おしえてルヴィエラ
更新がまたも遅れてすみません。
今回からルヴィエラとの漫才をお楽しみください。
悪夢のような……という表現がある。
現実において、まるで悪夢を見たかのようなことが起きる事象を指す言葉であり、この言葉はまさしく「悪夢」よりも悪夢染みていると言える。
なんせ、悪夢は夢から覚めてしまえば暖かい現実が待っているのに対して、悪夢のような現実は、その現実と向かい合い、立ち向かわなくてはいけないのである。
そう、例えば――
「ひぐぅ~! ひっはふぅ~!」
目覚めて最初に見る光景が、ロープで簀巻きにされた上に猿轡を噛まされて宙吊りにされている変態少女であることとか……。
殺風景な宿の一室が、ルヴィエラのせいで淫猥な調教部屋に早変わりである。
昨晩、発情したルヴィエラにあわや貞操の危機を感じたトレインは、インベントリからロープを取り出して彼女をぐるぐる巻きに縛った。本来ならロープでごとき不死者の王たる吸血鬼をどうこうできるわけもないのだが、そこはドMの変態。
“そういうプレイ”だと見事に勘違いし、大人しく縛られてくれた。
あとは、聞くに堪えない言葉のオンパレードだったので猿轡を噛ませ、下手に動かないように宙吊りにしたわけなのであるが……
「うわぁ…………ないわぁ」
一晩中宙吊りにしていたせいか、ロープが良い感じに締まったのだろう。適度な痛みに悶え悦び、不気味に釣り上がった口の端からはよだれが垂れ、ふんがふんがと鼻息を荒くし、トリップした目でビクンビクンと震える姿はまさに変態。
これが自分のヒロイン候補なのかと思うと泣きそうになってくる。
現実って異世界に来ても非情なんだなあとトレインは諦観に似たため息をついた。
いつまでもルヴィエラをあのままにしておくわけにもいかないので、トレインはベッド横に立てかけていた剣を引き抜いて、ルヴィエラを拘束するロープを切ってやった。
重力に引かれるままルヴィエラの体が床に激突する。
優しく受け止めてやってもよかったのだが、痛い方がルヴィエラの好みだろうしいいだろう。
「ひぎぃ! ああ……朝から甘美な刺激が…………とってもイィ」
ふるふると身悶えるルヴィエラだったが、トレインの視線を感じたのか、ぱっと立ち上がり居住まいを正すとぺこっとこちらに頭を下げた。
「おはようございます、ご主人様。素敵な朝ですね」
「ああ、うん。おはよう」
まるでオンオフのスイッチでもついてるのかと思うような変わり身にトレインが若干面食らった表情で返事を返す。
そんなトレインの反応がおかしいのか、ルヴィエラがくすくすと笑みを浮かべる。
「もう。ボクがまともな挨拶をしたら変ですか?」
「あ、いや。そういうわけじゃないんだけど」
「うふふ、いじめてください! とか言ったほうがいいです?」
「普通にしてくれるほうが助かるな……」
「ですよね。ごめんなさい。昨日はうれしくてちょっとはしゃぎすぎちゃいました。これからずっとご主人様とは一緒にいられるんだもん。ご主人様の迷惑になるようなことはしないですよ…………たぶん」
「そこは絶対にしてくれよ…………」
ぺろっと舌を出して小さく笑うルヴィエラ。
おどけた仕草が妙に似合っている。
年中無休ノンストップで変態じゃないみたいでこっちも安心だ。
「あのさ、ルヴィエラ。一個聞きたいんだけどさ」
「はい。なんですか、ご主人様?」
こてんと可愛らしく首を傾げる。
ビスクドールのような愛らしさと、少女特有のあどけなさが融合した見事な仕草だ。
世の男子が見たら一発で悩殺されそうだ。
かくいうトレインもルヴィエラの変態行為を見てなお、一瞬ぐらっときたくらいだ。
「昨日はなしくずし的に奴隷契約なんかしちゃったけど、本当によかったのか? もっと他の選択肢もあっただろ」
一晩経って多少冷静になったからこそ思う。
ルヴィエラの過酷な人生を思うと、ルヴィエラが本当に欲しかったのは対等に接することが出来る友人のような関係だったのじゃないかと。
ヒロイン案の中に描かれていたのは二人が運命的な出会いをするシーンだけで、二人がどんな思いや感情を抱いたのかまでは書いていない。だから、これはトレインの単なる思い込みに過ぎないのだが、出会って初日で「奴隷とご主人様」の関係はどう考えてもおかしいと思うのだ。
そこのところをルヴィエラはどう考えているんだろう、ふと疑問に感じたのだ。
「ん~、ボクは今幸せですよ? それでいいんじゃないですか?」
あっけらかんと言うルヴィエラ。
すがすがしいまでのはっきりした回答に、思わずトレインは絶句する。
そんな簡単でいいのか? ていうか、奴隷って本当にいいのか?
