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夏の想い出  作者: 枕返し
13/19

過去9

それからは急いで山を下った。来るときに危険そうな場所は覚えているので時間をかけずに下れたとは思うが、それでも湧き水のところに着くころには夕暮れになっていたし、いつもの川に着いた時には暗くなり始めていた。


「足元気を付けてね。」

「ごめん。俺が我儘言ったせいでこんな遅くなって。ヨーコ姉ちゃんは大丈夫?帰れる?」

「大丈夫だよ。マコト君も気をつけてね。」

薄暗くなってはいたが慣れた道、俺はそんなに苦労することなく帰りの山の頂上まで着いた。その頃にはもう日が沈んでいたが、そこからは道がひらけているので月明かりが十分入ってきてそんなに困ることはなかった。

家に着いたのは夕飯の頃。

「どこ行ってたの!」

母親に怒られたがまさか一人で遠くの山に行っているとは思わないのか適当に謝ったら許してくれた。普段から日が沈んでも中々帰らないのもいいカモフラージュになっていたのかも知れない。

特にお小言もなく、俺は次の日も普通にいつもの川に向かった。初めての時は探り探り下りて行ったことが懐かしく思える程、俺は簡単に進むことができるようになっていた。

いつもの川に着いて岩の上でヨーコ姉ちゃんを待つ。


来ない。


その日は太陽が真上に来ても、傾いても、沈みそうになっても、ヨーコ姉ちゃんは来なかった。もしかして帰り道に事故にあったのかもしれない。不安になったが俺はヨーコ姉ちゃんの来る方の山を登ったことがない。道がわからなければ相当苦労するだろう。はたして俺一人で行けるのだろうか。だけど今日はもう日が沈む。

俺が行ってみたところでどうにもならないことはわかっているが明日、明日になったら、行ってみようか。

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