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零線 Endlessworld  作者: お味噌
4/15

Reisender

「アルフレッド!!無事か!?」

長門さんが豪快に店に入って行く。すると店の中から荒々しい声が聞こえてきた。

「お前は…長門か!!俺とローズは無事だ!!」

その声を聞いた俺と三郎さんは急いで店に入った。そして目に入ったのはモップを持ちながら仁王立ちをしているイカついアメリカ人と椅子に座っている人間の身長とほぼ変わらない美少女の人形があった。

「おう、三郎か。久しぶりだな。隣のガキは?」

俺は少し取り乱しながら答えた。

「えっと、山野龍です。」

「てめぇが龍か…ん?てめぇ、なんか若くねぇか?何歳だ?」

「えっと、18歳です」

「おい長門、俺が聞いてた話だと20代ぐらいだったんだが?」

「ありゃ、間違えてた?」

「間違えてた?じゃねぇよ、銃のサイズとか合わせるのをミスったらどうしてくれてたんだよ!!」

「多分誤差はないから大丈夫大丈夫…」

「ったく、てめぇってやつは。」

すると三郎さんが話を割るようにしてアルフレッドさんに質問を投げた。

「一体何があった?あのアイアンゴーレムの残骸はなんだ?」

それを聞いたアルフレッドさんは少しイラつき、腕を組みながら話し出した。

「少し話しが長くなるんだが…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~数十分前~

アルフレッドが小道具の手入れをしている。すると入口のドアが開いて2人組が入ってきた。

カランカラン~

「いらっしゃい」

2人とも軍服を着ていた。1人は帽子をかぶっており、まぁデカい牛乳瓶を右手に、もう一人は頬に十字の傷が付いているのが特徴の男だ。

アルフレッドは2人の顔を見て直ぐに何人かが分かった。アルフレッドの表情が険しくなる。

「…てめぇら、ドイツ人か?」

それを聞いた牛乳瓶を持っている人が口を開いた。

「そうだが、何か問題でも?」

アルフレッドが近くにあった武器を手に取り、警戒しながら会話を続ける。

「俺はこの世界でドイツ人を見るのは初めてなんだよ。」

「へぇ、じゃあこの世界ではレアじゃん俺達。以前はドイツ人をどこで見たんだ?」

「バトルオブバルジでだ。ローズ!!」

アルフレッドの声に答えるように近くに座っていた美少女の人形が杖を持って牛乳瓶を持っている男の首元に杖先を向けた。それを見ていた十字の傷の男が銃を取り出しアルフレッドに銃口を向ける。

「これはまた新しい挨拶だな。」

「下手すりゃ初対面の挨拶代わりにてめぇの首がぶっ飛ぶぞ?」

牛乳瓶の男は動揺を見ないどころか笑顔で両手を上げている。

「挨拶の血で店を汚すほど常識はない人間では無いぞ?︎︎"︎︎俺は︎︎︎︎"︎︎」

そう言いながら牛乳瓶の男は十字の傷の男に銃を下ろすよう手で伝え、十字の傷の男は銃を下ろした。それを見たアルフレッドはローズに杖を下ろすように伝え、ローズは杖を下ろした。

「何が目的だ?」

「特に何も?ただここに寄っただけだ。凄い独特な店だったからね、好奇心でついね。」

アルフレッドは険しい表情のまま警戒を解かない。すると牛乳瓶の男はアルフレッドの警戒を解こうとしたのか少し笑顔で話し出した。

「安心しろ、俺たちは何もしない。俺が保証しよう。それに戦争は終わったんだ。もう今は争う必要も無い。そうだろ?」

それを聞いたアルフレッドは完全ではないが警戒を解くことにした。それを見ていた牛乳瓶の男は大きな深呼吸を下瞬間、豹変した。

「…ふぅ、怖いってもぉー!!マジで怖いって、店に入ったら突然敵意むき出して来るんだからもぉー!!」

あまりの豹変っぷりに流石のアルフレッドの目が点になっていた。どうやら本当に敵意はなかったようだ。後ろの傷の男は右手で顔を覆いながら左右に首を振ってやれやれみたいな仕草をしている。

