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after

「そういやレティーシア、何で子守歌だったんだ?」

「本来、人化した私は、自分で帰る力は無かったの。だからここと天を結ぶ力も無かった。あの子守歌は、幼い頃お母様が歌ってくれたの。だからお母様ならきっと感じてくれると思って。」

「じゃあ助けてくれたのはレティーシアのお母さんなのか?」

「ううん、お父様も助けてくれたわ。お父様は大体お母様と一緒に居るから同時に把握してくれると思ったの。」

ラブラブ夫婦のようだ。

「セート、私達もラブラブしてみる?」

「エリン…あんま揶揄わないでくれよ…」

このお姉さんは本気にしちゃいけない人間だと思った…

ん?お姉さん?

「ところで、みんなって何歳なんだ?俺は15歳。」

「私は13よ。」

レティーシアは歳下だろうと思ってたから納得。

「私、14。レティーシアより1個上だね!」

と言いながらミアはレティーシアの頭を撫でた。

一個だけの違いだけど、お姉さん気分らしい。

「私はぁ?幾つに見える?」

ここでエリンが問題発言をぶっ込んだ。

…これは日本では死刑制度に組み込まれる予定の質問だ。(嘘)

あと質問に質問で返すのもNG。

語尾伸びも……って、俺の親父の受け売りなんだけど。

思わずジト目でエリンを見てしまっていた。

俺の様子に気付いたエリンが投げキッスを寄越して来る。

思わず赤くなってしまう。

「私もエリンも16歳だよ。」

エリンを小突きながらベルが教えてくれた。

「私は15ですね。」

「キャスは同い年か。」

「私は17歳だ。」

「「「「えええーっっ!?」」」」

ヴァルティアの年齢にみんな驚いて声を上げてしまった…あ、レティーシア以外。

「魔族って長生きで何万歳とかかと思ってたよ。」

「私は新たに魔王になったばかりだったからな。私の父は長く魔王をやっていたが、それでも何百歳だぞ。」

「魔族自体がそれ程歴史が長くないからね。」

俺とヴァルティアのやりとりに、レティーシアが言葉を付け足した。


「さて、みんなの年齢がわかったところで、どうする?」

俺はみんなに問い掛けた。

「私は海に行きたいなー♡」

エリンが挙手で答える。

海……水着!?

ちょっと妄想してしまった。

思春期だから仕方が無い。 

「そりゃ、エリンはプロポーション抜群だからいいよね…」

ベルがチラッと俺を見る。

あ、そうか。風呂の時は女の子だけだから気にしなかった事が、俺という男の視線は気になる…ということだろう。

ベルだってプロポーション良さそうだけどな。

思わず全員をチラ見してしまった。

「セートのスケベ!」

胸に自信が無いミアが、ジト目で俺を見ながら言い捨てる。

ヤバイヤバイ。

俺は視線を女の子達から逸らした。

「それで、行くのでしょうか、行かないのでしょうか?私は海を見たことが無いので、行ってみたいです。」

そういやキャスの居た所は、山側の奥の方だったな。

「うむ、確かに私も海には行った事が無い。皆と一緒ならば楽しそうだ。」

ヴァルティアも山の方に居たんだった。

「私達も行きたいのは決定よ♡」

「うん。」

エリンとベルも、行くのに賛成してくれてる。

「セートがあまり見ないならね。」

胸を隠すような仕草をして、ミアも賛成を告げた。

言われると却って気にしちゃうんだけど…。

また意見を言ってないレティーシアにみんなで視線を向けた。

「海は小さい頃行ったけど、最近は行ってないわね。」

それはね多分君のお父様が、君が成長(どことは言わないが)したから他人に見せない為じゃないかな。

と思ったけど口には出さなかった。

あれ?これ行ったら殺されるパターンじゃ……

「私も行きたいわ。」

レティーシアの言葉で、全員が行く事を決定したのだった。

俺の命日にならないように……



「海の家……だと…!?」

海に来て最初に見たのは、日本ではお馴染みのものだった。

そう言えばあちこち街を回った時、俺はこの世界を、中世ヨーロッパ辺りの文明だと思っていた。

実際は、中世ヨーロッパと現代が混在した感じだった。

何て言うか、中世ヨーロッパに時折現代の建物や物が存在してる感じで。

まあ、この方が俺にとっては助かる。

だけど『海!』と言えば、女の子達は「見ないでね!」と言いながらこっちを気にしつつ、岩の陰で水着に着替えるのがお約束じゃないのか!

時折顔だけ出して、俺が覗いてないか確認する時の、赤くなった顔で……はっ、性癖がバレる!