ただの書類の契約と違い、この世界の契約は魔力による強制能力を持つ。主であるトレインが「死ね」と命令すれば本当に死ななくてはいけない、のに。
「だって、ご主人様がいい人なのは昨日のことだけでもよく分かりますもん。ボク、伊達に不幸な人生歩んでないですよ?」
えへへ~と笑ってルヴィエラは嬉しそうに自分の首輪を撫でた。
やばい、めっちゃ可愛い。
なでくり回したい。
でも、今は我慢だ。まだルヴィエラとは話さなくちゃいけないことが残っている。
むしろこっちが本題だ。
「そう、か? 俺はべつにそんな大した人間じゃないつもりなんだけど、まあ、なんだ。ありがとうな」
「はい。ご主人様」
「えっと、だな。まだ、ルヴィエラには確認しておかないといけないことがあるんだ。大切なことだから茶化さないで真剣に答えてほしい」
「分かりました」
こちらの意図を汲んだのか、ルヴィエラは真剣な顔つきで姿勢を正す。
「昨日、もしルヴィエラが“本気で俺を殺そうとしていたら”どうなっていたと思う?」
「……………………よくて引き分け……くらいかな、と」
少し考えたあとに、ルヴィエラはそう返した。
「血を吸っていない、弱っている状態でってことでいいんだな?」
「はい。……今、やったら十秒も持たないと思います」
「……やっぱりか」
予想通りの答えとはいえショックは大きい。トレインはため息を吐きつつがりがりと頭をかいた。
現時点でトレインが持てる最大火力を全てぶつけて得た成果が、ルヴィエラを悦ばせることだけだったのだから当然といえば当然だろう。
種族差、レベル差の壁がここまで厚いとは思わなかった。
「あ、あの~、なんでそんな質問を?」
ルヴィエラが不安そうに覗きこんでくる。
そりゃそうだろう。まるで対ルヴィエラ戦を想定しているかのような質問なのだから。にわか従者のルヴィエラにしてみれば「お前は信用できない」と言われたようなものだ。トレインに対して絶対的な信頼を向けるルヴィエラにしてみれば心身を真っ二つにされたかのような衝撃を受けたのだ。
「勘違いしないでほしいんだが俺はルヴィエラとまた戦うつもりはないし、信頼もしてる。でも、どうしても聞いておく必要があったんだ」
「理由を聞いても、いいですか?」
「ん~…………困ったな」
「あ、答えられないならいいんです。ボクはご主人様のすることなら、なんでも従いますから!」
「いや、話せないわけじゃない。どう説明したもんかなって思ってな」
トレインがルヴィエラにこんな質問をした理由――
それは、この世界の在り方がルヴィエラとの出会いによって一変したからだ。
昨日まで、トレインはこの世界を観光気分で歩いていた。チート能力を持っているし、世界の設定もある程度は知っている。多少のズルや抜け道だって分かっている。だから、のんびりこの世界を楽しめばいいや、と。
だが、それは誤りだった。
この世界がプロット通りなのは、ルールや世界感だけじゃない。
プロットに書かれた全てがこの世界に起こりうるのだ。
ヒロイン案のイベントの中には、一晩で国を滅ぼせるような竜と一騎打ちをしなくてはいけないようなものもあるし、単なるネタの一つとして書いていたものの中には人類存亡の危機に関わるような大事件だってあるのだ。
ルヴィエラとの出会いはヒロイン系イベントの中で数少ない非戦闘系イベントだったからよかったものの、もしルヴィエラと戦わなくてはいけないようなイベントだったらトレインは昨日でゲームオーバーになっていただろう。
最初に出会えたヒロインがルヴィエラだったのはトレインにとって僥倖だったといえる。