「えっと君の名前は?」

「え?あ、アルフレッド・クラウスだ。」

「いい名前じゃないか、俺は…そうだな、ユンカースとでも呼んでくれ。後ろの助手はカノンニアと呼んでくれ。それで悪いのだがあれ見てもいいか?」

ユンカースがウッキウキでジャンク屋の商品を指さす。

「お、おう…。いいぞ?」

「やったぁぁぁぁ!!!(」’ω’)」オォオォオ!!!ウウゥゥアアォオ!!!!!!」

まさに子供のようだった…。

それを見ていたカノンニアが溜息をつきながらアルフレッドに近づいてきた。

「先程は銃を向けてしまってすまなかった。」

「あぁ、気にするな。お互い様だ。てめぇは真面目だな…。あいつ大変じゃねーか?」

「本当の本当にッ大変です。はい。」

カノンニアさんも苦労してるんだなとアルフレッドは思った。

「俺も悪かった、何も知らず。」

「いえいえ、敵同士だったなら尚更ですよ。」

「…てめぇとは話しが合いそうだな。少し俺と話すか?」

「ええ、喜んで。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~数分後~

「…それでユンカースは上からの事もあって敵にも威厳を見せるために表では本性を押えられてたんです。」

「そんな事が」

「唯一本性を出していたのが私と他の銃手と同士達、丁度あんな感じです。」

アルフレッドがユンカースを指さした。

( ᐙ )←ユンカース

「良くあれで生き残れたな…」

「私も思いましたよ。でも、毎回敵の抜け目見つけてそこから通ったり、墜落しても帰ってくるわでそれに関しては凄いと思いますよ。」

「帰ってくる事に関してはカノンニアも同じじゃねぇか」

「私は着いて行っているだけですから」

カノンニアは笑いながら話す。ぶっちゃけ無理矢理毎日出撃に付き合わされてるカノンニアも化け物だとは思っているアルフレッド。すると後ろから商品を持ってきたユンカースが戻ってきた。

「アルフレッド、この商品ってどれぐらいするんだ?」

「えっとそれはだな、確か…」

すると突然、後ろの入口のドアが吹き飛び、ドアの破片がユンカースが持っていた牛乳瓶に当たり、牛乳瓶が割れて牛乳を床にぶちかましてしまった。牛乳の水たまりができた床を見たユンカースはフリーズしてしまった。

「誰だ!?」

アルフレッドは武器のハンマーをカノンニアが銃を取り出し、入口を見た。そこにはアイアンゴーレムが大量に湧いており、そのうちの一体が店に入ってきた。

「なぜこんな所にアイアンゴーレムが!?しかもこんな大量に!!クソッ!!」

カノンニアが銃を撃つが全く効かず、アルフレッドがハンマーで殴るが倒れる素振りが見えない。

「チッ、こいつは不味いな。ローズ!!」

人形が名前に反応して起き上がる。

「カノンニアとユンカースを裏口から避難させろ!!」

「それだとアルフレッド、君はどうするんだ!?」

「俺がアイツらを抑える!!その間にてめぇらは逃げろ!!」

「だが…」

「いいから早くしろ!!」

「…ハハハ」

突然ユンカースから不気味な笑い声が聞こえてきた。

「ハハハハハ!!アハハハハ!!!」

すると突然、2人でも歯が立たなかったゴーレムの胸元に風穴が開き、店の外まで吹っ飛んで行った。

そしてユンカースは入口へ歩き出し、不気味な笑顔をしたまま独り言を言い出した。

「丁度いいや、出撃することがなくてストレスが溜まっていたところだしー?ストレス発散しちゃっおーと(笑顔)(˙ᗜ˙)」

「お、おい。」

アルフレッドが止めようとしたがカノンニアがアルフレッドの肩を掴んで止めに入った。

「あれはもう無理だ、言うことを聞かないモードだ。後あいつ一人で大丈夫だから、安心してくれ。」

「死んでも知らねぇぞ?」

「何を今更。すまない、モップ借りてもいいか?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~1分後~

「ふぅ、スカとしたぜぇ…」

ユンカースが万遍の笑みで帰ってきた。店の中ではカノンニアがモップでこぼした牛乳の後始末をしている。

「おーい、カノンニア!!あいつ来てるぞぉ!!」

あいつ?あいつって誰だ?アルフレッドがその事について触れようとした瞬間、ユンカースが突然アルフレッドの肩を掴んだ。

「俺が持ってた牛乳と同じやつない?」

「冷蔵庫にあるぞ?」

「すまんそれをくれ」

アルフレッドは急いでその牛乳瓶を持ってきたらユンカースがお金を置いて牛乳瓶を受け取った。

「お釣り入らないから!!それじゃあまたどこかで!!」

そう言ってユンカースが急いで出ていった。カノンニアも入口前で頭を下げて「失礼しました、またどこかで。」と言ってユンカースを追いかけるように走っていった。店にはこぼれた牛乳の水溜まりが残っていた。アルフレッドは溜息をつきながらモップを持った。そして牛乳の水溜まりの後始末していると徐々に空からサイレンのような音が聞こえ、そして重音が混じった爆発音とともに消えてしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~そして現在に至る~

「という訳だったんだ。」

すると長門さんが疑問を投げた。

「え、じゃあなんでアルフレッド、何にイラついてんの?」

それを聞いたアルフレッドが溜息をつきながら答えた。

「床に着いた牛乳の臭いが取れねぇんだ…」

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