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零線 Endlessworld  作者: お味噌
11/15

別れの引き金

鉄臭い廊下、サビで割れた隙間から雨漏りで1滴、また1滴、ポツンポツンと地面に落ちている。俺は今、奇妙な軍人に銃口を向けられている。ポツンポツンと雨漏りが音を立てる度、俺は呼吸を乱した。

「質問だ、答えろ。」

ガスマスクでごもった声が聞こえた。

「君はなぜ、ゾンビになっていない?」

ゾンビ?なんだそれ。俺は首を傾げた。

「あの、どういうことですか?」

ガスマスクの軍人は銃口を俺の額に押さえつけ、声を荒らげた。

「何故ゾンビになっていないのかと聞いているんだ!!ゾンビにならないということは、あの石を持っているのか!?」

「石!?なんですかそれ!?」

急すぎて頭の処理が追いつかない。するとガスマスクの軍人が俺の顔を少し見つめた後、ゆっくりと拳銃を下ろし、ボソッと言った。

「奇妙だ…」

「え?」

「本当にあの石を持っていないのか?」

「ですから、なんですか?その石って言うのは…」

突然、ガスマスクの軍人の背後からガスマスクをつけ、ヘルメットを被っている武装した5人組が小走りで駆け寄ってきた。

「隊長、このフロアは掃討完了しました。」

どうやらこのガスマスクの軍人は隊長のようだ。

「よくやった。…おい、あと一人足りないのだがどうした?」

それを聞いた隊員の1人が少し取り乱した。

「隊長、それが…」

すると隊長は何かを察したのか、少し重い息を吐いた。

「案内しろ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

隊長と隊員達と一緒にライトを照らしながら先に進むと、隊長達と同じ武装をした人が1人、壁に寄りかかりながら倒れていた。辛うじて生きているが所々噛まれたような痕跡が残っており、首にはアルバンと刻まれたペンダントをかけている。どうやらこの人の名前のようだ。すると、さっき取り乱しながら報告していた1人の隊員が話し出した。

「僕を庇ったせいで、彼はゾンビに襲われて…」

「…そうか」

そう言った直後、隊長はアルバンさんの頭に銃口を向けた。

それを見た報告してきた隊員の1人が動揺した。

「ま、まってください隊長!!」

すると隊長がまるで怒りが籠った声で喋りだした。

「何故始末しなかった?」

「それは…」

「君は知っているだろ、見てきただろ?この7日間、この船に閉じ込められてから、20人もいた我々の軍隊、そのうちの半数以上が死んだ。それもゾンビになってだ!!そして我々で始末した。同胞をだ。何故だか分かるか?我々を襲ったからだ!!」

「…。」

7日間もこの船に閉じ込められていたのか、それに20人以上もいたのにゾンビに…俺がそう思った時、隊長は冷静な口調で喋り始めた。

「噛まれればゾンビになる、そして我々に危害を加える存在になる。彼はゾンビに噛まれた、君は見たんだろ?」

「…はい。」

「なら、やる事は一つだ。」

そう言って再びアルバンさんに銃口を向ける。引き金に人差し指をそえた時、アルバンさんがゆっくりと右手を動かし、ペンダントを掴んだ。

「隊、長、おねが、いが、ありま、す」

アルバンさんはペンダントを外し、隊長にペンダントを差し出した。

「これを、つま、に届け、てくださ、い」

差し出されたペンダントを見た隊長は違いな回答を返した。

「断る」

それを聞いたアルバンさんは少し笑った。

「やっぱ、り、冷た、い、少、し安心し、ました」

「喋れる体力があるなら、己で妻にペンダントを渡してみたらどうだ?」

「それ、は、むり、で、すよ」

「…そうか」

俺はただ見ていた、アルバンさんの最期になろう会話を。

ふと、ズボンのポケットに違和感を覚えた。ポケットに手を突っ込むと何かが動いている。取り出すとそれは手帳だった。しかも何もしていないのに手帳が震えている。すると突然、勝手に手帳が開き、紙に文字が浮かび上がった。

あるばんにふれろ かれをたすけろ

そう書かれていた。

「では、さらばだ。我が部下よ。」

顔を上げると隊長が引き金を引きかけている。俺は咄嗟に叫んだ。

「待ってください!!」

隊長は引き金から指を外し、俺の方を見た。

「なんだ?」

「もしかしたら、アルバンさんを助けれるかも」

「なに!?」

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