なんせ、ヒロインと戦うイベント……ないし、ヒロインが勝てないような相手と戦うイベントは盛りだくさんなのだから。
「あ~、将来的にだが、ルヴィエラと同等、もしくはそれ以上の強さの相手と俺は戦う必要に迫られるかもしれない。だから、現時点での戦力差を知っておこうと思ってな」
事実と言葉を濁した回答だ。
ルヴィエラならすべてを正直に話しても信用しそうな気がするが、「この世界は自分が使った物語の通りに進んでいるのかもしれない」というのは少し恥ずかしい。
それに、今はまだ推測の域でしかない話も言葉にして口に出すことで現実として確定されてしまいそうなそんな不安があるのだ。
被害妄想っぽい気がするが、異世界に飛ばされるなんて非常識が既に起きているのだからあながち妄想といえなくもない。
「なるほど~。それじゃあ、もしそんな敵と出会っちゃったときはボクを囮にしてご主人様は逃げてくださいね」
「いやいや、待て待て。決断が早すぎる。俺が言いたいのは、そういう事態にならないように強くなる必要があるなってことだ」
「ああ! そういうことだったんですね。でも、ご主人様は人間ですよね? 言っちゃ悪いですけど吸血鬼のボクより強くっていうのは一年や二年じゃ効かないと思うんですけど」
ものすご~く申し訳なさそうな顔でルヴィエラが言う。
言葉だけ取れば完全な侮蔑とも取れるが、事実なので腹は立たない。実際、ただの人間が種族として最上級種に近い吸血鬼を越える戦闘能力を単独で得ようと思ったら地獄も裸足で逃げ出すような修行を十数年単位で行う必要がある。
才能や、スキルによって大きく変動するが、種族差というのは馬鹿に出来ないほどの差があるのだ。
トレインがただの人間であれば「吸血鬼よりも強い化け物を越える必要がある」などと言えば笑い話にすらならない。しかし、トレインには自分で設定したやりすぎ極まりないチート能力がある。
「うん。まあ普通はそうなんだろうけど、俺の場合はちょっと特殊だからなあ。どれくらいで達成できるか分からないけど、多分そう遠くないうちにいけると思う」
「ほえ~、もしかしてご主人様って『天賦』とか『達人』みたいな才能をお持ちだったりするんですか?」
「そういうことだ。詳細はいずれ教える。ぶっちゃけ、自分自身でもどれくらいすごいのかよく分かってなくてな」
ステータスの数値が見えないのでどれくらい強くなっているのかが相対的にしか確認できないのが痛い。
「当座の目的としてはレベルを上げることと、あとはお金を貯めて装備品を整えることかな。さすがにいつまでも鉄の剣と旅人の服で戦うわけにはいかないしな」
「だったら、冒険者として活躍されていくのが一番てっとり早いですよね。魔物を倒してレベルアップと資金稼ぎが出来ますし」
「まあ、そうなるか。出来ればもっとてっとり早くレベル上げと資金稼ぎが出来るといいんだけどな」
時間制限がないとはいえ、イベントへのフラグがいつ、どんなタイミングでやってくるのかこっちは把握できない。ルヴィエラのイベントがそうであったとように突発的に巻き込まれる可能性は大だ。
となれば、いつ巻き込まれてもいいように準備は早めにしておくほうがいい。
(1%でも勝ち筋があればどんな無理ゲーすら勝つ自信はあるんだけど、完全な負けイベントだとどうしようもないからなぁ……)
元の世界でのトレインはかなりの凝り性でありゲーマーだった。
擬似的に俺TUEEを体感したくて多くのゲームに手を出した。ネットゲームや、ネット対戦対応の格闘ゲームや、狩りゲー、アクション、レース、なんでもやった。
