タマタマ
掲載日:2026/01/04
タマタマを取られた。
取られる前は、ギャーギャーと直前まで騒いでしまったが、いざ取られてしまったら何のことはない。
以前の僕と変わらない。あの場所に僕の魂はなかったのだ。
変わった事と言えば、あんなに大好きだったチュールがさほど美味しいと感じなくなったくらいだ。
隣のミイちゃんにも、なんの魅力も感じない。髭の手入れもできていない下品な牝猫だ。
騒がしかった世界が、少し静かになったような気持ちがする。
僕は、毛繕いをしようと身体を起こした。タマタマのあったところはペシャンとしている。
悲しくはない。淋しくもない。
ただ、虚しく思う。
僕がにんげんだったなら、きっと涙をながしていたかもしれない。