いや、お約束を述べたのであって!

と誰に言うわけでも無く、心の中で葛藤したのであった…

「あれ?セートまだ着替えてないの?」

悶々としてたら、女の子の方が着替えが終わってた…

一応この先は、『水着が流れちゃった』『ビーチボールでたわわが』『溺れて人工呼吸』辺りが、お約束イベントかな。


そして俺は生存率を上げる為に、極力水着の女の子達を見ないようにした。

でも、会話する時はどうしても目に入る。

目を合わさないで喋るのとか無理だし。

会話をしようと無意識にみんなの水着を見ると…

「ラッシュガードだと!?」

全員ラッシュガード姿だった……

「み、みんなの水着って…」

「うん、お父様が用意してくれたのよ♡」

レティーシアが…やっぱりお父様が俺の下心を先回りしたんだ……行動が読まれてるようで、怖い!

震えながらみんなと共に海辺へと向かった。


みんなでビーチバレーでゆったり遊ぶ。

最初はトスで回していたけど、今は何故かミアとヴァルティアが、激しくビーチバレー状態になった。

二人の対決をエリンとベルが体育座りでそれを眺めていた。

レティーシアが何処に持っていたのか、浮き輪で海にプカプカ浮いていた。

その浮き輪に掴まって押すように泳ぎながら押すキャス。

キャスは泳げるのか。

俺はゆったりと砂浜でみんなを鑑賞してる。

ビキニな(ワンピースでも可)、肌の露出が多い水着はもう見れないけど…

「平和だな…みんなの笑顔がいちばんか…」

と、厨二っぽく言ってみた、言ってみたかったから!

「セート、期待してたんじゃない?」

「わあっ!!?」

いつの間にか近付いて来ていたエリンが、意味深に笑みながら、そう言ってムフフ笑いをしながら、俺の顔を覗き込んでいた。

や、やだ、聞かれた!?

恥ずかしさの余りお姉口調で、頭の中で思考していた俺…

「ん?顔赤くしてどうしたの?」

エリンはそう言って悪戯っぽく笑みを浮かべる。

やっぱり聞かれてた…

「セート、期待してたでしょ…これ。」

と言いながらラッシュガードの上着の胸元を少し開けて俺に見せてくる。

エリンの豊満な胸の谷間が強調されて……

俺は赤い顔で、思わず唾を飲みながら、胸に目が行ってしまう。

男なら当然の反応だ!

「キャーエリン!何してるの!?」

もはやエリンの保護者と化したベルが、俺達の様子を見て駆けて来ると、エリンの胸元を力ずくで正した。

「もう、ベルったら、こういう事よ、こういうこと♡」

エリンが言いながらベルのラッシュガードの上をめくりあげた!

「キャアアア!?」

真っ赤になって悲鳴を上げて、すぐに胸を隠してしまった。

あ、下はビキニなんだ。

エリンとそう変わらない大きさだった。

不意に視線を横に流したら、悲鳴を聞いたヴァルティアとミアが駆けて来る。

この中で悪いのは俺にされるのか?

…その時だ。

海にメッチャ高波が来る!

「レティーシア!キャス!!」

俺は急いでその場から走り、水の中に居る二人へと向かって行く。

糾弾から逃れたわけでは無い!

二人の元に近付くまでに「これはもしや、人工呼吸イベント!?」とか夢見た事を考えていると……いやそれどころじゃない!

「キャ……」

キャスが叫びそうになった時……

「キャス、大丈夫よ。」

レティーシアが結界を張っていた波を防いでいた。

……イベント終了のお知らせ…。


「はあっ、楽しかったな!」

危険(精神的に)もあったけど、程良い疲労感で、満足だ。

みんなも同じようで、楽しそうな笑顔を浮かべていた。

「ね!楽しかったよ!ふあ〜っ。」

「海がこんなに楽しいとは思わなかったな。」

ミアが欠伸をしながら感想を言うと、同意で頷きながら言った。

「セートは物足りなかったんじゃない?」

エリンがウィンクしながら俺に言う。

「セートをあんまり揶揄ったら駄目よ。」

ベルがエリンに体当たりして俺から引き離してくれた。

「レティーシアも楽しめたようですね。」

キャスはそう言いながら、俺の背におぶさってるレティーシアへと視線を向けた。

レティーシアは海で遊んだ上で結界を張ったからか、力尽きたように眠っている。

「ああ、多分遊び切ったのかも。」


翌日にレティーシアが「みんなで遊ぶのって楽しいのね♡」って言ってくれたから、行った甲斐があったなぁと、エッチなイベントは無かったけど(泣いてない!)俺は満足だった。



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