました。
すみません、話が全然進みませんでした。




