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零線 Endlessworld  作者: お味噌
8/15

新しい部屋

木材をひかれている甲板が日光に照らされ熱を帯びている。帯びた熱が潮風で俺たちに吹き付けてくる。塩臭く、そして暑い。暑さで少しヘタレていると長門さんが手を叩いて話し出した。

「さて、出航するまで少し時間がある。それまでに少々この戦艦の説明と案内をするよ。」

そう言って長門さんが笑顔で人差し指をとあるモノに指した。

「まずはこれ、この戦艦の対空火器だ。これがこの戦艦大和の中央を中心に大量に配置されてるんだ。航空機を落としてこの戦艦を守るのがこいつの役目だ。ちなみに配置は天一号作戦のままだ。そんじゃ次」

そう言って長門さんが俺たちを艦首近くの木材の床と鉄の装甲の別れめにある四角い通気口の様な所に連れてきた。

「よし、こっからならよく見えるだろう。まずはあれだ、司令塔の近くにある少し小さめの三連装の大砲があるだろ?あれがこの戦艦の副砲だ。あれで接近してくる敵艦を砲撃するんだ。ただ副砲だからそこまで射程距離は無い。そしてこれが」

突然、長門さんが大きく息を吸い、鼻から一気に空気を吐いた後、ウッキウキな口調で話し出した。

「この戦艦の醍醐味、46cm砲だ!!どうだ凄いだろ?これが世界最大の戦艦の主砲だ!!」

なるほど世界最大の戦艦の主砲か、確かにデカい、とにかくデカい。それでデカい以外何が凄いのかが全く分からない!!

「射程距離はなーんと42km!!」

なーるほど、全くピンと来ないっ!!

「しかも3連装が3基、全部で9門!!」

ワースッゴーイ!( ᐙ )

「そして火力はズバいち!!」

ワースッゴーイ!!!( ᐙ )

「そして一番ヤバイのが発砲時に主砲の周辺にいる人は衝撃波で吹き飛んで死ぬ!!」

ワースッゴクナーイ!!!!( ᐙ )

「ま、そこは上手いこと魔法強化で改造したので発砲しても影響は出ない、つまり問題は無し!!」

ワーヤッパスッゴーイ!!!!!\( ᐙ )/

「武装説明終わりッ!!じゃあ次はそこにあるハッチから入って艦内を説明するよ。」

「ハーイ!!( ᐙ )」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー艦内ー

艦内に入ると中は意外と白い塗装が殆どで明るい空間、その空間の中でタービンの音が少し聞こえてくる。天井には色々なパイプが通っており、壁には頑丈な鉄の扉が所々に設置されており、全て完全に閉められている。更に船がデカすぎるせいかあまり揺れを感じない。船酔いはしないで済みそうだ。入ったハッチからしばらく長門さんについていきながら歩いていると壁に張り紙が貼ってあった。

そしてその張り紙にはこう書かれていた。

(扉閉めろ絶対!! 長門より)と。

「扉はちゃんと閉めとけよー?じゃないとチャリで追いかけ回すからなー?」

俺が張り紙を見ていたのに気づいたのか長門さんが笑顔で忠告してきた。なんというか不気味な笑顔で…。俺は少し顔を引きつらせながら頷いた。チャリで追いかけ回されるのか…

シュールな絵面を想像していると「食堂」と書かれた木でできた札が目に入った。

「ここが食堂だ。」

長門さんが立ち止まりそう言った。多くの机と椅子設置されており、近くの壁には砲塔の壁がある。

「今は出港準備で料理長意外誰もいないが、飯の時間になると賑やかになるんだ。ちなみにここのおすすめはコロッケとカレーだ。ただこの船は火気厳禁でね、基本的にここの料理はタービンから出た蒸気の熱を使って調理をするんだ。上手いこと改良して揚げ物を作れる程の熱を出せるようになったのだけど少しの間しか使えないからコロッケは数量限定なんだ。ちな、早い者勝ち。300個限定だよ。味は超絶品。」