一番ハマったのはアホみたいな難易度をしたアクションゲームを更に縛りを入れてクリアすることだ。
常人にはクリアできないようなものを鼻歌まじりクリアできる俺ってすげええええ! と自分に酔ったりしたものだ。
廃人ゲーマーだったトレインからすれば、システム上勝ち目があるならどれだけ無茶でも勝ちは拾えると思っている。
例え全開のルヴィエラが相手だとしても、準備をさせてくれるならギリギリ勝てるかもしれないとトレインは踏んでいる。
とはいえ、命がかかっている戦いに「勝てるかも」で挑むわけにはいかない。確実に勝てる準備をしておくのが大事だ。
「ん~、だったらボス狩りとかどうです? リスクは高いですけどボクが協力すれば十分やれると思いますし」
「ボス? ボスって……あの、ダンジョンの奥とかにいる、あのボス?」
「そうです。あの、やたら強い奴です」
「すまんルヴィエラ。俺が知ってるのと違うかもしれないから、詳しく教えてくれないか? 昨日も言ったけど俺はいろいろと知らないことが多いからさ」
「分かりました! ボクが知ってる限りのすべてを教えますね」
ムンっと両手に力を込めて張り切るルヴィエラ。
「ご主人様のお役に立てて嬉しい!」と全身で表現する姿は健気で大変可愛いのだが、
「(……あとでご褒美におしおきしてもらえるかな~? あんなんとかこんなんとか……えへへ~、うへへへへへ)」
と、つぶやいているのが聞こえて幻滅するまでがテンプレだ。
というか、ご褒美におしおきって言葉変じゃない?
「えぇっと、魔物は空気中に漂っている魔力から生み出されているってのは知ってます?」
「いや、知らなかった。でもつまりは、魔力の濃いところだと魔物が生まれやすいし、強くなるってことでいいんだろ?」
「はい、その通りです。なので、ボスはダンジョンの中か、魔力溜まりになっている場所にしか生まれません。ボスは通常の魔物と比べて大量の魔力が必要だからです」
「ん? なんでダンジョンにはボスがいるんだ? ダンジョンってそんなに魔力が濃いのか?」
「ん~っとですね。ダンジョンも実は魔物の一種なんですよ。奴らの好物はズバリ人間! ダンジョンを攻略しようと中に入ってくる人間を食べちゃうんですね」
「ってことは、ダンジョンに入った瞬間食われるってことか?」
「それだと攻略しようって人がいなくなっちゃうじゃないですか。ダンジョンもそこまで馬鹿じゃないんで、ちゃんと中には人が喜びそうな財宝とか用意して、自分の体内に魔物を生み出して中に入ってきた人間を殺すんです。それで、死体を食べてるってわけですね」
「えらい遠回りなやり方だな…………。そんな大規模なことをする力があるんだったら直接人間を襲ったほうがいいんじゃないか?」
「それをすると人間と正面衝突することになりますから。それに、ダンジョン内の魔物って外は別もんなんですよ。その素材を使って薬とか武器とかいろいろ作れるみたいでダンジョンの周囲には人が集まるんですよね」
「なるほど、ね。ダンジョン自体が人間の生活の一部に入り込んじゃってるのか。」
ある意味人間と共生しているわけだ。
実際は人間を食おうとしているわけだが、人間側もそれを理解して利用しようとしているのだからお互い様だろう。
「ダンジョンは人間を食べたいので、なるべく強い魔物を作りたい。でも、強すぎると人が入ってこない。そういったジレンマを解消するために存在するのがボスです。ダンジョン内を徘徊している多くの魔物はそれほど強くありませんが、ボスだけは別格です。むちゃくちゃ強いです。並みの冒険者なら会ったら死ぬと思っていいです。その分、倒せば雑魚千匹分くらいレベルアップしますけどね」
