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4 魔法の練習

ガンザとサムは教本を読み終え、キラに指導を受けて魔力操作もできた。

いよいよ魔法を実際に試すときだ。

キラの見たところ二人とも光の属性があった。キラの魔石に施した微調整が思わぬ効果を発揮したことになった。

『これは若しかすると新しい発見では無いだろうか。次に試すときは属性ごとに入れ替えてみれば違う効果があるかも知れない。』

キラは研究に興味を覚えていた。しかし、余り没頭しすぎれば、元賢者のように自分を見失うだろう。何事もほどほどが良いのだ。気を取り直して、ガンザ達の魔法の指導をする。

ガンザは光の他に土の属性が得意なようだ。サムは風が得意だ。

それを彼等に教えて行く。

凄いぞ、サムは風の威力が飛び抜けている。これで、少しは楽に魔物を倒せるようになるだろう。

ガーゴイルの属性が風と土のせいで、雑味を抜くときに偏りが出来たのかもしれない。その為に二人はこの属性になったようだ。

ガンザは光の方が土よりも得意そうだ。光は使い勝手が良い。彼も、今度はガーゴイルを簡単に倒せるようになるだろう。これからは自分で修行して欲しい。魔物を倒せば、魔力も増えてレベルも上がって行くだろう。後は本人達の頑張り次第だ。

「俺、本当に魔法使いになってる!」

興奮してサムが叫んでいる。だがサムよ、まだまだだからな。これくらいで満足しないでもっと研鑽しなければダメだぞ。

「キラ。お前のお陰でまた冒険者を続けられる。ありがとう。」

涙を浮かべてガンザが感謝した。キラは満足しながらじっと二人を見て居た。


 今はギルド長が受付を担当して居る。キラは魔物を討伐に行かないで自室で魔法鞄や防具を作るのに熱中していた。

サムとガンザがペアを組んであちこち飛び回っていた。今ではこのギルドもかなり余裕が出来たようだ。

 以前いた冒険者も偶にここを覗いて行くようになっている。

「ギルド長自ら受付ですかい?」

「ああ、ガンザがまた冒険者に戻ったからな。」

「ガンザの兄貴が!俺も戻っていても良いですか?」

「良いけど、お前あっちはどうする?折角拾って貰えたんだろ。」

「いや、あっしはガンザさんの元に戻ってまた指導して貰いたいです。本当はここに居たかったのにガンザの兄貴がこのままでは喰っていけないだろうって言ってあそこを紹介してくれたんで。」

「まあな、あんときは大変だったからな。仕方なかったのさ。今度は大丈夫だ。あの嫌な魔法使いはどっかへ行っちまったしな。」

「本当にあの魔法使いは何で孤児を連れて行きたがったんですかね。嫌がっていたのを匿っただけなのに、酷い言いがかりを付けられて、災難でしたね。」

「何でも巫女さんには悪いようにはしないきちんと返すからって言っていたんだと。二歳の孤児を何かの実験に使いたいって言っていたそうだ。巫女さんは断ったがしつこくて困っていた。」

それを何気なく聞いていたキラが、飛び出してきた。

「何の実験ですか?」

「そんなこたぁ分からねぇ。ただ、連れ去られそうになったんで、これ以上連れ出されないように俺達で匿ってたのがバレて、人攫いだと言いがかりを付けられっちまってな。貴族まで出てきて、一時は牢屋にぶち込まれそうになった。領主が止めてくれたから助かったが、変な噂を言いふらして行きやがって、ご覧の通り閑古鳥が鳴く始末さ。」

以前巫女が言っていた貴族とは、このことだったのだろうか。二歳と言えばカマドラン王国で行われている魔石の同化の年齢だ。若しかして魔石を埋める実験をしたかったのだろうか。

きちんとした知識があったのだろうか?若しかしてカマドランの魔法使いだろうか。この国の魔法使いだったら知るはずも無い秘技だ。

もし、見よう見まねの実験なら、孤児は死んでいただろう。


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