長門さんが説明していると近くで白髪で白い髭が生えており、少し丸みを帯びた四角い眼鏡をかけた老人が白いエプロンを付けながら料理しているのが見えた。

「あの方が料理長だよ。」

長門さんが教えてくれた時、料理長さんが俺に気づき笑顔で軽く手を振ってくれた。優しそうな料理長だ。

「さて次は龍ちゃんたちの部屋を案内するよ。」

長門さんがそう言って俺たちを部屋に案内しようとした時、長門さんは後ろでこっそり料理長に何かジェスチャーを送っていた。それが俺には何となく分かった。俺的に解読するとこうだ。俺の分の コロッケ こっそり残しといて

そのジェスチャーを受けた料理長が腕をクロスにしてバツを作りながら横に首を振っていた。それを見た長門さんは落ち込んでいた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーとある部屋前ー

「ここが龍ちゃんたちの部屋だよ。」

そこには壁に扉が沢山並んでいる。

「手前から龍ちゃん、赤美ちゃん、三郎ちゃんだ。」

俺は扉に付いているドアノブを下げ、扉を開いた。そこには約5畳分の広さがあるであろう部屋に近くに扇風機を置かれている白いベッドと照明付きの机が置かれてあった。壁には外が見えるように丸い窓が付けられており、窓を除くと港が見えた。

「不要になった部屋を改造して寝室にしたんだ。どうだ、結構良いだろ?赤美ちゃんと三郎ちゃんも同じ構造の部屋だよ。何かあった時は机の近くにある伝声管を使ってくれ。」

そう言いながら長門さんが伝声管の蓋を開けた。

「使い方は簡単、伝声管の蓋を開けてパイプに向かって喋る。こんな風に」

「副艦長の長谷ちゃーん?こちら艦長の長門。後でコロッケ取れたら半分くれぇい。」

コロッケ諦めてなかったのかよ…

すると副艦長さんから直ぐに返事が返ってきた。

「こちら副艦長の長谷、先程の返事ですが、絶対に嫌です。」

(´・ω・`)

長門さんどんまいです。

「とりあえず、龍ちゃんも試してみ?」

そう言って長門さんが伝声管を譲ってくれた。

「あ、あの…龍です。」

俺は緊張しながら伝声管を使うとさっきの副艦長さんから直ぐに返事が来た。

「こちら副艦長の長谷、龍さん、先程はどうも。自己紹介が遅れました。私は長谷 隼門と申します。改めましてよろしくお願いします。」

「よ、よろしくお願いします。」

長谷さんは真面目な人なようだ。すると長谷さんから長門さんに連絡が来た。

「こちら副艦長の長谷、長門艦長、出航準備が出来ましたので司令室までお越しください。」

「こちら艦長の長門、了解した。」

長門さんがそう言って伝声管の蓋を閉めた。

「じゃあ俺は司令室に行くよ。夜食まで時間はあるしその間この船の探索でもしていてくれ。迷わないように地図を渡しておくよ。ほんじゃ。」

長門さんが俺と赤美ちゃんにこの船の地図を渡して直ぐに部屋を出ていった。

「で、貴様らはこの船の探索をするのか?」

三郎さんが腕を組みながら聞いてきた。

「そうしようかと、三郎さんはどうするんですか?」

「儂は疲れたから寝る。赤美のことは頼んだぞ。」

そう言って三郎さんは自分の部屋に戻って行った。

「赤美ちゃんは探索する?」

聞くと赤美ちゃんがゆっくりと「うん」と頷いた。

「じゃあ一緒に探索しよう。」

俺は赤美ちゃんと一緒に船の探索を始めた。

「最初はどこに行こうかな…」

地図を開いて見ていると赤美ちゃんが格納庫と書かれた場所を指さした。

「ここ…」

「格納庫、この船の後ろか。よし、行こう。」

そう言って俺は赤美ちゃんと手を繋いで格納庫に向かった。

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