「ボスは殺し屋なわけだな。雑魚で釣って、ボスで狩るわけか。うまく出来てるな。ボスはダンジョン内をうろついてるのか?」
「一番、奥のエリアにいることが多いですね。ボスの素材はめっちゃ高く売れるから生きてる財宝みたいなもんですし、それに入り口の近くにいられたりしたらダンジョンに入れないじゃないですか」
「そりゃそうだな」
入り口にボスが待ち構えているとかクソゲーにも程がある。
「ボスの強さってのはどれくらいのもんなんだ? ルヴィエラよりも強いのか?」
「う~ん、ダンジョンによってピンキリなんでなんとも言えないですね」
「ダンジョンも魔力が濃いところのほうが強いのか?」
「ですね。魔力が濃ければ濃いほど、内部が広く複雑になりますし、中の魔物もすっごく強くなります。大きなダンジョンだとボスが複数いたりもしますよ」
「ハードだなあ。でも、その分稼げるわけか…………うんうん。なるほどね」
戦う魔物の強さは地方ごとに決まっているわけだから、自分の実力に合わせて狩る場所を変えればいいわけだ。
雑魚である程度レベル上げしたら、ボスで稼いで。ボスが物足りなくなってきたら次のダンジョンへ行くって感じにすれば、比較的早くレベル上げが終わるだろう。
少なくとも達人レベルである四十台には早くなっておきたい。
「やるとするなら、まずはボクとご主人様が出会った森の近くにダンジョンがありますよ。あそこは魔物のレベルも低いしいいんじゃないかと。レベルが上がって来たら南下して港町のアナンを目指しつつ、途中の海辺にあるダンジョンを攻略して、そこが物足りなくなったら次は東に行くって感じですね」
つらつらとよどみない説明に、トレインはお~っと拍手した。
ルヴィエラが照れながら「ご褒美をくれてもいいんですよ?」とドヤ顔でチラチラ見てくるのでそれは全力で無視する。
「それじゃあとりあえず今日はダンジョンに行ってみるか。その前に昨日の分の換金とポーションを買って、武器防具も多少見直すかな」
今日の予定をさっと決めて、トレインはベッドから立ち上がる。
そのままドアに向かって歩きだすと、ちょっぴり残念そうな顔をしてルヴィエラがついてくる。
教えてもらってお礼もしないのは、主とか奴隷とか抜きにして人としてダメか。そう思いトレインはルヴィエラに向き直り、おもむろに頭を撫でてみる。
ルヴィエラの髪は絹糸かと勘違いしそうなほどになめらかだ。くしゃくしゃと手を動かすと、髪はさらっと解けて引っかかることがない。軽く指に力を込めると頭骨の硬さが指を押す。
調子に乗って撫で回しすぎたせいか、ルヴィエラがまるで愛撫でもされているかのように目を閉じて「はふぅ……」と熱い吐息を漏らしている。
あんまり続けているとルヴィエラが調子に乗りそうなので、手を放す。
「いろいろ教えてくれてありがとうな、ルヴィエラ」
「…………はい!」
ルヴィエラは少し名残惜しそうにしていたが、トレインの「ありがとう」が嬉しかったのか満面の笑みで応えた。
若干変態すぎるところはあるが、根は素直で健気ないい子だ。
こっちがうまく気を遣ってやれば変態的なところも多少は、きっと、多分、抑えられる、はずだと思わないこともないこともない、はずだ!
トレインの内心の不安とは裏腹に、ルヴィエラは無邪気にニコニコと笑っていた。
お盆休みが終わって仕事が忙しくなったので、これからは更新を週1か週2にします。少なくとも、毎週日曜には一話分更新しているようにしますので、これからも『箱庭の英雄譚』をどうぞよろしくお願いします。