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君と見たい未来  作者: 上野慎
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第零話-日常と感情-

ゆっくりきまぐれ更新ですのでブックマークしてゆったりお待ちください。

 日常


 あなたにとって日常とはどんなものだろうか?

 学校に行く、働きに行く、友達と遊ぶ、家族と過ごす……、そういったところだろうか。


 そんな日常を過ごすうえでどんな感情になることが多いだろうか?

 楽しいや面白いといった正の感情なのか、辛いや悲しいといった負の感情なのか。


 ――俺にとっての日常は、「苦しい」という感情が一番当てはまる。


 どんな時にそう思うのかと言われても、答えようがない。なぜならそれが日常だからだ。

 

 バイトに行った時、仕事に対してやる気もあるしやりがいも感じるがどこか苦しい。

 友達と遊んでいる時、カラオケやゲームなどをして楽しいと感じるがどこか苦しい。

 家族と過ごしている時、ありがたいことに家族愛というのは感じるがなぜか苦しい。


 そう感じてしまう俺はどこかおかしいのだろうか?


 そう思った俺はこの苦しさからどうにかして解放されようと考えた。

 

 最初にやったことは「学校を休学」した。

 普段は愛知県の大学に電車で通っていたが大きく環境を変えたかったのでまずは一番時間をとられていた学校と言う物から離れようと思っての行動だ。

 

 ちなみに三年の前期まではちゃんと通ってたよ。単位はあんまりないけど。


 親を説得するのは大変だったが「やりたいことができて夢をかなえたいんだ」と言ったら、二年という期限付きではあるが休学を認めてくれた。

 やりたいことがあるというのはあながち嘘ではないが、そんな前向きな考えというよりはどちらかというと学校という場所にいることが苦しいから逃げたかったという後ろ向きな考えなので、少し親に対して心苦しく思うこともある。でもごめん、どうしても逃げたかったんだ。


 次に「動画配信」を始めた。

 やりたいことがあると言ったからには自分がやりたいと感じていたことをやろうと思い、小さいころから好きだった動画配信を始めてみた。


 実はお笑いも好きだったりするので芸人になりたいという思いもあったのだが、すべて自分の力で戦わなければいけない動画配信という舞台に惹かれたのでこっちの道を選んだ。それでもなお芸人への憧れはいまだに抱いている。

 

 そのため動画の内容はトークを中心にしたバラエティ系が多くなっている。


 動画撮影は主に自分の家や地元で撮影している。モットーは「四日市から世界へ」。

 地元の三重県四日市から自分なりに面白いと思えるものを届けようと日々努力している。

 ちなみに登録者はまだ三桁しかいない。しかも前半。


 それでもめげることなく週三本投稿を続けれている。ちなみに撮影も編集も基本一人でやっている。


 ――大学から逃げてきて始めた割には本格的に頑張っているなぁと思う。

 その理由は「本気で会いたい人」ができたからであるが、話すと長くなるからまたそのうち話そう。


 そして最後に「アルバイト」を必死にやっている。

 動画配信でやる企画費を稼ぐためには働くしかない。こればっかりはどうあがいても逃げ出すことができなかった。


 いつか動画配信で成功して好きなことで生きていくんだと必死にもがき続けている。


 

 ――――と、まあこんなところが俺の日常だ。

 これだけ聞くと「人生舐めてる」だの「俺はお前より辛い」だのありがたいお言葉を言ってくる奴もいるが、そんなこと知るか。


 俺は俺なりに人生頑張っているし、俺なりにいろいろ思うことがあるからこそ、俺なりに日常が「苦しい」と感じているんだよ。――まあ、誰も理解しようとしてくれないだろうけど。


 そんな風にいろいろなことを考えながらもがいて半年が経過した。

 休学終了まであと一年半。


 長いように感じるが、一年半なんてあっという間だ。この半年があっという間だったように。



 ――――おっと、そろそろバイトの時間だ。


 遅刻したら店長に怒られるから急いで行こう。

 

 常に準備してあるバイト用のカバンを持ち、イヤホンをつけて音楽を流す。

 いつもと同じあの人の曲を聴きながら精神を整える。……かっこつけた言葉で言うと、これが俺のバイト前ルーティンだ。


 それじゃあそろそろ、この苦しくても生きていかないといけない日常に、


 「行ってきます」

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