2話 悪口の途中で否定するのは認めた事だと思う
人物像や、顔などは好きに想像願います。
今更ですが。
Side:犬井
「何すぐさまやりますって言ってるの!僕達の事をしっかり考えてよ!」
僕は優大くんに詰め寄って、大慌てで止めに入る。
優大くんは僕の発言に対して、不思議そうな顔で言った。
「犬井こそ何言ってるんだ!この人は困っているから、俺達に助けを求めてるんだ!だったら助けるべきだろ!」
本気で言っている。優大くんは、本心でこんな馬鹿げた事を言っている。
僕は今すごい呆れ顔になってるだろう。
本当に何を、言ってるんだ?
優大くんはすごいお人よしで、優しい人だけど、誰かの力になれるなら、周りを巻き込んで、けれど結果的に色々平和になっちゃう。色々おかしいほどに都合のいい人だ。どこの物語の主人公だってくらいに。
だからっていきなり、「やります!」はないだろう。
「えぇ〜と?優大くん?僕らは、この人に、誘拐されたんだよ?わかってる?」
「誘拐?勇者として召喚されたんだぞ!俺達なら助けられるから、勇者として呼ばれたんだ!だったら力になるべきだ!」
「うん、何言ってんの?本気で言ってるのが分かる自分がやだ!勇者とか、僕らただの学生だから!第一あの人が何をして欲しいかも言ってないのに、いきなり「やります!」って言わないで?」
「あ、そういえば。女神様。俺達はどう力を貸せば良いのですか?」
「いきなり冷静になるの!?」
優大くんがいきなり冷静に女神キュルイに問いかけた。
すぐ切り替えられるのはすごい。けど、だったらもう少し冷静に考えてほしい。
「え、ええ。協力いただけるのですね。皆様には、邪神を、そして邪神の力を得た者たちを討伐してほしいのです!」
少し引き気味の女神キュルイが、僕らに身勝手な事を言う。
戦った事のない僕らに、邪神の討伐?
勇者召喚とかいうから、魔王はまだ、なんとか分かる。邪神?邪神の力を得た者?
者。つまりは人?
僕らに殺人をしてほしいと?
そう言ったのか?
「いやで「わかりました!」わかんなぁ!」
また、優大くん。いやもう優大でいい!
被せて承諾しやがった!
もうなりふり構ってられない!
とにかく止めないと!僕らに殺人を依頼してるって、教えないと!
「簡単に「やります!」とか!「わかりました!」って言うな!僕らに殺人依頼してんだぞ!」
荒い口調で優大に怒鳴る。
優大も、先生も、皆びっくりした顔をしているだろう。けど今、周りを気にしてられない。
「い、犬井?どうしたんだ?その乱暴な言い方は・・・。」
「どうしたじゃない!今言われた事に疑問を持て!ただの学生の僕らに!先生に!殺人を頼んできたんだよ!女神が!僕らを誘拐した張本人が!」
「さ、殺人!?いや、邪神の討伐だろ!殺人なんかじゃ・・・!」
「殺人だろが!邪神がどうなのか分かんないけど、邪神の力を得た者達って、人である可能性大だろ!」
あーもう!この度の過ぎたお人よしに、どう説明すれば・・・!
パァン!
突然、女神キュルイが手を叩いた。
僕は、優大は。女神に注目した。
女神が何か。口を開いて何かを言った、ような気がする。なんとなく。
「少し、冷静になってほしいのですが。まず、この部屋から出ましょう。犬井さん以外は、部屋から出て、客室に移動してください。」
は?僕以外?何で?
女神に何故か言おうと口を開けかけたが、
「はい。わかりました。」
優大が、先生が、皆が同時にそう言った。
「え?」
何で?皆?女神の言う事を受け入れてるの?
「えっちょっと!?皆!優大!?間中先生!?」
近くにいる優大の肩に触ろうとしたが、
「ホーリーバインド。」
バシン!
「いっ!わぁ!?」
光の輪が僕を縛った。
女神に攻撃された。
それだけは分かった。
Side:女神キュルイ
全く。こんな奴ら相手の笑顔を作るのも大変なのに、変にうるさい奴が、いつまでも私の。神である私をのけ者にしやがって!
とっとと用件だけ聞いて、承諾すれば良いのに!
「はぁ〜。あ〜あ。よくもまあここまで私をのけ者にしやがって。ついスキルを使ってしまったじゃない。お前なんかを殺すためだけに。」
こっちを睨む、細身で特徴のない男。
召喚した中で、一番適性のない雑魚。
使い物にならないゴミ風情が、いつまでも。
「・・・スキルって何だよ?」
「誰が口を開く許可を出した?」
汚らしい声を出しやがる。
こんな奴と話すのすらもったいない。
だが、仕方ないか。
私は悪くない。この世界が悪い。
早く私だけが幸せになれればいいのに、この世界はそれを邪魔する。
「私の邪魔する世界が悪い。そう、世界が、邪魔する奴らが悪い。だから勇者召喚をしてでも、私は戦わないといけないのよ。」
つらい。涙が溢れる。
何故私がこんな目に。
「うぅ・・・。どうして・・・。私が・・・。」
こんなにも悲しいのに、あのゴミは。
白けた目で見てくる。
「・・・何だその目は?」
つい、聞いてしまった。
「・・・何悲劇のヒロイン気取ってるんだ?おば「死ね。」」
『ドオン!』
即座に魔力の塊をぶつけ、ゴミを潰した。
血も、肉も消滅させた。
わ、私が、おばさん!?
ふざっけんな!神は歳を取らない!永遠にこの姿で、存在出来る!
ぶっさいくなくせに!神におばさんだと!
しばらくキュルイとクラスメイト達の話は書かないかと思います。




